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助けに来たのは……

「どすこい〜!」

 突如として警備員の一人が投げ飛ばされてしまう。 

 警備員を投げ飛ばし、現れたのは大鶴丸だった。


「君は、大鶴丸さん……」

「ルーカスさん、助けに来たよ!」

 大鶴丸は警備員と、がっぷりよつを組みルーカスに道を開いてくれた。


「助太刀に来たでごんす」

「行くでがんすよ〜」

 更に大鶴丸の友人達も加勢。ルーカスに進む道が出来た。


「ルーカスさん。吉井さんは、この空港のタクシー乗り場で待ってるよ」

「何? 美穂が来てるのか?」


「警備のせいで、それ以上は近づけないんだ。走って!」

 ルーカスを捕まえようと、大勢の警備員が出て来た。


 このままではルーカスは捕まってしまう。

 私は美穂に会いたい、だから走らないと。

「分かった。大鶴丸さん。有り難う!」


 ルーカスは大鶴丸が作った道を走り出した。 勿論、行き先はタクシー乗り場。

 頼む。美穂、待っててくれ。


「待つのですぞ。王子〜!」

 ルーカスを捕まえようとビッシュが警備員を引き連れて彼の事を追いかける。


 このまま捕まる訳には行かない。

 ルーカスは全力疾走でタクシー乗り場へと向かう。

「王子、そこまでです」

 彼の目の前に一人の男が現れた。トーマスだ。


「トーマス、そこを退いてくれ。私は美穂に会うんだ」

「王子、残念ですが、それは出来ません」


 トーマスはルーカスの事をなんとしても止めるつもりだ。

 幾ら逃げ足の早いルーカスでも、あの身体能力能力の高いトーマスから逃げ切るのは至難の技。


 一体、どうすれば良い?

「とりゃー!」

 その時、一人の女性が現れトーマスに飛び蹴りを食らわす。


「くっ」

 トーマスは、それを交わす為、ルーカスから離れた。

 良かった。これで道が出来た。


「君は、剛君の、お母さんではないか」

 道を開いてくれたのは上野で出会った剛の母親。

 彼女が道を開いてくれたのだ。


「ルーカスさん。ここは私に任せて、先に行って」

 どうやら彼女は、この場を受け持ってくれるらしい。


「しかし、相手は、一筋縄では行かないぞ」

「大丈夫、私、空手の黒帯持っているから」

 剛の母親は、なんと空手の黒帯持ちだった。

 これは助かる。


「そうか。では、この場を任せて大丈夫なのだな」

「えぇ、だから行って!」

 有り難う。剛君のお母さん。ルーカスは彼女にお礼を言って走り出す。


「私には、王子を止める役目があります。そこを退いて下さい」

「人の恋路を邪魔するのは、碌な男にならないわよ」

「ママ〜、頑張れ〜」

 

 トーマスの事は剛の母親に任せて、ルーカスは全力疾走。

「待って下さい! 王子〜!」


 しかし、まだ彼を追う警備員は大量に居る。

 このまま逃げ切れる可能性は低いぞ。

 一体、どうする?


はーい! 皆、僕だよ。佐久間聡が羽田空港でゲリラライブやっちゃいま〜す!」

 その時、現れたのは秋葉原で出会った佐久間聡。

 彼は変装をやめ、アイドルの格好をしたまま、空港に現れた。


「きゃー、佐久間聡よ〜!」

「私、会いたかったのー!」

 スポットライトを浴びた佐久間に、空港に居た大勢の人達が、一斉に集まってきた。


「お、おい。これじゃ。前に進めないぞ」

 佐久間に集まる、大勢の人達は、まるで流れる川のよう。

 警備員達は、思わぬ足止めを食らってしまった。


「佐久間さん!」

「ルーカスさん。吉井さんに想いを告げるんだ!」

 佐久間はルーカスの為に集まってくれたみたいだ。

 有り難う。本当に有り難う。

 その思いを胸にルーカスは再び、走り出した。


「王子、待つのですぞ〜!」

 ビッシュと警備員達は執念深い。あれだけの妨害がありながら、尚もルーカスの事を追いかけている。

「くっ、このまま逃げ切れるか?」

 後、もう少し。もう少しの所で美穂に会える。

 しかし警備員達はルーカスの直ぐ側まで差し迫っていた。


「皆〜、警備員達を止めるっすよ!」

 その時、現れたのは原宿で出会った藤本。

 彼は十人の仲間を引き連れて警備員を止めにかかってくれた。


「君は、藤本……」

「ルーカスさん。俺、やったっすよ」

「へ?」


「俺、告白に成功したっす!」

「え、本当なのか?」


「そうっす。ルーカスさん達のお陰っす。だからルーカスさんも告白成功させて下さい」

 藤本は告白に成功したらしい。

 それは大変喜ばしい事だ。


「ルーカスさん。部活仲間と一緒に、こいつらを止めるっす。早く行って下さい!」

 藤本は部活仲間と一緒に警備員達を止めてくれている。

 この間に先に進まないと。

「有り難う。藤本。本当に有り難う」

 ルーカスはタクシー乗り場に向かって、走り出した。


「さぁ、自分の作った寿司です。皆食べて行って下さい」

 浅草で出会った寿司職人が警備員を足止めしてくれて。

「カウボーイとして、ここは絶対、食い止める」


 上野で出会ったカウボーイが足止めをしてくれて。

「私達も踊っちゃうよ〜、いぇーい!」


 秋葉原で出会ったメイド達がダンスで警備員達を足止めしてくれて。

「息子達。警備員を足止めしな!」

「へい。マザー!」

 原宿で出会った白鷗堂のおばちゃん達も加勢してくれた。

 

「ルーカス王子、女の子に告白したいんだって」

「私達も助けてあげようよ」


 更に空港に居た色々な人達がルーカスの告白を成功させようと警備員達の足止めをしてくれた。

「ぬぉー、王子、待つのです。待つのですぞ〜!」

 ビッシュには悪いが、私は美穂に会いたい。


 そして、やはり、やはり、そうだ。

 国境は越えられる。人と人が助け合えば、きっと越えられる。


「ルーカスさん!」

 タクシー乗り場にて、ルーカスは美穂と再会した。

「美穂、私は君に伝えたい事があるんだ」


 そして、彼女を抱き寄せ、言った。

「美穂、私は君の事が好きだ。愛している!」

 それは一世一代。最初で最後の告白だった。

「私もです。ルーカス」



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