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21本の聖剣の物語  作者: ジャスティン
第1期
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失われた力1-3

アーグアンが気遣わしげに尋ねる。「師匠。ライトをもう一度立ち直らせるために、何かできることはないでしょうか……。あいつにとって、今の状況は相当なショックなはずですから……」ウーミエと謎の忍者は、最初に出会ったあの場所へと戻ってきた。「これは何だ?」謎の忍者が問いかける。「ここには二つの元素(げんそ)が封印されている。一つは滅炎(めつえん)、そしてもう一つは粘潮(ねんちょう)だ。これらは、かつて俺がこの手で封印したものだ」「ならば、なぜ今になって奴らを解き放とうとする?」「すべての元素を統一するためだ」「統一……だと?」「そうだ。すべての反面元素(はんめんげんそ)を回収し終えた時、初めて偉大なる新世界を創造することができる」「……お前、以前俺に『真実を教える』と言ったはずだぞ」「いや、済まないが……その真実はお前を崩壊させてしまうに違いないからな」「どういう意味だ?」「時が来れば、自ずと真実を教えてやる」「……っ」謎の忍者は怒りを露わにし、その場を立ち去った。ウーミエは数時間前の会話を回想していた。「何だと? ライトの元素力を吸収するつもりか?」「吸収ではない、借用(しゃくよう)だ。俺の虚無を強化し、あの二つの元素を解放するには源力の力が必要なのだ。……奴の元素を吸い尽くしはするが、命までは取らん」「……ならば、俺に何をしろと言うのだ」「ライトを捕らえろ」回想から現実へ戻り、ウーミエは独りごちた。「ふん。結局、もう一人の忍者が外にいたか。まあいい、あいつも真実には辿り着けなかった。この真実は、いずれ時が来るまで……」ウーミエは手に入れた源力の力を使い、自身の元素を増幅させ、封印されていた滅炎(めつえん)と粘潮(ねんちょう)を解き放った。「兄弟! 俺を信じてたぜ、必ず出してくれるってな!」まず滅炎が口を開く。「……相変わらず騒がしいな。少しは冷静になれないのか」「おいおい、そんなに冷たくするなよ粘潮。俺は情熱的なんだ。もっとも、その情熱ですべてを消し去るんだがな」粘潮は冷静にウーミエを見つめた。「また相見えることになると分かっていた。……これで、すべて集結したのか?」ウーミエは淡々と答える。「いや、まだだ。そう焦るな。時が来れば、お前たちはこの世で最も高貴な元素となるだろう。……長く眠りについていたお前たちだ。今の街を見てみたくはないか? 少しばかり、破壊を楽しんできたらどうだ」滅炎が応じる。「いいぜ。破壊なら俺の大好物だ!」道場にて二日目の朝。ライトは目を覚ましたものの、自身の元素力が一切使えないことに気づく。「……はは、やっぱり俺にはもう何も残っていないのか」ライトはエネルギー剣を手に取り、起動を試みるが、反応はまったくない。「やっぱり……ううっ……!」異変に気づいた仲間たちが駆け込んでくる。「ライト! どうしたんだ?」「……俺、元素力がなくなったんだ」「……回復するわよ、そんなに悲しまないで」「そうだよ、きっと元に戻るって!」仲間たちが慰めるが、ライトは声を荒らげた。「お前らには元素力があるからそんなことが言えるんだ! 俺は、もう二度と手に入らないかもしれないんだぞ!」誰も反論できなかった。重苦しい沈黙の中、ライトがポツリと漏らす。「……そういえば、ジェンシャンもいないのか?」「ジェンシャン? それは誰だい?」アーグアンが首を傾げると、チーランが彼の腕を引いた。「アーグアン、ちょっと外へ来て」「わかったよ、チーラン」廊下へ出ると、アーグアンが尋ねる。「あいつの親友なのか?」「ええ。でもここ数日は出張で不在なの」その日の夜、アーグアンが提案した。「なぁ、ゲームでもしないか?」「俺はいいぜ」「いいな、久しぶりにやろうか!」「ライト、お前もどうだ?」「……いや、俺はもう寝るよ」ライトは部屋に戻ってしまった。彼は、このままここを去ろうかと考えていた。それから三時間が経過した頃、チーランが喉の渇きを覚えて部屋を出ると、居間の明かりがまだ点いていることに気づく。「あら、あなたたちまだ寝てなかったの?」「悪い、四人で盛り上がりすぎちゃってさ」「もう……お兄ちゃん、アーグアンは連れていくわね」「えっ、ちょっ……」「助けてくれぇ……!」「アーグアン、達者でな」ビンチェン、アーガン、チーディの三人は、無言で彼に祈りを捧げるポーズを取った。チーランはアーグアンを自室へと連行する。「待ってくれ、部屋に戻るにしてもそんなに怒らなくていいじゃないか。夜更かしが悪かったのは分かってるけど……」その時、チーランがアーグアンにそっと口づけをした。「……っ」チーランは顔を赤らめながら呟く。「これは、朝あなたを殴ったお詫びよ」「なんだ……いいよ、俺は全然怒ってないってば」「……あなたがどう思ってるかなんて知らないわよ。もう、次は無いからね!」「えー、じゃあ今の取り消し」チーランはふっと笑った。「……ねぇ、寝かしつけてくれる?」「お安い御礼だ」それは、束の間の穏やかで美しい夜だった。翌朝。「ライト、起きて!訓練の時間よ」チーランがいつものようにドアを叩くが、返事はない。「……えっ、いない? 大変、みんな! ライトが家出しちゃったみたい!」「あいつ、何を考えてるんだ……。全く理解できないぜ」「とにかく、二手に分かれて探そう!」一方、街の中では。「ここが例の街か。目障りな場所だな……。破壊しがいがありそうだ」滅炎(めつえん)が不敵に笑う。「俺は参加しない。好きにしろ」ウーミエが冷淡に告げる。「いいぜ、俺一人でも十分だ。……なぁ粘潮(ねんちょう)、お前も本当にやらないのか?」「……私には名前があると言ったはずよ」「わかってる、わかってるって。お前も結局は俺に加わるんだろ? さあ、二人でこの街をめちゃくちゃにしてやろうぜ!」ライトは公園のベンチに座り、力なくうなだれていた。アーグアンは仲間たちに連絡を入れる。「探さなくていい。何かあったらまた連絡する。俺がこいつと話してみるよ」「ライト、何をそんなに暗い顔をしてるんだ?」「……いや。初めて元素(げんそ)の力で人を助けた時のことを思い出してたんだ。警察の犯人逮捕を手伝ったり、聖剣(せいけん)を起動させて、到底勝てそうにない敵を倒したり……。でも、そんなのはもう、ただの思い出になっちまった」「そうか。……で、これからどうするつもりだ?」「……わからない」「ライト、よく聞け。本当の強さってのは、そう簡単に消えるもんじゃない。だから、簡単に諦めるな。たとえ全世界を敵に回そうと、目の前の敵が絶対に勝てない相手だろうと……自分の心の中に希望と奇跡がある限り、自分を信じろ。そうすれば、必ず勝てる」「アーグアン……」「俺も以前は、力こそがすべてだと思ってた。力さえあれば、できないことなんて何もないって。だけど、力だけじゃ足りないんだ。今のあんたに欠けているもの……それは元素じゃない。『信念(しんねん)』だ」「元素なんてのは、ただの武器に過ぎない。忍者の本当の強さとは、『選択』することだ」「立ち上がることを選ぶ。背負うことを選ぶ。たとえ力がなくとも、退かないことを選ぶんだ」アーグアンは言葉を止めて、真っ直ぐにライトを見つめた。「元素がなくたって、あんたが無価値になるわけじゃない。力がなくたって、あんたは忍者になれる」「なぜなら『忍者』とは、決して元素の名前じゃない。意志の名前なんだからな」「もし元素がすべてを決めるのだとしたら、俺たちはただの力に選ばれただけの器に過ぎない」「だが、本当の忍者とは―― 力を失ったその時でも、なお最前線に立ち続けようとする者のことだ」突然,電話が鳴り響いた。「もしもし?」『アーグアン! 大変よ、別の元素(げんそ)が現れたわ!』「……分かった」アーグアンは電話を切ると、ライトに向き直った。「街を破壊しに来た奴らがいる。……ここに一本の剣を置いていく。これを使うかどうかは、お前自身が選択しろ。俺は先に行くぞ」ライトはその剣をじっと見つめていた。彼の「選択」は――?

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