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秋葉原へ行こう6

「ふむ、秋葉原は大分、満喫したな」

 佐久間が帰る頃には、すっかり日は落ちて来て夕方になっている。 

「ルーカスさん。この後は、やっぱりホテルに帰るんですか?」

「その件だが、美穂、あの小屋に一泊だけさせてくれないだろうか?」

「ぇぇ!? あの小屋にですか?」

「あぁ、私は、まだ行きたい場所に一箇所だけ行けて無いんだ。明日、そこに寄ってから帰ろうと思う」

「だ、大丈夫なんですか?」

「二日位、ビッシュが何とかしてくれる。それより観光だ!」

「で、でも〜、小屋の中にルーカスさんを泊まらせちゃって良いんでしょうか?」

「うん? それなら気にするな。あの小屋は意外と快適だぞ」

 ぶっちゃけルーカスは、寝れる場所さえあれば何処でも寝れる。

 あの小屋は彼が泊まるのに十分な場所だった。

「駄目か? 美穂」

「な、何とかしてみせます!」

 一番の懸念点だった美穂の許可を得たルーカス。   

 よし、これで明日も観光出来るぞ。

「そうと決まれば、今日は小屋に帰るぞ。行くぞ。美穂」

「はい」

 ルーカスと美穂、二人はお屋敷へと帰ろうとする。

「む、あれは、なんだ?」

 JR秋葉原駅前の広場で。

 何やら人だかりが出来ていた。

「さぁ、私にも分からないですね」

 どうやら美穂も分からないらしい。

 あまり人だかりには良い思い出がない。

 ここはスルーして帰ろう。

 ルーカスは人だかりを無視して駅に行こうとした、その時だった。

「いぇーい! 今日はメルベール人に、振ったコーラ、ぶっかけちゃうよ〜」

 耳障りな声がルーカスの鼓膜に突き刺さる。

 一人の男が人だかりの中心でコーラを片手にして、観衆達を盛り上げていた。

 そして次の瞬間。男は振ったコーラを観光客であるメルベール人に、かけ始めたのだ。

 メルベール人の観光客は逃げようとするが、それを日本の民衆達は許しはしない。

「やっちゃえ〜! エビカニチャンネル」

「チャンネル登録するわよ〜」

 明らかな、いじめの光景。しかし、日本人達は、その光景を止めるどころか明らかに楽しんでいる。

「お、おい、あれ」

 ルーカスは流石に見てられ無かった。   

 人ゴミに入り止めにかかる。

「君達、やめないか! これは、いじめだぞ」

「うるせーな。メルベール人が悪いんだろ」

「 チャンネルは真の愛国者よ」

 こんないじめをしている奴が愛国者? 何を言っているんだ。この人達は?

「やめて、やめて下さい……」

 メルベール人の、か細い声が聞こえて来た。

 何とかして、止めないと。

 ルーカスは必死に人ゴミをかけ分け、コーラをかけられているメルベール人の元に行こうとする。  

 だが、人ゴミが固くて中々前には進めない。

「退いてくれ! その男を止めたいんだ」

 人ゴミはルーカスの声なんて聞いてはいない。

 愛国というなの、いじめに夢中だ。

「そこの男! 観光客にコーラをかけるのはやめなさい!」

 等々、警察が入ってきてくれた。

 流石に警察を敵に回す訳には行かないだろう。

 男もコーラをかけるのをやめた。

「ちっ、なんだよ。警察かよ」

「帰ろうぜ〜」

 人だかりもお祭りが終わったとばかりに解散し、去って行く。

 観光客のメルベール人は警察が保護したので、近寄る事は出来ない。

 ルーカスは呆然と、その場に立ち尽くすだけだった。



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