4月8日(日) よ4
簡単に説明すれば、レーシックは角膜の一部を切り取って、フラッペと呼ばれるものを作る。
次に角膜を切り取った部分にレーザー光線を当てる。角膜の奥にある水晶体をレーザー光線で削り取っていく。水晶体を削ることで、ピントを調整していく。
通常、視力が視力一・〇〜一.二になるようにする。最後にフラッペを元に戻す。…と言うのがレーシック手術の一連の流れになる。
今でこそ、視力は一・〇〜一.二になるようにするが、五年ほど前までは視力を一・五〜二・〇になるように調整していたようだ。
しかし、レーシック手術の性質上どうしても水晶体を削り過ぎる傾向にあるため、二・〇に設定すると過矯正の状態になることが多い。
過矯正とは度の合わない強い近眼レンズをかけると、視界が変に歪んで見えてグラッとしてしまう状態と思ってもらうといい。それがずっと続けば、頭痛や吐き気などがして、日常生活すらままならなくなる。これがレーシックの過矯正と言う副作用である。
現在では、過矯正を防ぐために視力は一・〇〜一.二になるよう調節する。これはメガネやコンタクトで視力矯正する際も同じである。よく見えるように度を強めにすると、メガネやコンタクトでも過矯正が起きる。
メガネやコンタクトなら度を弱めれば、問題が解決する。しかし、レーシックの場合は一度手術すれば、なかなか調節できないので、過矯正は重大な副作用となる。
「ところで紫さんの視力は?」
「私は両目とも一・五だよ。これでも最初は一・二になるよう調節していたんだけとね…。どうしても、予定していたより視力が強くなるらしいよ」
「なるほど…。やっぱり、レーシックの専門家から話を聞いた後にレーシック体験者の話を聞くと違うな…。ところでハロやグレア、スターバーストの症状は出ると?」
「そうだね…。今は夜になると、街の明かりが変にまぶしく見えることがあるんだよね。何て言うのかな…。うまく説明できないけど、光が星のように瞬くような感じだね。ただ、レーシックしてから一年ほど経つとかなり落ち着くらしいよ」
「ふ〜ん。そうなんだ」
グレアとは日本語では光輝と呼ばれ、光を見た時に異常なまぶしさを感じることである。主に夜の明かりを見た時に起こる現象である。
ハロとは日本語では光輪症と呼ばれ、光を見た時に光の周りに無いはずの光の輪が見える現象である。
スターバーストとは街の明かりが星のように瞬いて見える現象である。いずれにしても、個人差があり、激しい後遺症が出る人もいれば、あまり症状が出ない人もいる。
一般的にはレーシック術後の経過とともに症状は改善されるが、これも個人差が大きい。
「友丘先生は副作用を最小限に抑えるために、これからも研究を重ねたいとおっしゃっていたんよ。あの先生なら客観的な取材ができそう…」
「それはよかった。これで私はお役御免だね」
せっかく、おいしいチキン南蛮を食べたと言うのに、ずっと難しい話をしていたものだから、思うように味わうことができなかった。それだけが紫にとっては心残りであった。




