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焼けくそレーシック  作者: あまやま 想
第2章 変化
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2月11日(土)  ≪1≫

 この日は休日だったが、朝七時半に起きた。朝十時半から二回目のレーシック定期検査があるので、休日だと言うのに手短に身支度を済ませて、九時少し前には家を出た。とりあえず、パンを急いでコーヒーで流し込んでから、カジュアルな服に身を包む。それから、三十分ほどかけて、仙石駅まで自転車をこいでいく。


 駅に着いてから、電車に飛び乗る。電車の中ではいつものようにMP3で音楽を聴きながら、本を読む。下流の宴は読んでいて、いろいろと考えさせられる。格差社会においては、収入の差がそのまま生活や恋愛の差につながるらしい…。それをこんな面白い小説にするとは…。さすが林真理子大先生である。


 新宿に着くと足早に江角眼科クリニックへと向かう。まだ、十時前だと言うのに、休日の新宿は朝から人が多くて活気に満ちている。これから、さらに人は増えてくるだろう。そうなる前に紫は早々と目的地に足を進めた。そうしないと、また人酔いしてしまう…。


「いい具合に回復していますね。もう、それほど目薬も必要ないでしょう。目の乾きを感じないのであれば、毎日、目薬を注さなくてもいいでしょう。目が乾いたと感じた時だけ、目薬を使って下さい」


 紫は先生の言うことを頷いて、聞いている。レーシックをしてから三週間が経ち、徐々に新しい目や視界になじんでいくのを感じていた。視界が鮮明でクリアな世界がもはや当たり前になっている。もう、メガネがないと何も見えなかった世界は遠い昔のことのようだ。レンズの壁が無くなるだけで、世界とこんなにも一体化できるものなのか…。


「さて、次は三月の終わり頃に一回見ましょうか。その頃には多分、もう目薬もいらなくなっていると思いますよ」


「先生、私、四月から仕事で福岡へ行くことが決まったんですよ。レーシックの術後検査は、最低でも一年間は必要らしいですが、やっぱり定期的に検査を受けた方がいいですか?」


「まあ、受けられるなら受けた方がいいですが、術後二ヶ月過ぎて、特に問題が無ければ大丈夫ですよ。検査のために福岡からわざわざ来る必要は今の所無いでしょう。ただ、それを判断できるのは三月になりますので、三月…、福岡へ行く前に必ずいらっしゃって下さいね」


「分かりました。ありがとうございます」


 それから次の検査日を女医と話し合って、三月二四日と決めた。時間は今回と同じく、朝十時半からである。今回、検査はわずか三分で終わった。次も検査にかかる時間は三分程度であろう。


 さて、せっかく新宿まで出て来ているのだから、昼は珍しく新宿で済ませることにする。そうは言っても、女性一人で入れる店は限られる。結局、紫はマクドナルドで簡単で済ませて、しばらく小説を読んでゆっくりすることにした。

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