第十一話 未来から来た男
第十一話を投稿します!!よろしくお願いします!!
『便利屋ユイ』
雑居ビルの二階奥、そこにはどんな依頼でも解決すると言うことはあまり知られていない。
そこの主、久遠唯はソファーベッドでお菓子を食べながら映画を見てくつろいでいた。
「唯さんー。すごい人が来ました!!ちょっと、映画ばかり見てないで来てくださいよ!!」
「今、良いところなんだけど……どちら様?」
現れたのは。
救命胴着みたいな変な服を着た男が一人、
「あっはっはっは!!何だその服!!ここは海じゃないぞ!?」
「いや、これは未来で流行ってるんだ」
「未来?」
「ああ。二十年後の未来から来たんだ。俺の名前は真堤未来。マーティーって呼んでくれ。」
「何か面白い奴だな。」
「俺の身体を見て欲しいんだ。」
「あ、透けてる!!」
遥が思わず声を上げる。
腕の先がゆらゆらと消えかけている。
「この写真を見て欲しい。俺の家族だ。兄さんと姉さんと両親とそれから俺。」
差し出されたのは写真。
「あ、消えてる!!」
「そうだ!!ここに来て余計なことをしてしまったせいで、俺の両親はくっつかない運命になってしまった。だから俺は産まれないことになる。」
「このままじゃ俺と俺の兄姉は死ぬ!!頼む!!俺の両親をくっつけて欲しいんだ!!」
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来たのはとある大学。
「ここに君の両親が居るのかい?」
「たしか、この大学だったような……あ、いた!!」
唯達の目の前にはひ弱そうな男子学生、ふらふらと歩いている。その目の前には体格の良いヤンキー風の男とその取り巻き。肩がぶつかる。すみません……と、ぼそぼそいって立ち去ろうとする。
「おいオタク!どこに目付けて歩いてんだよ」
「え、その……」
「待ちなさい!!」
そこに現れたのは一人の女子生徒。真堤未来、もといマーティーは呟く。
「あ、あれ母です」「ええ!?あ、ほんとだ!!顔そっくり!!」
この冴えない男子生徒と本当に結婚するのか……?というぐらいイケイケの女子大生という見た目をしている。
その母は、ヤンキー相手に立ち塞がり、言い放つ。
「弱い者いじめは良くないわ」
「はぁ?関係ねえだろ。それよりお前、いい女だなあ。俺と付き合えよ」
そこにあるいてくる二人の影。唯と遥である。
「え、あ、唯さん!!ちょっと……」
「……あー、君たち、」
「何だテメェ!!やんのか……」
ドガバキボコ!!
次の瞬間、床に転がるヤンキーと取り巻き達。
「はい。じゃあ」
男子生徒と女子生徒の手をつなぎ合わせる。困惑する二人。
「君と君、付き合ってー、はい。解決。じゃあ私帰るね。映画の続きが早く見たいんだ私は」
「いや、雑すぎますよ!!いいんですかこれで……」
「色恋沙汰はよくわからん。」
そう言って立ち去ろうとする唯。
「待ってください!!貴女、お名前は何て言うの!?」
「久遠唯」
「唯さん!!お友達になりましょう!!私、強い人好きなの!!」
「え」
それからというもの、唯につきまとうマーティー母(仮)。
依頼を解決するため大学にて、母(仮)の話に付き合う唯と遥。
「……と言うわけで、やっぱり結婚相手は強くなくちゃ駄目ですよ!!ね、唯さん?聞いてます?あ、私そろそろ授業なんで行きますね」
「う、うん」
彼女は去っていった。
「どうしたものですかねえ……唯さん?」
どこかを眺めている唯。その目線の先には、男子学生。
「おい君。さっきから何をジロジロ見てるんだ?」
「え、えーと……」
「分かるよ。彼女だろ?」
「え、ええっ!?」
父(仮)が顔を真っ赤にする。
「ち、違っ……いや、その……」
「好きなんだね」
「はい……む、無理なのは分かってます……でも、やっぱり目が離せなくて……」
「いいね。よし。じゃあ君を鍛えてやる。」
こうして、唯の千年式鬼トレーニングが始まった!!
「そこ!!姿勢をくずさない!!」
「はい!!」
じゃあ、体育館二十往復!!はい!!といって必死に走っていく父(仮)。
「唯さんって滅茶苦茶昭和の人なんですね……」
「千年生きてるしな。昔の考えっぽいところはあるかも。ははは」
「またまたぁ!!何言ってるんですか。というか、十八くらいにしか見えませんよ。ここの学生さん達と並んでも遜色ないです。本当に二十八ですか?」
「えぇ……」
それから、発声、精神面、さまざまなトレーニングを終えた父。
「ありがとうございました!!」
「よし。それじゃあ、告白してこい。ほら、台詞」
「また雑……」
しばらく探し、通りすがる母を発見。誰かと会話している。
「いいじゃねえかよ……」
「私はそんなパーティー行きたくないの!!離して!!」
「あの!!すいません!!」
「あれ、この前のオタクじゃねえか。何おれの女と会話しようとしてんだよ。おら、行くぞ」
「やめてください!!私は……」
強引に母(仮)の手を取ろうとするヤンキー。
「やめろ!!」
父(仮)の張り手がぱしっ。とヤンキーの頬にひっつく。
その瞬間、ギロリという眼光を飛ばされる。その様子にひるんでしまった……。
やっぱりちょっと走ったぐらいじゃ強くはなれないよね……。そう思った。
「よっと」
その間際、目にもとまらぬ速さで何かが通り過ぎた。
瞬時にボコボコになるヤンキー達。
「これが俺の、新しい力……」
父(仮)は自分の掌を見つめ、呟く。筋トレって凄い。そう思った。
「お、オタクくんって強かったのね、私のことを守ってくれたし、とっても優しいのね……」
「そ、そうさ!!け、結婚を前提にお付き合い、し、してくれないかな?」
「もちろん!あなたみたいな人を探してたの!!」
自信を付け、頬を赤らめる父(仮)と母(仮)の二人は校舎へと去って行った。
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マーティーは腕を見ながら歓喜する。
「ありがとうございます!!消えかけてた腕が戻ってきました!!」
「それにしても、タイムマシンってどんな見た目なんですか!?」
興味津々の遥。
「あーそれなら……」
車に案内される。発目独と書かれた人の家までやってきた。
「これがタイムマシンだよ」
それは何の変哲も無いただの車。遥は困惑する。
「え、これ、ただの車じゃないですか?もっとこう、ロマン溢れる感じの……」
ガチャリとドアが開く。
「おお!!マーティーか!!」
現れたのは老人。白衣に白髪頭。いかにも気難しそうな風貌をしている。
「あー!!初めまして!!私は発目独というものじゃ!!」
「どうやら、わしの作ったタイムマシンが未来で完成しての。それを使ってこの子はこの現代に来たみたいなんじゃ。」
「爺さん、どうしよう!!思い出したよ!!燃料は片道なんだ!!しかもこの時代じゃ手に入らない!!俺、未来に帰れないよ!!」
「あー心配無用。見ろ!!あと数分で、あの鉄塔に雷が落ちる!!」
「そこで時速百四十キロを出せば万事解決。さあ乗れ!!」
急いで車に乗り、エンジンを吹かす。スピードが上がっていく。
120……130……140……
電線から繋いだ鉄線に雷が伝い車にエネルギーが補給される手筈だ。
ゴロゴロと雷がなる。
「さあ降るぞ!!5,4、3,2,1……」
車が鉄線を通過する!!
しかし、
「あれ?」
勢いをました雷雲は、ピタリ、と止まってしまった。
雷が、止んだ!?
「……よもや、科学者たる私が、忘れておった」
バタフライエフェクト。
例えば、風が吹けば桶屋が儲かるように、未来が過去の小さな行動の変化で変わってしまう現象。
唯たちが無理に関わってしまったせいで降るはずの雷が降らなくなってしまったのだ。
「危なーい!!」
その時、一台の対向車両。しかし百四十キロで走行してしまっている。
雷は降らず、タイムマシンは事故寸前。絶体絶命。
その時、呟いた。
――陽一、智花
承認。智、体。同時使用
過去ログ検索、
原因解明 達成条件確認
要因、最適解実行。
「必殺 雷鳴時間旅行」
ズドオオオオオオン!!!!
死んだ……恐怖に目をつぶるマーティー。
目を開ける。しかし、痛みはない。その代わりに視界に映ったのは、
「え、と、飛んでる!?」
ダダダダッダダダッダダダダッダダダダッ!!!
唯の脚力による超跳躍。その勢いは空を蹴りさらに加速していく。
対向車両の上を飛び越え、車は急上昇。
高度はぐんぐん上昇していき、空の上、雷雲へ。
バリバリバリバリバリドカーン!!!!
「雷を、直接補給しているのか……?」
空の下で、見上げながら、博士は呟く。
そのまま唯は車を掴みながら、放つ。
「未来に……帰れ!!!!!」
グオオオオオオオオオオオ!!!!!!
渾身の投擲!!!
バリバリバリバリ!!!!
車は消えていった。
「実験は成功じゃ!!」
ドスン!!!そのまま着地する唯。手をパンパンと払っている。
「あの子、大丈夫でしたかね……」
「まあ良い具合に海の方に投げといたから人も居ないし上手く着水してるでしょ。さ、メシメシ。」
「ええ!?いいんですかこれで……」
こうして日常は過ぎていったのだった。
終
これバック・トゥ……ごほんごほん。
名作映画風展開、力技で解決してみたシリーズです。あくまで風です。
ちなみに博士の能力が「発」です。




