↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21本の聖剣の物語  作者: ジャスティン
第2期
PR
89/94

暗石の絶望1-4

理性を失ったライトは、野獣のような咆哮とともにウーミエ、滅炎、粘潮へと襲いかかりました。「へっ、面白くなってきやがった。喰らえ、熱火(ねっか)!」滅炎が炎を放ちますが、ライトは怯むどころか、その燃え盛る拳を真っ向から掴み取りました。「おいおい、冗談だろ……がはっ、あああああッ!」ライトは滅炎を軽々と放り投げると、岩壁に叩きつけられた彼に容赦のない連打を叩き込みます。「粘液(ねんえき)!」仲間を救おうと粘潮が触手を伸ばしますが、ライトは逆にその粘液を掴んで引き寄せ、粘潮を空高く放り投げました。そのまま上空へ跳躍すると、強烈な蹴りで地面へと叩き落とします。その圧倒的な暴力に、ウーミエさえも驚愕の色を隠せませんでした。「これほどの力……単なる強化ではないな。ならば、私の虚無で消し去ってやろう」ウーミエが虚無の波動を放ちますが、ライトはそれを素手で受け止め、力任せに握り潰しました。「馬鹿な……虚無を無効化しただと!? 奴の中に、虚無の力が宿り始めているというのか……」しかし、極限を超えた力は長くは続きませんでした。ライトは突然変身を解除すると、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ち、意識を失いました。「どうする、ウーミエ。こいつ、死んでねえだろうな」満身創痍の粘潮が問いかけます。「……死なせては計画が台無しだ。連れて行くぞ、核雷様の下へな」一方、逃走を続けていたカイラの元にも、絶望の影が忍び寄っていました。「くっ……ここまでか。時間を稼ぐのが精一杯なんて……!」背後から追いついた霞忍者が、冷酷に告げます。「無駄な足掻きだ、カイラ。ライトは敗北した。貴様に残された手段はもう何一つない」「……そんな、ライトが……負けたの?」「大人しく投降しろ。さもなくば、ここで息の根を止める」カイラは震える拳を握りしめ、悔しさに唇を噛み締めました。「……分かったわ。投降する……」希望の光であったライトの敗北を知らされ、カイラは力なく膝をつきました。メイジウたちの戦場では、絶え間ない属性攻撃の応酬が続いていました。「苗狐楽、狐! 楽声舞台の人形たち、一斉攻撃!」メイジウが叫びますが、チーディの動きはあまりに迅速でした。「炎ノ斬撃!」わずか三秒。放たれた炎の刃が、召喚された人形たちを一瞬で灰へと変えます。「火炎斬!」「水剣刺斬!」チーディとチーランの息の合ったコンビネーションが、メイジウの防壁を突き破り、彼女の体に直撃しました。「メイジウさん!」助けに向かおうとしたヤオヤオの足元が、突如として凍りつきました。

「......逃がさないよ」

ビンチェンが冷徹な瞳で地面を指差しています。「全凍結!」

氷が身体を完全に呑み込む寸前、ヤオヤオは咄嗟に能力を発動しました。

「時間減速――そして、時間停止!」

カチリ、と世界の歯車が止まります。

迫り来る冷気の進行を極限まで引き延ばし、完全に凍結する直前で時間を止めたヤオヤオは、停止した隙に力任せに氷の枷を蹴り砕いて脱出しました。

「メイジウさん、今助けるよ!」ヤオヤオはさらに時間を操り、チーディとチーランの二人を停止状態に追い込みました。「メイジウさん、今だよ! 決めて!」「……ええ! 破軍歌姫!!」メイジウが渾身の音波を解き放とうとしたその瞬間。「風双撃!!」停止した二人の隙を突くように、アーランの鋭い疾風がメイジウを弾き飛ばしました。「メイジウ!!」ヤオヤオが盾となって彼女の前に立ちますが、状況は最悪でした。「……無駄だよ。煙の男(リンヤ)もすでに敗北した。君たちに勝機はない」アーランの声は感情を失い、ただ任務を遂行するマシンのようでした。「……アーラン……」幼馴染である彼の変わり果てた姿に、メイジウは唇を噛み締め、悔しさに震えました。聖剣を失ったライヤとアンガンは、今や純粋なエレメント同士の激突へと突入しました。「闇!!!」「光!!!」漆黒の闇と純白の閃光がぶつかり合い、空間そのものが歪むほどの超強力な光線が放たれます。あまりのエネルギーの奔流に、見守ることしかできなかったアーガンは立ち尽くすしかありません。「どっちを……どっちを助ければいいんだ!」直後、鼓膜を引き裂くような大爆発が巻き起こりました。その衝撃波に飲み込まれ、ライヤとアンガンの二人は真逆の方向へと弾き飛ばされます。爆炎が収まった後に残されたのは、意識を失い、深い静寂の中に沈んだ二人だけでした。アーガンは我に返ったように、飛ばされた二人を追って走り出します。こうして、カイラの立てた綿密な計略は、無残にも瓦解しました。主戦力であるライトは暴走の末に連れ去られ、妹のライヤも行方不明。レジスタンスは、かつてない暗黒の夜を迎えようとしています。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!

本作は【毎週水曜日】に定期更新しています。

続きが気になる方や応援していただける方は、ブクマや評価、感想などをいただけると執筆の励みになります。

次回もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。