第2187話 バレンタイン恋騒劇17(2)
「サラッとゾッとするような事を言うな! 何でこんな日に俺に会いたいんだよ! もう嫌な予感がしまくりだぞおい! あと、何で俺のいる場所が分かったんだよ!?」
恐怖を感じた影人は半ば叫ぶように光司にそう言葉を放つ。光司は爽やかな笑顔を崩さず答えを述べた。
「今日という日にかけて言うなら・・・・・・愛の力、かな」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
光司の答えを聞いた影人はあまりの恐怖に絶叫し、明夜は興奮から絶叫し、陽華は驚愕したように絶叫した。3人の絶叫が店内に響き渡る。シスは鬱陶しそうにダークレッドの瞳を影人たちに向けた。
「おい、うるさいぞ貴様ら。それ以上喚くようなら殺すぞ」
「仕方ねえだろ! 叫びたくもなるわ! 俺はいま恐怖のどん底にいるんだよ! 香乃宮ァ! 冗談でもそんな事言うなぁ!」
「これは熱いわ! 激アツよ! 何がとは言わないけど! ああ、男子の友情はかくも美しいわ!」
「あ、愛・・・・・・愛ってあの愛だよね。え、香乃宮くんって帰城くんの事・・・・・・」
影人、明夜、陽華は三者三様の反応を示す。そんな3人を見た光司は楽しそうに口元を緩める。
「あはは、ごめんごめん。ついイタズラ心がね」
「何がイタズラ心だ! お茶目で済まされるライン超えてるわ!」
光司は冗談である事を暗に認めた。影人は内心でホッとしながらもキレ気味に吠えた。
「・・・・・・香乃宮くんってさ、影人が絡むとなんかこうアレだよね」
「先ほどから指示語が多いですよ早川暁理。アレでは具体的に何が言いたいのか分かりません。・・・・・・まあ、言いたい事は分かりますが」
「ふふっ、分からないのか分かるのかどっちなのかしら。でも、彼が来た事で更に面白く・・・・・・いえ、賑やかになりそうだわ」
「・・・・・・実は彼がダークホースだと私は思ってるんだよね」
「僕も同意見だね。レール、守護者の彼には気をつけるんだよ。これ、割と真面目な話だからね」
「? な、何を言っているんだ兄さん・・・・・・?」
「ま、まさかそんな可能性が・・・・・・」
「ふむ。これもまた・・・・・・だね」
「影人さんと光司さんは本当に仲良しさんですね」
その光景を見ていた暁理、イズ、シェルディア、ソニア、レゼルニウス、レイゼロール、アイティレ、ロゼ、キトナがそんな会話を交わす。会話は光司の耳にも入って来たが、光司は全く気にした様子はなかった。
「ん、お待たせ。悪いけど、席がないからこれに座って」
「ありがとうございます。あと、すみませんがカフェオレを頂けますか」
シエラがバックヤードから新たなイスを持って来て、カウンターの前に置く。光司はそのイスに腰掛けると、今日の気分のままにシエラに注文を伝えた。光司からオーダーを受けたシエラは「分かった」と頷くとカウンター内に戻った。




