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32話 魔王城の戦い

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 聖王女アスカ(32話)


 アスカ達は、2階に上がった。

 2階は天井の高いフロアで、再び、魔物達の混成部隊が待っていた。

 今度の混成部隊は、固い石で出来ていて力も強いゴーレム、ゴーレム以上の怪力を誇り、巨大な棍棒を振り回すトロル、絶大な力と魔力を誇り、さらに火炎も吐く大悪魔のデーモン等の巨大で強力な魔物達だった。

 その数は合わせて三十体程で、巨体を揺らし、地響きを立てて、アスカ達に迫ってきた。


「……みんな! 前列3人、後列2人の陣形を組むわよ! 前は私、ライデン、エリス、後ろはミツキとルドルフ様よ! ミツキとルドルフ様は、敵の数を減らすまでは、魔法で援護と回復をお願い! 特に、悪魔の魔法に気を付けて! 私とライデンとエリスは、一体を集中攻撃して一体ずつ確実に減らすわ」


 アスカは、数秒考えて、作戦を告げた。

 全員が、瞬時に作戦を理解し、配置についた。

 幸い、階段を昇ってすぐ、後ろが壁で背後の敵を気にしなくて大丈夫だった。

 まずは、ゴーレムがアスカ目掛けて拳を振り下ろした。


「遅いわ……」


 アスカは、攻撃を完全に見切って難なく攻撃を避けると、聖剣を横に一閃し、ゴーレムの両足を斬り飛ばし、動きを封じた。


「ライデン! エリス! 奴の両腕を落として!」


 ライデンとエリスは、アスカの指示を聞き、左右から同時に飛び上がり、渾身の力を込めて武器を振り下ろした。

 ライデンが、グレートアクスでゴーレムの片腕を斬り落とし、エリスも、炎の剣でゴーレムの片腕を溶断した。

 これでゴーレムは、完全に動きを止め、攻撃も防御も不能になった。


「もう、こいつはほっといていいわ。 他の敵に当たりましょう」


 敵は、大きな体が災いし、同時に攻撃できるのは3体までだった。

 更にゴーレムを一体行動不能にした事で、真ん中を動けないゴーレムが塞ぎ、敵からすると明らかに邪魔だった。


「ミツキ! トロルの足を凍らせるんじゃ!」

「うん!」


 ミツキはルドルフの声を聞き、吹雪の魔法を発動させ、トロルの足を目掛け、凄まじい勢いの吹雪を浴びせ、瞬く間にトロルの足を凍り付けにした。

 トロルは力任せに、凍った足を動かそうとしたが、全く動かなかった。

 ルドルフは、ミツキに指示を出しながら、封印の魔法を発動させ、デーモンの魔法を封じた。

 デーモンは、魔法を封じられた事で、火炎を吐き出したが、ルドルフが吹雪の魔法で火炎を跳ね返した。

 ルドルフの得意の連続魔法だ。


「トロルが動けないうちに、デーモンを3人がかりで倒すわよ!」

「おう!」

「はい!」


 まずはアスカが、デーモンに正面から向かっていった。


「あなたの攻撃はお見通しよ!」


 デーモンは、アスカにパンチを繰り出したが、アスカはデーモンのパンチを見切って、飛び上がって避け、聖剣を上段に構え、一気に振り下ろした。

 聖剣は、刀身が青白い光を放ち、光の刃となり、デーモンを頭から一刀両断にした。

 聖剣は、悪魔であるデーモンに特に効果的だった。

 3人がかりで攻撃するつもりだったが、アスカが一撃で倒してしまい、ライデンとエリスは、アスカが倒したデーモンの後ろにいるトロルを狙うことにした。


「エリス、奴は俺が引き付ける。その隙に弓で狙え!」

「分かったわ!」


 ライデンは、エリスにそう告げると、トロルの注意をひこうと前に出た。

 トロルは、ライデンを攻撃しようと棍棒を振り回したが、ライデンにとってトロルの大振りの攻撃を見切るのは造作もなく、トロルはライデンの動きに翻弄された。


「そこよ!」


 そして、エリスが必殺のタイミングを逃さずに矢を射った。

 矢はトロルの脳天を貫き、絶大な生命力を誇るトロルも、脳天を射抜かれてはひとたまりもなく、仰向けに倒れた。


「ミツキ、ルドルフ様! 目の前のトロルとゴーレムを完全に凍り付けにして!」

「うん!」

「ウム!」


 アスカの狙いは、トロルとゴーレムを凍り付けにし、巨大な氷の壁にし、敵の進行方向を絞る事だった。

 ミツキとルドルフもアスカの意図を理解し、吹雪の魔法を詠唱し、すぐに魔法の発動が可能になった。


「ミツキ、いけるかの?」

「いつでもいけるわよ!」

「よし、同時に吹雪を注ぐぞい!」

「うん!」


 ミツキとルドルフは、同時に吹雪の魔法を発動し、猛烈な勢いで吹雪を注ぎ、目の前のトロルとゴーレムを完全に凍り付けにした。


「前線は俺に任せろ!」

「お願い! エリス、ライデンの援護は私がするから、あなたは弓で一撃必殺を狙って!」

「分かりました!」


 ライデンが前線に出て、その少し後ろにアスカ、更に後ろでエリスが弓を構えた。

 トロルの死骸の奥から、デーモンが、火炎の魔法を発動させ、ライデン目掛け高圧火球を打ち出した。

 しかし、アスカがすぐに吹雪の魔法を発動させ、高圧火球を相殺した。


「そこっ!」

「グワギャーッ!」


 すかさず、エリスが立て続けに矢を射って、デーモンの双眼を射ち抜いた。


「オリャアッ!」


 ライデンが、視界を奪われたデーモンに接近し首を跳ねた。


「アスカ!」


 その頃、ミツキとルドルフも駆け付けた。


「アスカ殿、儂らが混乱の魔法で奴等を仲間割れさせるぞい!」

「はい!」


 ミツキとルドルフは、すぐに詠唱を終え、混乱の魔法を発動させた。

 デーモンには効かなかったが、ゴーレムは半数、トロルはほとんど混乱させ、壮絶な仲間割れが始まった。


「よし……優先してデーモンを狙いましょう!」


 それを見たアスカは、皆に声をかけた。

 残ったデーモン達は、混乱したトロルやゴーレムに襲われ、更にアスカ達からも攻撃を受けた。

 こうなると、デーモン達も一気に劣勢になり、その後、あっという間に敗勢に追い込まれた。

 トロルやゴーレムに気をとられている隙に、アスカ、ライデン、エリスに接近され、次々と首を跳ねられ、デーモンは全滅した。

 その頃、トロルやゴーレム達も仲間割れで、半数以上倒れており、残った者も重症を負っていた。

 残りはアスカ達の敵ではなく、一気に全滅させた。


「みんな、大丈夫?」

「ああ」

「はい」

「うん」

「ウム」

「良かった……じゃあ、先に進みましょう」


 アスカ達は奥に進み、階段を見つけ、上の階に上がった。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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