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28話 天使の試練

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 聖王女アスカ(28話)


「あれが……聖剣アローラ?」

「そうです……」


 どこからともなく声が響いた。


「誰?」

「私はエンジェル……聖母神アローラの召喚獣です」


 金色の長い髪と澄んだ青い瞳をした、大きな翼を持った天使が現れた。


「私は、魔王を倒すためにここまで来ました。どうか、聖剣をお授け下さい」

「確かに邪悪な者では無いようですね。地上の方ですか……ならばあなたの力を試さねばなりません。準備はよろしいですか?」

「はい!」

「では、参りますよ!」


 エンジェルは翼を広げ舞い上がった。

 そして、すぐに魔法の詠唱を始めた。


「みんな、足元から竜巻が起こるわ! 気を付けて!」

「うおっ!」

「きゃっ!」


 アスカとルドルフとミツキは魔法バリアを張って防いだ。

 たまが、ライデンとエリスは、吹き飛ばされた。

 すぐにエンジェルは、長剣を構えミツキに向かってきた。

 エンジェルは、あっという間にミツキに迫った。


(やられる……)


 ミツキが観念すると、キィンと金属音が響いた。

 ルドルフが前に出て、鋼の棍でエンジェルの斬撃を受け止めた。


「ぐわっ!」

「きゃっ!」


 エンジェルは、すぐさま回し蹴りを放った。

 ルドルフの脇腹をとらえ、ミツキまで吹き飛ばした。

 

「まずいわね……」

「全体回復魔法を使えるのですか……ならば、それを封じなければなりませんね」


 エンジェルは、サイレスの魔法を発動させた。

 アスカ、ルドルフ、ミツキに魔法封じが襲う。

 アスカは避けた。

 だが、ルドルフとミツキは、蹴り飛ばされて体勢が整っていなかった。


「ここは儂が盾になろう」

「お、おじいちゃん……」


 ルドルフは、ミツキの前に立って、魔法を封じられた。

 エンジェルは、ルドルフとミツキに、剣を構え猛スピードで迫った。


「行かせないわ!」


 エリスが矢を射った。

 エンジェルは、矢を避けたが、動きが止まった。


「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」

「ハッ!?」


 ライデンは、数メートル飛び上がった。

 その高さにエンジェルは驚きを隠せなかった。

 ライデンの大ジャンプからの飛び蹴りに対し、盾を構えた。


「ドンッ!!」


 とても重く鈍い音が響き、エンジェルは衝撃でよろけた。

 ライデンは盾を蹴って宙返りし、着地と同時に地面を蹴って殴りかかった。


「ハッ!」


 エンジェルは舞い上がり、ライデンの拳は空を切った。


「ちっ……」

「なるほど……ここまで来るだけの力は持っているようですね……ならばこれはどうでしょうか?」


 エンジェルは、空中で魔法を詠唱し始めた。

 エンジェルは目映い光に包まれ、青い光を放った。


「アスカ! 聖魔法を使うときのあなたみたいよ!」

「ええ……ならば、私も最強の聖魔法で勝負……!」


 アスカも、聖なる魔法の詠唱を始めた。

 目映い光に包まれ、エンジェルと同じく全身から青い光を放った。

 ミツキは魔法の盾を、エリスも弓を構えた。

 ライデンとルドルフも、身構えた。


(あの魔法は聖光波……私の魔法では対応できませんね……)

「エンジェルアロー!」


 エンジェルは、聖なる光の矢を作り出して打ち出した。


「はーっ!」


 アスカは、聖なる力を収束し一気に放った。

 聖光波は、エンジェルのエンジェルアローを瞬く間に飲み込みんだ。

 だが、既にエンジェルは身をかわしており、そこにはいなかった。


「えっ!?」


 アスカが驚いていると、エンジェルはアスカの側面に現れた。


「エンジェルアロー!」


 今度は、本当にエンジェルアローを唱えた。

 実は、先に使ったのはエンジェルアローに見せ掛けた氷の矢だった。

 無数の聖なる光の矢が、一斉にアスカに降り注いだ。


「させない!」


 ミツキがアスカの側面に飛び出し、魔法の盾で魔法バリアを作り出した。


「うぅぅ……」


 ミツキは、ありったけの魔力を込めて魔法バリアを作り出した。

 しかし、エンジェルアローの勢いが強い。


「えいっ!」


 エリスが、矢を射った。

 

「ムッ!」


 エンジェルは、エンジェルアローをエリスに向けた。

 エリスの矢は、エンジェルアローに当たり落ちた。

 更に、無数のエンジェルアローがエリスを襲った。


「くっ……!」


 エリスは、飛び退いてエンジェルアローを避けた。

 だが、エンジェルアローの勢いは止まらず、エリスを追撃した。

 エリスは、じょじょに追い詰められた。


「トリャー!」

「ほいさ!」


 ライデンとルドルフが、左右からエンジェルに向かって突進した。

 エンジェルは、再び舞い上がり、ライデンとルドルフの攻撃は空を切った。


「なるほど、チームワークも良いですね……」


 エンジェルは、どう連携を崩そうかと思案した。


「空を飛ばれちゃなかなか手が出せん……何か作戦を立てないと」

「そうね……翼をどうにかしなきゃね」

「雷を落として翼を攻撃するのはどうかな?」

「そうね、それが良いでしょう。ただ、あの早さだと普通にやったら避けられると思うの」

「ならば、ミツキとアスカ殿の二人がかりで唱えるとよい。エリスちゃんが矢を乱射して牽制し、儂とライデンが飛び上がって攻撃し、その隙をつくんじゃ」

「良い作戦だけど、ライデンとルドルフ様は危険じゃないかしら……?」

「心配いらん。大丈夫だ」

「よし、じゃあそれでいきましょう! みんな無理しないでね」

「はい!」


 アスカ、ミツキが魔法の詠唱を始めた。

 エリスが弓を、ライデンとルドルフも身構えた。


「何か作戦を立てたようですね……さて、私はどうやって迎え撃ちしましょうか……」


 エリスが矢を狙いをつけずに乱射した。

 広範囲に矢を射ったので、エンジェルは絶えず飛び回わらなくてはならなかった。


「オリャァァァッー!」


 ライデンが、エンジェルに向かって飛び上がり、斧を振り下ろした。

 エンジェルは空中で方向転換し、ライデンの攻撃を避けた。


「ほいやーっ!」


 時間差で、ルドルフが飛び上がり、エンジェルに鋼の根を振り下ろした。

 エンジェルはまた空中で方向転換し、ルドルフの攻撃を避けた。

 更にエリスが矢を乱射し、エンジェルの動きを止めた。


「サンダーボルト!」


 アスカがサンダーボルトの魔法で、雷をエンジェルに向けて落とした。


「くっ!」


 エンジェルは、無理な体勢から強引に方向転換し、かろうじて雷を避けた。


「サンダーストーム!」


 先程のサンダーボルトよりも、太く強力な稲妻が、渦を巻きながら一直線にエンジェルに落下した。


「きゃーっ!!!!」


 サンダーストームの稲妻は、エンジェルの右の翼に直撃した。

 エンジェルは墜落し、地面に激突する寸前で体勢を立て直した。


「ウオリャーッ!」

「そりゃあっ!」

 

 すかさず、ライデンとルドルフが接近した。

 まず、ルドルフが、渾身の力を込めて鋼の棍を振り下ろした。


「くっ……」


 エンジェルは、とっさに盾でルドルフの攻撃を受けた。

 だが、衝撃で腕が痺れた。


「ドリャアッ!!」


 更にライデンが渾身の力を込め、グレートアクスを振り下ろした。


「あっ!」


 エンジェルは、とっさに剣で受け止めようとしたが、斧で剣を払われた。

 そしてライデンは、ピタッとエンジェルの頭上で斧を止めた。


「参りました」


 エンジェルは、潔く降参した。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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