自我の音色1-4
ヤオヤオは、カイラの背後にそっと隠れながら、消え入りそうな声で口を開きました。「は、初めまして……こんにちは。……わ、私、もう行くね」恥ずかしさのあまり逃げ出そうとするヤオヤオでしたが、ふと思い出したように足を止め、カイラに尋ねました。「……あの、メイジウも、私たちの『計画』に加わるのかな?」「計画だって?」メイジウが聞き返すと、カイラが静かに頷いて説明を始めました。「ええ。聖剣奪還計画よ。かつて私たちの仲間の一人が闇に堕ち、私たちは核雷に敗北した。その代償として、聖剣を奪われてしまったの」「……でも、私、この街にいても核雷本人には一度も会ったことがないわ」メイジウの言葉に、カイラは表情を険しくしました。「彼は滅多に表舞台には現れない。常に幕後に潜み、実務は二人の腹心——霞と不死のエレメント使いに任せているから」「なるほど、私が霞忍者しか見ていないのはそういう理由だったのね」「けれど、核雷が今回の裏切りを知れば、容赦はしないでしょう。彼の真の実力がどれほどのものか、私たちも直接戦ったことがないから未知数よ。だからこそ……」メイジウは力強く、自らの意志を告げました。「奴の目的が何であれ、私たちがその計画を粉砕してみせるわ! 自分の本当の声を取り戻した私たちが力を合わせれば、不可能なことなんてない。……私も、その計画に乗るわ!」「よし! メイジウがいてくれれば百人力だ」ライトが明るく声を上げると、隣でライヤが忌々しそうに吐き捨てました。「ちっ、最悪……。あの狐女と一緒に戦う羽目になるなんて」「何か文句ある? この、しおらしいフリしたあざとい女!」「なんですって!?」……地下基地には再び、喧嘩腰ながらもどこか明るく、賑やかな空気が戻ってきました。核雷の漆黒の執務室。冷徹な支配者は、影の中に佇む霞忍者に低く冷酷な声で命じました。「……音のエレメントメイジウが戻った。奴らに伝えておけ」「御意」霞忍者は即座にチーランたちの前へ姿を現し、事実を突きつけました。「メイジウがライトの元へ寝返ったぞ。……報告は以上だ」「何だって!? メイジウが裏切ったというのか!」チーランが驚愕し、チーディも信じられないといった表情を浮かべます。「くっ、まさかあいつが……」霞忍者は冷笑を浮かべ、無能な者を見るような目で彼らを見下ろしました。「貴様らが不甲斐ないから、やすやすと逃げられたのだ。……これ以上失態は許されん。これからは、強力な『協力者』を一人付ける」重厚な扉が開き、一人の男がゆっくりと歩み寄ってきました。その体からは、どす黒い闇のエレメントが渦巻くように溢れ出しています。「なっ……!?」その姿を見た瞬間、アーガンの顔から血の気が引き、激しい敵意と動揺が混じり合いました。「あ、あんたは……!」そこに現れたのは、かつての仲間であり、今や完全に闇に堕ちたアンガンでした。「……兄さん。あんただったのか」アーガンが叫びます。かつて信頼し合った兄弟が、今は光と闇に分かれ、最悪の形で再会を果たしたのです。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!
本作は【毎週水曜日】に定期更新しています。
続きが気になる方や応援していただける方は、ブクマや評価、感想などをいただけると執筆の励みになります。
次回もよろしくお願いします!




