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ルーカス、銭湯を楽しむ

 殺し屋、鮫。

 彼の部屋はダンベルや筋トレ道具で一杯だ。 プロテインも買える奴は全種類揃っている。

「ふん。ふん」

 今日も彼は筋トレをし、筋肉を鍛えている。 黒いタンクトップからは、鍛えられた二の腕が顔を覗かせていた。

 プルプルプル。

 彼のスマホが鳴った。

 仕事の依頼か?  

 彼はスマホを手に取り、電話に出る。

「もしもし」

「あぁ、私だ」

 仲介人橋本。彼は依頼を受け、鮫に電話をかけてくる。

「鮫、仕事だ」

「橋本、筋肉に必要な物はなんだと思う?」

「うん? プロテインか?」

「チーズケーキだ。馬鹿野郎!」

「絶対、違うと思うぞ」

 そんな事は無い、チーズケーキのお陰で鮫は筋肉隆々、かなりのマッチョと言っても過言では無かった。

「済まない。取り乱した」

「あぁ、そうか」

「で、仕事内容は?」

「現在、行方不明になっているルーカス王子は知っているだろう?」

「うん? 病気で寝込んでいるんじゃないのか?」

 確かニュースで見たはず。

「それは日本政府の嘘だ。実際は彼はホテルを抜け出し、日本観光に勤しんでいるらしい」

「ふーん。で? そのルーカス王子がどうした?」

「彼を殺すのが、今回の依頼だ」

「……何故だ? 彼は何かしたのか?」

「彼は国境を無くすつもりらしい。それは日本政府にとって都合が悪いんだとよ」

「なに? 国境を無くすだと?」

「元軍人の、お前からしてみれば考えられ無い話だよな」

「それは、悪い男だな」

「ほう。お前は、そう思うか」

「あぁ、悪い男には……」

 鮫は持っている林檎を握りしめ、それを破壊する。

「お仕置きが必要だな」

 

 カポーン。

「う〜ん。日本の銭湯は心地良いな〜」

 陽はすっかり落ちて夜になった。

 ルーカスは美穂が住んでいる、お屋敷の近くに銭湯があると聞いて、そこにやって来たのだった。 

 銭湯の中は人が少なく、快適な空間。

 日本に来た以上、一度は行ってみたかったルーカスにとって大満足な結果である。

「しかし、今日は楽しかったな」

 ルーカスは今日起きた事を思い返してみる。

 浅草の商店街では美味しい物を食べ、大鶴丸は上がり症を克服出来た。 

 秋葉原では漫画を買ったし、佐久間は欲しかったサインをゲットする事が出来た。 

 皆幸せになったし、ルーカスも観光を楽しむ事が出来た。

 本当に楽しかったのだが。

 ちょっとだけ気になるのは、あのヘイトスピーチと、いじめだ。

 浅草では平然とヘイトスピーチを垂れ流し、秋葉原では、メルベール人に対する、いじめが発生していた。

 日本という国は平和だと聞いていたが、それだけでは無い。

 確かな悪意が、そこにはあった。

 ルーカスはメルベール王国の事が好きだし、メルベール人の事も愛している。

 その愛しているメルベール人が日本で悪意に晒されている。

 果たして、この状況は本当に良いのだろうか。

「うーん。私には良く分からないな」

 ルーカスは、まだ十七歳。この事に対する解は持ち合わせてはいない。

 しかし、この状況が悪化すれば、最悪日本とメルベールは戦争状態になりかねない。

 それだけは阻止しないと。

「は、しまった。のぼせてしまう!」

 そんな事を考えているうちに時間が大分経ってしまっていた。

 このままではのぼせてしまう。早く出ないと。

 ルーカスは立ち上がり、風呂から出ようする。

「あぁ〜、愛〜、愛〜」

 ルーカスの隣の人は呑気に歌を歌っていた。

 まぁ、こんなにリラックス出来る空間では歌いたくなる気持ちは分かる。

「生クリームとサバは意外と合う〜」

 その歌、流行っているのか?



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