22話 再会
読者の皆様、作者の大森林聡史です。
この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。
よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。
宜しくお願い致します。
聖王女アスカ(22話)
「本当にライデン……なの?」
「心配かけて悪かったな……」
「ラ、ライデン……ライデンッ!」
アスカはみるみるうちに涙が溢れだし、ライデンに抱き付いた。
「王女様……! おわっ!」
エリスもミツキも、涙を浮かべ抱き付いた。
ライデンは、3人をしっかりと抱き止めた。
「生きて……生きてたのね……! ほんとに良かった……!」
アスカは、涙が溢れだし止まらなかった。
「ああ……」
「でも……とうやって助かったの? あの状況じゃさすがのライデンでも助かるとは思えないけど……」
「俺もダメだと思ったさ。その後の事は、よく覚えてないんだが、ルドルフ殿が助けてくれたらしい」
「おじいちゃんが!」
「ああ、気がついたらサマーサのベッドの上でな、ルドルフ殿が治療してくれたらしい」
「じゃあ、教えてくれたら良いのに……」
「すまん、俺が口止めしたんだ」
「えっ!? どうして!?」
「一つは、俺が戦線復帰できるか分からなかった事と、もう一つは、王女様達の成長を促す事だ。仲間の死はやはり重い。だが、戦闘で死人が出るのは当然だ。どうしても乗り越えてもらわなければならない事だった」
「そうね……」
アスカは、ライデンが死んだと思った時の事を思い出した。
「だが、見事に乗り越えたようだな」
「ええ」
「幸い、戦線復帰することができた。これからもよろしく頼む」
「こちらこそ! ライデンがいてくれると頼もしいわ!」
アスカは、両手でライデンの手をギュッと握った。
「良かった……」
「良かったね……アスカ」
「ふわぁ……終わったかの?」
「あっ! おじいちゃん……うん、かなり危なかったけどなんとか勝ったよ」
「そうかそうか……おや? ライデンではないか? お主治ったのかの?」
「ああ、お陰様でな。それによく使い魔を使わしてくれた。おかげでギリギリのところで救援が間に合ったよ」
「はぁい」
半透明のゴーストが姿を現した。
「うむ……儂が戦闘に参加できぬのでな、相手が海軍の大将な以上、海で戦うのは不利だと思い、集められるだけの戦力を集めようと思ったわけじゃ」
「ありがとうございます、おかげで命拾いしましたわ。これで2回目ですね」
「うむ、お礼に……ちゅ……」
ミツキが、鋭い目でギロっと睨み付けた。
「いや、タラの港町に戻ろうかの、王に報告もせにゃならんし」
ルドルフの飛翔の魔法でアスカ達は、タラの港町に飛んだ。
そして、すぐにウィンダム王に謁見した。
「これはアスカ姫、よく無事に戻られた! して、クラーケンとは戦われたのかな?」
「はい。クラーケンを倒しました」
「なんと! あのクラーケンを……女性ながら見事だ! 我が民も救われよう。ウィンダム王として心よりお礼申し上げますぞ」
「いえ、私も王族として見過ごせぬ事態でしたので、少しでもお力になれたのならば光栄ですわ。 ところで、ウィンダム王にお聞きしたい事がございます」
「おや? なんであろうか?」
「オーブという宝玉を知りませんか?」
「オーブとな?……確か我が国の宝物庫にあった気がするな……宝物庫の鍵を渡すゆえ持っていかれよ。他の宝も持って行かれるがよい」
「よろしいのですか?」
「うむ、そなたはやはり世界の救世主のようだ。ならば、協力は惜しまぬよ」
「ありがとうございます!」
「そなた達は、我らの恩人だ。気を付けて参られよ」
翌朝……
「さて、ウィンダムに参ろうかの」
「はい」
「おお、そうじゃ! ミツキ、お前が飛翔の魔法を使い、儂らを送っておくれ」
「わ、私が!?」
「うむ、飛翔の魔法の使い手は多い方が良い。魔力の消耗は激しいが、今のお前なら使えるじゃろう……アスカ殿も使ってみてはどうかな?」
「わ、私もですか!? で、出来るかしら……?」
「出来ると思うから、言ったのじゃ。後で聞いたところによると、クラーケンには全滅寸前まで追い詰められたと聞く。じゃが、飛翔の魔法を使えれば避けられたのではないかな?」
「た、確かにそうですね……」
「アスカ、やってみよう? 私も初めてだけど頑張るから」
「そうね……やってみましょう!」
「案ずるな、儂も手伝うからの。 して、使い方じゃがの、魔法を唱える時に、魔力を一点に集中するじゃろう? それを体全体から放出するんじゃよ」
「こうかな?」
ミツキは、あっという間に全身から魔力を放出する事ができ、少しだけ浮いている。
「ほぉ~、大したもんじゃの……」
「次はアスカ殿じゃよ」
「は、はい! ムムム……」
何故か、お尻が魔力に包まれ、神々しい光を放った。
「ア、アスカ様……」
(わ、笑っちゃダメよね……)
「な、なぜ尻が光るんかのう……?」
「え……!? お尻が光ってるんですか!? やだっ!」
「フ、フフ……ハハハハハッ!」
「ラ、ライデン! 笑わないでよ!」
「す、すまんすまん」
「ま、まぁ……焦ることはないのう……少しずつ練習すればよい」
「は、はい……」
「それじゃ、行こうかの。ミツキ、儂がサポートする。さっきの要領でやってみい」
「うん……じゃ、やってみるね……」
ミツキの飛翔の魔法で、アスカ達はウィンダムへと飛んだ。
「ふぅ……」
「ミツキ、大丈夫?」
「うん……結構消耗激しいよ……」
「そうなんだ……」
「初めは仕方ないぞよ、慣れると魔力の負担も小さくて済むようになるぞい」
「うん!」
「私も頑張ります!」
「ホッホッ……その意気じゃよ」
アスカ達は、ウィンダムの城下町に入った。
呪いの寒気が解けた事で、町に生気が戻っていた。
幸い、氷付けになっていた人達も、全員が無事だった。
アスカ達は、城の宝物庫に向かった。
宝物庫には、王の言う通りホワイトオーブがあった。
その他、海竜の鱗を使用し、熱や寒さに強く、強固な防御力を誇る海竜の盾。
重いが、破壊力抜群のグレートアクス。
水の精霊の加護を受け、こちらも熱や寒さに強く、物理攻撃を受け流す、水精のドレスがあった。
「盾はエリスが。斧はライデン、ドレスは私が使いましょう」
「はい」
「分かった」
エリスが今まで使っていた鋼の盾は、ルドルフが使うことになった。
アスカは、銀の胸当ての下に水精のドレスを着た。
「これがホワイトオーブね……」
アスカがホワイトオーブを手に取ると、ホワイトオーブが強い光を放った。
道具袋も光っていて、中の他のオーブも強い光を放っていた。
オーブを外に持っていくと、ある方角を光が指した。
「これは……?」
「うむ……オーブの共鳴じゃろうな、光の先に神の鳥がおるのかも知れぬ」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。




