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秋葉原へ行こう3

佐久間が指さした方をルーカス達も視線を向ける。  

 そこにはメイド服姿の女性が二人立っていた。

「ははは、このマネキン、超ウケる〜」

「だよね〜」

 メイド服の二人組女性は何やらマネキンを観ながら盛り上がっている様子だ。 

(ん? で、何処に佐久間さんの着る服があるというのだ?)

 佐久間が指さした方向には、メイド服姿の女性、二人組しか居ない。

 一体、何処に彼が着る服があるのだろうか。

「佐久間さん。あそこにはメイド服姿の女性しか居ないぞ」

「だから、メイド服を着るんだ!」 

「……はい?」

「僕のスタイルなら、あのメイド服を着こなせる上に、僕のスター性も隠せる。僕にぴったりの服装だ。そうは思わないかい?」

「うーん。男の、あなたがメイド服を着ても、変になるんじゃないか?」

「いや。僕のスタイルなら完璧に着こなす事が出来るね」

 佐久間は、やる気みたいだ。本当に上手くいくのか? 

「ルーカス君。あの女性二人組に、僕がメイド服を着れるよう頼んではくれないだろうか?」

「私がか?」

「あぁ、僕が直接行くと、正体がバレる可能性がある。頼めるのは君しかいないんだよ」

 どうやら佐久間がメイド服を着る気満々の様子。  

 うーん。ここは協力するしか無いか。

「分かった。私が行こう」

「私が行かなくて大丈夫ですか?」

「美穂は、ここで佐久間の正体がバレないよう見張ってくれ」

 佐久間の事は美穂に託してルーカスは二人組女性のメイドに声をかけた。

「うん。済まない。ちょっと良いか?」

「あ、伊達眼鏡じゃん。ウケる〜」

「だよね〜」

「いや、君達に、ちょっとお願いがあるのだが……」

「あーし達に? 何の用?」

「実は、そこにスタイルの良い男が居るだろう?」

 ルーカスは佐久間の方を指差す。

「あの男がメイド服を着たいと言っていてな。その、ちょっと、男でも着れるメイド服は無いだろうか?」

「うんなの。ねーよ!」

 ですよね~

「いや、済まない。女性用で構わない。あの男なら完璧に着こなす事が出来る。どうか、メイド服を貸してはくれないだろうか?」

 ルーカスはダメ元で彼女達に佐久間がメイド服を着れるよう頼み込んでみる。

 女性達は、悩んでいる様子だ。

「う〜ん。メイド服ね。貸して上げても良いけど〜」

「何? 本当か?」 

「リサ!」

「ミカ、ちょっと聞いて」

 女性達は、ルーカスを置いてヒソヒソ話を始めた。

 一体、何を会議しているのだろうか?

「か、貸してくれるのか?」

「うん。良いけど、その代わり、お店ちょっと手伝ってよ」

「店を手伝う?」

「私達、メイドカフェ『魑魅魍魎』って所で働いてるんだけどさ。丁度、今日バイトの子が一人、来れなくなっちゃったんだよ」

「メイドカフェって、あのメイドが沢山居る所だろ? 私にはメイドは出来ないぞ」 

「違う。違う。やるのは、ただの皿洗い。ホールには出ないよ」

 (なるほど、それなら私にも出来そうだ)

「分かった。それなら私に任せておけ。皿洗い、やってみせよう!」

「いえーい。じゃあ決まりね」

 こうしてルーカスは皿洗いを条件に佐久間にメイド服を貸して貰う事となった。


「皿洗いですか。私も手伝いますよ」

 メイドギャルと別れたルーカスは美穂と佐久間に結果を報告していた。

 どうやら美穂は皿洗いを手伝ってくれるらしい。

「うん? 本当か。美穂。それは有り難い」

「はい。私皿洗い中に何度か、お皿割った事がありますが、いけます!」

「いや、やっぱり、やめておこう」


 メイドカフェ『魑魅魍魎』に、たどり着いたルーカス達。

 ルーカスは早速、キッチンに入り佐久間が着替えている間、皿洗いをする事になった。

「うーむ。皿洗いもしてみると、中々大変だな」

 ルーカスは一枚、一枚、丁寧に皿を洗う。

 彼は王宮に居た頃、何度か、皿洗い位手伝った事はあるが、この量の皿を洗うのは初めてであった。

「あ、ルーちゃん。皿の汚れ残ってるよ」

「あ、済まない。洗い直すとしよう」

 先輩メイドであるリサに時々、注意されながらも順調に皿を洗って行くルーカス。

 このまま行けば皿洗い業務は直ぐ終わるだろう。

 そう思っていたのだが。

「ごめ〜ん。また皿増えちゃった」

 メイドの一人が大量の皿を抱えて持って来た。   

 その皿の量は凄まじく、何十枚と積み重ねられタワーになっている。

「な、なんだ。この量の皿、見た事ないぞ」

「なんか〜、お客さんに物凄い大食いの人がいて、増えちった」

 何故、大食いの人がメイドカフェに来るのだろうか? 

 ルーカスは一瞬疑問に思ったが、今は疑問に思っている場合では無い。

 棚に残された皿は少ない。早く洗わないと次に食べる人の分の皿が無くなる。

「うぉおおお! マッハだ。マッハで洗うぞ」

 ルーカスは全力で皿洗いを遂行する。

 そのスピードは凄まじく、一枚、一枚、物凄い速さで洗い終えていった。

「はぁ、疲れた。これで次の人にも皿が回るだろう」  

 何とか皿を洗い終えた。

 これで少しの間、皿は洗わなくても大丈夫だろう。

 ルーカスが休憩に入ろうとした、その時。

「ごめんなさ〜い。また洗う皿、増えちった」

 ホールに出ていたメイドが、また大量の皿を持って来た。

「いやいや。待て、何で、こんなに洗う皿が増えるのだ!?」

「なんか〜 食べ盛りの高校生が来てて、直ぐに洗う皿増えちゃうのよね〜」

「何故、食べ盛りの高校生がメイド喫茶に来るのだ!?」

 疑問は残るが、汚れた皿をためる訳には行かない。

 ルーカスは再びマッハで皿を洗い続けた。


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