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43話 魔王の秘密

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 43話


「あなたは誰!?」


 アスカは、玉座に座っている者に叫んだ。


「余は、魔王だ」


 低く重い声が、響いた。

 声の主は、とても端整な顔立ちをしていて、とても小顔だった。

 青い肌に銀色の長髪で、深紅の瞳が妖しく光っており、その眼光は鋭く、冷たかった。


「え!? じゃあ、この人は……?」 

「そやつは、余の影武者よ。残念だったな」


 アスカは、そうだったのかと、少し落胆したが、すぐに気持ちを切り替えた。


「ならば、あなたを倒すだけです!」


 仲間達も、アスカの元に集まってきた。


「ほぅ、それは楽しみだ」


 魔王は、わずかに口角が上がり、静かに立ち上がった。

 身長は2メートル程で、細身の体つきだった。

 漆黒のマントを羽織っていて、マントはくるぶしまで、長さがあった。


「余裕を見せていられるのも今のうちよ!」

「面白い。では相手をしよう……」


 アスカ達と魔王は、対峙し、身構えた。


(圧倒的な威圧感……さっきの人とは全然違うわ……)


 アスカは、聖剣を握る手が震えていた。


(でも、棒立ちだわ……! 戦う気が無いの……!?)


 アスカは、魔王の無防備な構えにもかかわらず、圧倒的な威圧感と、余裕に気圧された。

 アスカだけではなく、仲間達も同じだった。

 しばらく、アスカ達も魔王も動かなかった。


「どうした? かかってこないのか?」


 魔王は、相変わらず棒立ちで、立ち尽くしているが、表情は余裕に満ち溢れてした。

 アスカ達は、金縛りにあったように動けなかった。


「王女様、このままじゃラチがあかん。エリスの弓矢で牽制して、俺と王女様と、ルドルフ殿で三方向から同時に攻めよう」

「そうね……仕掛けないと何も分からないものね……よし! ライデンの作戦通りに行きましょう!」

「分かったぞい!」


 全員が、魔王の迫力に気圧されていたが、攻め込まないと何も分からないため、恐怖を飲み込んで攻撃することにした。


「みんな気をつけて……」


 魔力が、ほとんど尽きていて、魔力回復の道具も無くなったため、ミツキは後方で見守るしか出来ず、声をかけた。

 全員が、息詰まる雰囲気の中、武器を握りしめて、攻撃の開始を待った。


(来るか……)


 魔王は、棒立ちの構えのまま、ニヤッと笑った。


「行きます!」


 エリスが、声を上げると同時に弓矢を射った。

 更に、アスカ、ライデン、ルドルフが飛びかかった。

 エリスの矢は、魔王に当たると硬い岩に当たったように弾かれた。


「たぁーっ!」

「うりゃあーっ!」

「せいやーっ!」


 アスカ、ライデン、ルドルフが、魔王の三方向から、一斉に振り下ろした。


(とらえた!)


 三人共、そう思ったが、魔王は姿を消し、三人の頭上に現れた。

 

「ハッ!」


 魔王は、眼下に向けて、両手から激しく放電した。


「ぐわあああっ!」


 アスカ達を、豪雨のように荒れ狂う稲妻が襲い、ライデンとルドルフは、感電して倒れた。

 アスカは、天使の盾をかざし、稲妻をやり過ごした。


「ヤーッ!!」


 アスカは、聖剣を突き出して飛び上がった。


「えっ!?」


 しかし聖剣は、魔王の体に弾かれ、魔王は聖剣の刀身を握った。

 

「フフフ……余に聖剣は効かんぞ……」

「ど、どうして!?」

「フフフフフ……冥土の土産に教えてやろう……余は、アローラの力を吸収したのだ……今の余はもはや魔王ではない……聖魔王だ!!」

「そ、そんな……」


 アスカは、魔王、いや聖魔王の言葉に愕然とし、表情が青ざめた。


「死ねっ!」

「きゃあああっ!!!」


 聖魔王は、聖剣に電流を流し、アスカは悲鳴を上げ、黒焦げになって落ちた。

 

「ここで一気に葬ってやろう!」


 聖魔王は、離れた位置に着地し、ヘルファイアの魔法を使い、地獄の業火がアスカ達を襲った。


「いけない!」


 エリスが、倒れているアスカ達の目の前に立ち、海竜の盾をかざした。


「きゃーっ!」


 エリスは、海竜の盾をかざしているとはいえ、完全に凌ぎきれる訳ではなく、業火に身を焦がされ悲鳴を上げた。


「まだ終わりではないぞ」


 聖魔王は、更にフィンブルブリザードの魔法を発動した。

 極寒の冷気が、アスカ達を襲う。


「うおおおーっ!!」

「きゃあーっ!!」


 先程のヘルファイアで、全員が火傷を負ったところに、今度は、フィンブルブリザードで凍傷を負い、火傷と凍傷の全く逆の性質の傷が、アスカ達の五感を麻痺させていき、やがて猛吹雪が止むと、全員が倒れていた。


「うぅ……みんな……」


 アスカが、辛うじて全体回復魔法を使い、全快には程遠いが立てる程度には回復した。


「でも……どうしたら良いの……? 聖剣が効かないんじゃ……」

「…………」


 アスカは、困り果てていて、戦意を喪失しかけていた。

 だが、誰も答える者は無かった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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