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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1009/2153

第1009話 カケラ争奪戦 イタリア6(2)

「はっ、遅え。そんなもんに当たるかよ」

 ゼノを抱えている事を一瞬忘れようと決めた影人は、いつも通りそんな事を呟くと、向かって来る光の帯を変幻自在に回避してみせた。

「うーん、酔いそうなんだけど」

「黙ってろ。せっかくお前抱えてるの忘れてたのによ・・・・・少し飛ばすぞ。今みたいに文句は言うなよ」

 そう言うと、影人は言葉通りスピードを上げた。弱体化しているが、今の影人は全身に『加速』の力を施している。普段通りの全開とは言わないが、それでも凄まじい速度だ。

「くっ・・・・」

 一方、飛んでいるとは言っても影人のように速度を上げる力がないファレルナは、どんどん影人との距離を離される。

 そしてそのスピードの甲斐もあってか、影人とゼノはコロッセオに到着した。影人はゼノを抱えたまま地上に降りた。

「来たか。それはそうとして・・・・・・・・お前たち、それはどういう状況だ?」

 先に到着していたレイゼロールは影人とゼノに視線を向け、そしてスプリガンにお姫様抱っこされているゼノを見て、珍しく戸惑った顔でそう質問した。

「どうもこうも見たまんまだ。説明は面倒だから後でしてやる。おい、そろそろ降りろ」

「急に抱えた割には勝手だなぁ・・・・・・まあ、いいけどさ」

 影人からそう促されたゼノは、不満顔を浮かべるもひょいと地面に着地した。

「で、カケラは見つけたのか?」

「まだだ。コロッセオの中にあるようだからな。今から回収する」

 レイゼロールはそう言うと、黒い翼を生やしコロッセオの崩れた外周部の壁を越えた。レイゼロールは中に侵入したようだ。

「・・・・・ねえ」

「・・・・・・・・・・分かってるよ。はあー・・・・・」

 その光景を見ていたゼノが影人の方を見つめてきた。ゼノの言わんとしている事を察した影人は、ため息を吐くと再びゼノを抱えて飛んだ。












「ここがコロッセオか・・・・・」

 飛んでコロッセオの内部に入った影人はついそんな言葉を漏らした。外から見た時はライトアップされていて幻想的な美しさだったが、内部も中心部の遺跡部分が美しい。ライトが何個か点灯しているので、暗いという事はあまりない。本当はこんな状況で見たくはなかったが、見た以上は一生の記憶にしようと影人は思った。

「君は来るのが初めてみたいだね。しかしまあ・・・・かなりボロくなったなあ。でもまあ、まだあるだけでもすごいか」

 地面に降りたゼノはコロッセオを見渡しながらそう言った。昔に何度か来たことがあると先ほど言っていたから当時の記憶でも思い出しているのだろうと影人はゼノを見て思った。見た目のせいでたまに忘れそうになるが、視界に映るこの闇人は、影人よりも遥かに長い時を生きてきた存在なのだ。

「おい、ゼノ。今は近くに『聖女』もいない。せっかくだから、治してやるよ」

 ゼノの隻腕を見た影人は、近くにいるゼノに右手を向けた。すると影人の右手から暖かな闇が流れ出し、その闇はゼノの失われた右腕の場所へと向かった。

 影人は現在ファレルナの弱体化の影響を受けていない。ゆえに無詠唱でいつも通りの出力での力の行使が可能だった。その結果、

「え? うわ、すごい。もう戻った」

 ゼノの右腕は約3秒ほどで元通りに治された。

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