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変身ヒロインを影から助ける者  作者: 大雅 酔月
1001/2169

第1001話 カケラ争奪戦 イタリア4(2)

「うん。とりあえずはこれでいいや。あんまり自由には動かないなけど」

 ゼノは自身が創った闇のかいなを見つめた。神経が繋がっているわけではなく、あくまで自身の闇の力とのリンクで繋がっているだけなので、本物の腕と反応などが全て一緒とはいかない。だがないよりは遥かにマシだ。

「スプリガン、君も出来るだけ俺から離れたほうがいい。それだけ言っておくよ」

 ゼノは最後に影人にそう告げると、ファレルナとエリアの方へと歩み始めた。吹き荒ぶ闇の嵐を纏いながら進むその姿は、一種の災厄のようにも見えた。

「まだそれ程の闇を・・・・・・・・ですが、きっとあなたの闇を全て晴らしてみせます。光よ、強く、強く輝いて」

 向かって来るゼノに対抗しようと、ファレルナが自身の背後の光の輝きを強めた。その輝きはこれまでで最も強い輝きだった。

「無駄だよ」

 だがゼノは何でもなさそうにそう呟くと、自身の右の偽腕ぎわんを正面にかざした。すると、その偽腕に触れられた光は黒く染まり、ゼノの偽腕へと吸い込まれ始めた。

「っ!?」

()()()()の俺の闇は全てを喰らう。全てを無作為に破壊する」

 自身の光がゼノに吸収され、驚くような顔を浮かべるファレルナに、ゼノはそう言った。そして、続けるようにこんな事をファレルナに言った。

「気づいている? 周囲の物が、闇になって俺に集まり始めてる事に。全部勝手に壊れ始めて、俺の力へと変換されているんだ」

「っ、まさか・・・・!?」

 ファレルナが周囲に視線を向けた。すると、ゼノの言っているように、建造物や舗装された地面がヒビ割れ闇の粒子となって崩壊し始めていた。その闇の粒子は、ゼノの吹き荒ぶ闇に吸収されていた。

「これは何かたまたま手に入れた力で、意識的に使うのはこれがまだ2回目なんだ。だから、制御は効かないし、これからどうなるかは俺にも分からない。もしかしたら、人すらも勝手に崩れて壊れるかもしれない。本当に、何が起きるか予測がつかないんだよ」

 ゼノがわざわざそう説明しているのは、レイゼロールやスプリガンのためだった。別に優しさから敵にそんな事を教えているわけではない。先ほどゼノはレイゼロールとスプリガンに、出来るなら離れていてほしいというような事を言った。これは、2人に対してのその事に対する理由の説明だった。

「ならば、余計にあなたを一刻も早く浄化しなければなりません。あなたは危険です。私の全ての力を使って、あなたを止めます!」

 ファレルナは少女らしからぬ厳かな声を発し、真剣な眼差しをゼノに向けた。

「光よ、厳かに、慈愛を以て輝いて。私の全ての力を吸って! 主よ。畏れ多くも主のお言葉をお借りいたします。すなわち――光あれ」

 ファレルナはそう言葉を放ち、自身の最大浄化技を発動させた。

 ファレルナの背後の光が太陽のような凄まじい輝きを放つ。直視する事は能わず。そのレベルだ。真っ白なその一片の曇りもない光は、夜を昼かと錯覚させるかのようなその輝きは、まさしく闇を祓う破邪の光であった。

「ぐっ、この光は・・・・・・流石にマズ過ぎる・・・・!」

「っ・・・・・・!」

「くっ・・・・・・・!」

 それ程までに凄まじい光だ。当然その影響は戦場全体に及ぶ。影人は闇の力を扱う者ゆえに、凄まじい虚脱感を覚え弱体化し、壮司はその輝きに目を細め、レイゼロールも少し苦しげな声を漏らした。ちなみに、影人の中には『ぎゃああああああああああああああああああああああああああッ! ふざけんなふざけんなァ!』というイヴの絶叫が響いていた。

「っ、凄いな・・・・こんな浄化の力を浴びたのは初めてだ。さっきまでの俺なら浄化されてたかもしれないな・・・・・・」

 今までで最大の浄化の光を浴びたゼノはそんな声を漏らした。その最大の光に、ゼノが纏う尋常ならざる闇の嵐もその勢いが弱まっていく。

「・・・・でも、この光すらも今の俺は喰らうよ」

 ゼノが右の偽腕を正面に向ける。ゼノに発現した全てを喰らい破壊する力。その力をゼノは再び行使した。

 ゼノに触れた光が、黒く染まり始め偽腕に吸収され始める。しかし、今回の光はファレルナの最大浄化技の光だ。先ほどのように簡単には吸収されなかった。

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