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30話 聖剣アローラ

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 聖王女アスカ(30話)


 アスカ達が、魔王の城に向かって険しい岩山の道を登り出すと、周囲からわらわらと魔物の群れが現れた。


「みんな! 突破するわよ!」

「はい!」

「うん!」

「おう!」

「ウム!」


 アスカが威勢良く号令をかけ、仲間達も力強く答えた。

 まず、下級魔族の兵士の一団が、剣を構え襲いかかってきた。


「俺に任せろ!」


 ライデンは前に出ると、グレートアクスを大きく振りかぶり一気に凪ぎ払った。

 巨大なグレートアクスは、ライデンの力とあいあまって、凄まじい威力があり、下級魔族の兵士の一団は、全員が胴体を真っ二つに裂かれ、即死した。

 下級魔族の兵士達は、他にもいくつも集団があり、倒された一団の屍を踏み越えて、襲いかかってきた。


「やーっ!」


 次は、エリスが炎の剣を抜き、斬りかかった。

 エリスが炎の剣を振る度に、刀身から炎が吹き出し、次々と斬って焼いて、屍の山を築いた。

 下級魔族の兵士達も、数に物をいわせ、波状攻撃をかけたが、ライデンとエリスにはかすりもしなかった。

 あっという間に下級魔族の兵士達は、壊滅状態に陥り、僅かに生き残った兵士達は、足がすくみ怯んだ。


「バサバサバサバサバサバサ……」

 

 今度は無数の羽音を立てて、空を覆い尽くさんばかりの空飛ぶ魔物の群れが向かってきた。

 

「キーッ!」


 空飛ぶ魔物の群れは、やかましいくらいの羽音と、耳障りな甲高い奇声をあげ、次々と急降下し襲いかかってきた。

 

「うるさいわね……黙りなさい! 永遠に!!」


 ミツキが、羽音と奇声に苛立ちながら前に飛び出すと、風の魔法を発動させ、巨大な竜巻を巻き起こした。

 ゴオーッ!と、凄まじい音をたてて、空飛ぶ魔物達を次々と竜巻に巻き込み、魔物達は真空波の渦の中でズタズタに引き裂かれた。

 竜巻が消えると、そこには空を覆い尽くさんばかりだった空飛ぶ魔物の群れがいなくなり、かろうじて竜巻から逃れた魔物が、数匹飛んでいるだけだった。

 すぐにエリスが弓矢で追い打ちをかけ、正確に魔物達を射抜き撃ち落とした。

 陸の魔物も空の魔物も、あっさり打ち破られ、魔物達がすくみ上がり戸惑っていると、下級魔物の兵士達を踏み潰しながら、巨人の魔物が数十体現れた。


「許せない……」


 アスカは、踏み潰された下級魔物の兵士達を見て、静かに怒りを覚え、聖剣を抜き、巨人の魔物に向かっていった。


「やーっ!」


 アスカは、目にも止まらぬ早さで、巨人の魔物の一体に接近すると、真っ正面から聖剣を振り下ろした。


「グアーッ!」


 次の瞬間、巨人の魔物の悲鳴が響き、アスカは巨人の魔物を頭から縦に真っ二つに斬り下ろした。

 体力自慢の巨人の魔物が一撃で倒され、巨人の魔物達が驚き怯んだ。


「今よ! 私に続いて!」


 アスカは、皆に号令をかけ一気に走り出した。

 その後をライデン、ミツキ、ルドルフ、エリスの順に続いた。


「王女様、露払いは俺に任せろ!」


 ライデンは、一気に加速し、アスカを追い抜いて、慌てて立ちふさがった巨人の魔物をグレートアクスで袈裟斬りにして倒した。

 倒れた巨人の魔物の影から、別の巨人の魔物が襲いかかってきた。


「炎よ!」


 ミツキが、走りながら詠唱していた炎の魔法を発動させ、巨大な高圧火球を打ち出した。

 高圧火球は、ドオンッ!と、凄まじい音を立てて巨人の魔物に直撃し、巨人の魔物の上半身を粉々に吹き飛ばした。

 立て続けに巨人の魔物を倒され、魔物達は恐れおののいた。


「どきなさい! 命が惜しければ道を開けて!」


 アスカは、カッと目を開き、魔物達に大きく喝を入れると、その目力と迫力に圧され魔物達は散り散りになって逃げ出した。


「みんな、逃げる者は追わなくていいわ。余計な抵抗を避けてこのまま突き進むわよ」

「はい!」

「うん!」

「分かった!」

「ウム!」


 アスカは、皆にすぐに指示を出し、皆も聞き入れ、進軍を再開した。


「見事じゃのう……」 


 ルドルフは、将としてのアスカの威厳、統率力、敵への勧告の手並み、策を賞賛した。

 その後は、魔物の抵抗もなくとうとう魔王の城までたどり着いた。


「開かん……」


 ライデンが魔王の城門を押してみたが、ビクともしなかった。


「ならば、斬り落としましょう」

「斬り落とすと言っても、とんでもなく硬いぞ? これは……」


 アスカがサラッと言ったのを聞いて、ライデンは、驚いて扉の硬度を想像しながら言った。

 実際にこの扉は、ダイヤモンドよりも硬い、闇の鉱石で出来ていた。


「はーっ……!!」


 アスカは、聖剣を構えて聖なる力を集中した。

 すると、アスカの聖なる力が聖剣に伝い、刀身が青色の神々しい光を放った。


「えぇいっ!!!」


 アスカは、気合いと共に聖剣を一閃し、扉が真っ二つに斬れた。


「やあああっ!!」


 更にアスカは、扉を連続で斬りつけ、野菜のぶつ切りのように斬り落とした。


「聖剣とはここまで凄いもんなのか……」


 ライデンは、驚嘆の表情で呟いた。


「素敵……」


 エリスは、アスカの姿を見て頬を赤く染め、ポーッとした様子で見とれた。


「行くわよ!」


 アスカは、キリッとした表情で皆に言い、門をくぐって中に入った。


「はい!」

「うん!」


 エリスとミツキも表情を引き締めて、アスカの後に続いた。


「強くなったな……王女様もエリスも……旅を始めたときとは別人だ……」

「ウム……ミツキも今や儂を超える魔法の使い手となっておる……」


 ライデンとルドルフは、たくましく成長した彼女達を頼もしく思い、彼女達の後を追った。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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