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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1308/2183

第1308話 あの日の出会い(1)

「――来たぜ、京都に! ハレルヤ! 夏の激し過ぎる太陽が俺たちを祝福してるな!」

 東京から新幹線に乗って約2時間後。時刻は昼の正午を回った辺り。京都駅の前で、影仁は青空を見上げながら、テンション高めにそう言った。

「うるさい父さん。ただでさえ暑いのに・・・・・・余計に暑く感じるだろ。ていうか、本当に暑い・・・・・・」

 そんな影仁に、厳しい言葉を投げかけたのは影人だった。影人はだらだらと流れてくる汗をタオルで拭いていた。

 何だろうか。東京も暑かったが、京都の暑さは東京とは違う。東京はただ暑いという感じだったが、京都の暑さは全身が溶けていくような、耐え難い嫌な暑さだ。むわっとしているというか。湿度が尋常なく高いというか。その暑さを感じているのは、当然穂乃影や日奈美も同じで、

「暑い・・・・・・」

「穂乃影、しっかり麦茶飲んでおきなさいよ。熱中症になっちゃうからね。しかし・・・・・・本当に暑いわね。夏の京都の暑さは凄まじいとは聞いてたけど、まさかここまでとは思ってなかったわ」

 そんな言葉を漏らしていた。

「影仁、取り敢えず予約してた旅館に行きましょ。早く観光には行きたいけど、一旦ゆっくりしないと子供たちがもたないわ」

「うん、そうだね。正直、俺でもへばりそうだし・・・・・・よし、旅館に行こうか。じゃ、タクシー乗り場に向かおう。影人、はぐれないように穂乃影と手を繋いでやってくれ」

 日奈美からそう言われた影仁は頷くと、影人にそう言って来た。

「分かった。ほら、穂乃影。俺の手を握って」

「うん」

 影人が右手を差し出すと、穂乃影は左手で影人の手を握って来た。影人は穂乃影の手を握り返す。そして、帰城一家はタクシー乗り場へと向かった。

 それから数分後、タクシー乗り場でタクシーを拾った4人は、約30分ほどクーラーのよく効いた車で揺られながら、目的地へと向かった。

「ありがとうねえ。ほなら、旅行楽しんでねみなさん。ほなおおきに」

「はい、ありがとうございました」

 タクシーの運転手である初老の男性が笑みを浮かべ、4人にそう言った。その言葉に、帰城家を代表して影仁がそう答えた。4人が外に出ると、タクシーはドアを閉め、暑い京都の街中を走っていった。

「へえー、画像で見て分かってはいたけど、素敵な外観ね。やっぱり、生は違うわ。うん、きっと中身も素敵ね」

 宿泊先の旅館を見て初めにそんな感想を漏らしたのは日奈美だった。日奈美の目の前には、綺麗な2階建ての日本家屋があった。一見するとただの民家に見えるが、ここは歴とした旅館である。宿泊先をどこにするか調べている際、たまたま日奈美がこの旅館の事を見つけて、ここにしないかと提案したのだ。影仁、影人、穂乃影の3人は断る理由もなかったので、日奈美の提案を了承した。

 ちなみに、この旅館はサービスもよく、ご飯もおいしい、知る人ぞ知るいい旅館といった感じらしく、代金はけっこうな額だった。だが、夏のボーナスがあった日奈美はそこにケチはつけなかった。

「どうだ影人、穂乃影。ここが2日間俺たちが泊まる場所だ。いい感じだろ? 日奈美さんに感謝しろよ」

「何で父さんがドヤ顔してるんだよ・・・・・・」

「綺麗な旅館・・・・・・素敵」

 影仁の言葉に、影人はいつものように呆れた顔を浮かべ、穂乃影は影仁の言葉など聞こえていないといった感じで、旅館の外観に見惚れていた。

「よし、じゃあ中に入るわよ」

 日奈美は3人にそう言うと、引き戸を開けて中に入った。影仁、影人、穂乃影も日奈美に続き、旅館の中に足を踏み入れた。

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