偽りの記憶と新たな絆1-3
ライトが頷くと、カイラが核心に触れました。「ライト、知っておいて。あなたの仲間たちがあなたを孤立させたのは、すべて仕組まれたことなの。彼らを利用して、ライヤをおびき出し、救出させることが敵の狙いだった。……この『鉄網区・機枢都市・淵雷』を支配しているのは、核雷。彼は圧倒的な智略と指導力を持つ、この地の『政府』そのものよ」カイラの表情が険しくなります。「彼の配下には強力な『反面元素』の使い手が大勢いて、一人一人が計り知れない実力を持っている。そして悲しいことに……あなたの元の仲間たちも、間もなく彼らの軍門に降るでしょう。だから、私たちにはあなたの力が必要なの」ライトは、あまりに重すぎる真実を前に、言葉を失い俯いてしまいました。「僕は……」そんな彼の迷いを見透かしたように、カイラが穏やかな、しかし切実な声で語りかけます。「無理もないわ。自分の街から突然こんな場所へ連れてこられて、混乱しているでしょう。もしあなたが加わりたくないと言うのなら、止めることはできない……。でも、それでも私たちの力になってほしいの。理由は一つ、核雷に奪われた『聖剣』を取り戻すためよ」さらに、カイラは驚くべき事実を付け加えました。「それから……あなたに伝えておくわ。雷電忍者も、あなたの師匠も無事よ。私たちが掴んだ情報によれば、二人は殺されたわけじゃない。今は淵雷の監獄に幽閉されているわ」「本当か……? 僕はてっきり、自分の手で彼らを殺してしまったんだと……」絶望の淵にいたライトの瞳に、微かな希望の光が宿ります。そこへライヤが寄り添い、兄の手を強く握りしめました。「お兄ちゃん、敵の言葉に惑わされないで。みんな、ただ『記憶』を操られているだけなの。もし偽物の記憶を本物だと信じ込まされたら、真実を見抜くのはとても難しい……。今の彼らは、偽りの感情に目を曇らされているだけ。彼らの記憶を取り戻す鍵は、一人ひとりの心にある『心の結界』をどう打ち破るかにあるわ」ライヤの言葉には実感がこもっていました。「誰の心にも、記憶を切り替えるスイッチのようなものがあるはずよ。今は偽の記憶が目の前を遮っているけれど、ある『きっかけ』さえあれば、きっとみんな目を覚ますわ。実は、私も戦場に着いた瞬間に記憶を書き換えられそうになったの。でも、カイラさんのテクノロジーのおかげで、それが偽物だとすぐに気づけた。私たちはこの基地から、敵の動向も、世界の真実も、すべてを傍受できているのよ」ライトは、周囲を見渡しながら最も懸念していたことを口にしました。「でも、あの核雷がこの基地に気づかないなんてことがあるのか?」カイラは不敵に微笑んで答えました。「ええ、彼はもう気づいているわ。でも、手出しはできない。彼はこの都市の『政府』であり、市民の前では清廉潔白な指導者を演じているもの。自分の支持基盤である居住区を爆破してまで、私たちを炙り出すわけにはいかないのよ。だから、彼は『特殊な衝突』……つまり、事故や暴動を装って私たちを誘い出すしかない。さっきの戦闘も危うかったわ。ライヤには慎重に動くよう言ったのだけれど……」「当然でしょ! お兄ちゃんがあんなに酷い目に遭わされているのを見て、黙っていられるわけないじゃない。何が何でも助け出すって決めてたんだから!」ライヤが少し頬を膨らませて割って入りました。その強い絆に、カイラは苦笑しながらライトを促します。「とにかく、今は体を休めなさい」「……ありがとう。ライヤのことはよく知っているけど、カイラ、君のことは以前の記憶にはないんだ。他の二人のことも……」「そうね、私たちは初対面よ。でも、私もあなたと同じように忍術の訓練を受けてきたわ。ただ、あなたの師匠ではなく、別のマスターに師事していたの。最初の『闇の元素』の使い手よ。彼が私を見出し、引き上げてくれたの」




