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原宿へ行こう1

「ふんふん。ふーん」

 岸峰総理は上機嫌だった。そのお腹には腹筋トレーナーが巻き付けてある。


 この腹筋トレーナー通販で買った奴だが調子が良い。このまま腹筋を割る事が出来そうだ。

「岸峰総理〜、岸峰総理〜!」 


そこに秘書官辻村の声が聞こえて来る。全く、上機嫌だったのに台無しだよ。

「岸峰総理、大変です! てっ何をやってるんです?」

「うん? これは通販で買った腹筋トレーナー。君もやるかい?」 

「そんな物を首相官邸に持ち込まないで下さい……」


「何? 鮫が捕まった?」

 秘書官辻村の連絡を聞いて岸峰はうろたえる。

 王子を殺す為に派遣した鮫が捕まった。

 

 それは信じ難い情報だった。

「はい。報告によると鮫は朝九時頃、警察に殺人未遂の罪で現行犯逮捕されたそうです。」


「くっ、しくじったな。あいつ」

 このまま行くとフリン内務大臣との取り引きもなくなってしまう。

 次なる手を考えないと。


「どうされます? 岸峰総理」

「仕方ない。ネットの闇バイトとかで募集するか」

「大丈夫ですか?」

「メルベール人を嫌っている連中は沢山居る。問題はないよ」

「では、その手はずで」

「あぁ」

 

「ルーカスさん。着きましたよ!」

 原宿へと向かう電車の中で。

 考え事をしていたルーカス。

 その思考は美穂が呼びかけた事によって止まる。


「あ、あぁ、そうか……」

 目的地に着いた以上、降りなければならない。  

 ルーカスと美穂は電車を降りて原宿駅へと降り立った。


「ルーカスさん、大丈夫ですか?」

 美穂はルーカスに問いかける。 

「あぁ、大丈夫だ。少し殺し屋の事を考えていただけだ」


 ルーカスは今日会った殺し屋の事を考えていた。

 国民は国家の奴隷。使えない奴隷は殺すだけ。彼はそんな事を言っていた。

 そんな事あってはならないし、そんな国家なら無くなった方がマシだ。

 

 何故、彼はそんな事を言ったのだろう?

 ルーカスの疑問は胸に重くのしかかる。

「ルーカスさん。元気出して下さい」

 

 美穂が優しい口調でルーカスに言う。

「私は何があってもルーカスさんの夢、応援しています」

「美穂……」


「国境を無くすという夢、追いかけて下さい」

 どうやら美穂に気を使わせてしまったらしい。  

 この件の事を考えるのは辞めようとルーカスは思う。

「済まない。美穂。では原宿観光に行くとしよう」

「はい!」

 

 二人は駅を出て原宿へと降り立った。

「おぉ〜、ここが原宿か!」

 原宿には沢山の人が居る。

 若者の町というだけあって若者が多い。

 アイドルソングらしきものも聞こえて来た。


「ここも凄い人ですね〜」

 浅草、上野、秋葉原、どこも人が多かったが原宿は、それに負けない程の人の多さだった。 最早、人が多すぎて前に進めない。そんな町だった。


「あれが有名な竹下通りか? 言ってみるとしよう」

 二人は竹下通りへと入る。

 竹下通りはチュロスやグレープなど若者に受けそうなスイーツ店が軒を連ねている。

 

 またどこかのアニメで見た事があるキャラクターグッズの店なんかもあった。

「ほれ。美穂」  

「有り難うございます」

 

 二人は早速、グレープを買って食べる事にした。

「う〜ん。美味い」

 ルーカスが買ったクレープは、チョコと生クリームが入ったクレープで、口に運ぶと生クリームとチョコの甘みが口一杯に広がる。

 

 やはり生クリームにはチョコとかスイーツだ。

 サバとかでは決してない。

「美味しいですね。クレープ」

 美穂が頼んだクレープは、生クリームにイチゴが入ったクレープ。

 彼女は、そのクレープを美味しそうに食べている。

 

 なんだか彼女の食べているクレープは美味しそうだ。

 一口食べてみたいとルーカスは思った。


「美穂、そのクレープ、一口食べてみても良いか?」

「へ?」

 美穂は素っ頓狂な声を上げた。 


 ん? 一体どうしたのだろうか?

「どうした? 駄目なのか?」

「いえ、だ、大丈夫です」

 美穂からの許可が降りたという事でルーカスは美穂のクレープを一口食べる。  

 

 こちらのクレープも美味しい。

 やはり生クリームにはイチゴとかチョコだ。

 生魚では決してない。

「うーん。イチゴのクレープも美味しいぞ!」

 ルーカスは美穂のクレープを食べて上機嫌。

 しかし、美穂の様子が何処か可笑しい。


 彼女は耳を真っ赤にしている。

「ん? どうしたんだ? 美穂」

「いえ、何でもないです……」

「どうした? 私のも食べてみるか?」


 ルーカスは自分のクレープを美穂に差し出す。

 彼女は何か言いたげに、こちらを見ている。

 そして、何かを決心したかのようにクレープを一口食べた。

 

 クレープを食べる為、指で髪をかきあげた彼女の顔は妙に艶やかだ。

 

 そしてクレープを食べる時の無防備な表情。

 うーん。これは……。

「その、なんだか恥ずかしいな。これ」

「分かっていただけましたか?」

 

 そんなこんなで二人は竹下通りを突き進む。

 そして一軒の店の前に立った。

「ん? ここは何屋なのだ?」


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