表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/55

20話 絶体絶命!? 魔王軍海軍団長クラーケン

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 聖王女アスカ(20話)


 タラの港町を出港して数日が経った。

 敵影も無く、かえってそれが不気味だった。


「そろそろいつ戦闘になってもおかしくないはずよ、みんな戦闘態勢をとっていてね」

「アスカ殿、儂は、いつでも魔法を発動できるように詠唱しておく。それから前に言った通り、これを使うと儂はその後戦えぬ。すまぬが戦闘は任せたぞよ」

「はい」


 ルドルフは、瞑想に入った。

 更に西に船を進めると、海の魔物達が一斉に海から現れた。

 周囲を見渡す限り魔物で埋め尽くされ、その数は数千にものぼった。


「な、なんて数なの……」

「怯んじゃダメよ! 私達で全滅させるんだから!」


 アスカは、仲間を鼓舞し、サンダーボルトの魔法を発動させた。

 一筋の稲妻が、一気に海面を走り、次々と魔物の死体が浮いた。


「さぁ、もっと来なさい! このくらいじゃ私達に傷1つつけられないわよ!」


 エリスは弓矢を乱射し、ミツキもサンダーボルトの魔法を発動させた。

 次々と、魔物の死体が浮いていく。

 だが、魔物達は続々と現れ、倒しても倒しても止まなかった。

 アスカ達は、休む間もなく戦い続け、やがて魔物の増援が止んだ。

 その頃、ルドルフは、全身が銀色のオーラに包まれていた。

 更に、バチバチと放電現象が起こっていた。


「さて、そろそろかの……天かける流星よ、集いて我が敵を打ち払え! メテオ!」


 空に無数の隕石が集まり、キラッと光った。

 無数の隕石は、豪雨のように魔物達を襲った。

 次々と魔物の死体が、浮いた。

 隕石群が収まったときには、襲ってくる魔物はいなくなった。


「では……アスカ……殿……わ……しは……寝るから……の……」

「はい! ゆっくりお休みください」

(おじいちゃん、お疲れ様)

「ほぅ……まさかメテオの使い手がおったとはな……我が配下を全滅させた事、誉めてやるぞ……」


 辺りが霧に包まれ、どこからともなく不気味な声が響いた。


「あなたがクラーケンね!」

「いかにも……」

「ウィンダムの人々を苦しめた事、許せない! 覚悟なさい!」

「覚悟するのはお前達の方だ……早速だが氷付けになるがいい……」

 

 霧の中から、冷気が染み出してきた。

 これが呪術、呪いの寒気だ。

 寒気が広がり、海が凍り付いていく……


「こんなもの!」


 アスカは、聖なる光をレイピアに集め一閃した。

 聖なる光の刃が呪術を立ち切った。


「ほぅ……我が呪術を打ち破るとは……お前がアスカだな?」

「そうよ!」

「ならば、儂にとってもタイタンとガルーダの仇だ! その命貰うぞ!」

「アスカ様に手出しはさせないわ!」

「やれるもんならやってみなさい!」

「ふん! 小娘どもが! 思い知らせてくれる!」


 霧の中からクラーケンが姿を現した。

 その姿はタイタンよりも大きかった。

 巨大なフード付きのローブに身を包み、フードの奥から二つの目が赤く光っていた。


「くらえ! アイシクルフェザー!」

 

 クラーケンの目が一段と真っ赤に輝いた。

 すると周囲の海水が巻き上がり、凍り付いて、鋭い氷の針が、アスカ達に降り注いだ。


「ミツキ! 魔法の盾を!」

「うん!」


 ミツキが、魔法の盾の円形のバリアを作り出し、氷の針を弾いた。

 エリスが矢を射ち、アスカもサンダーボルトを唱えた。

 クラーケンは、霧に包まれ姿を消した。

 矢と稲妻は霧の中に吸い込まれた。

 その後すぐにクラーケンは、霧の中から現れた。


「アイシクルフェザーを防ぐとはやるではないか……ならばこれはどうかな?」


 クラーケンは、猛烈な吹雪を吐き出した。

 再び、ミツキが魔法の盾でバリアを張った。

 ミツキは、汗が吹き出した。

 じょじょにバリアが弱まっていった。


「このままでは、ミツキが力尽きてしまうわ! エリス、反撃するわよ!」

「はい!」


 アスカは、再びサンダーボルトを唱えた。

 1度効果の無かった魔法だったが、他の魔法では吹雪の前にかきけされてしまうが、サンダーボルトなら上空から雷を落とすために吹雪を避けて攻撃できた。


「ちっ……!」


 クラーケンは、再び霧の中に消えた。

 サンダーボルトの稲妻は、再び霧の中に消えてしまったが、同時に吹雪も止んだ。

 凍りついた海がどこまでも広がっていた。


「はぁっ……はぁっ……!」


 ミツキは、魔法の盾のバリアをといた。

 霧の中から再びクラーケンが現れた。


「そこよっ!」 


 エリスが狙いすまし、矢を射った。


「ぐおっ!」


 矢は、クラーケンの胴体に刺さった。


「ぐっ!」


 クラーケンは、矢を引き抜いた。


「今よ! 攻撃するわ!」


 アスカは、魔法で真空波を作り出した。

 エリスは矢を連射した。

 ミツキも、高圧火球を打ち出した。


「ぬぅ!」


 クラーケンは、急いで、霧の中に消えた。

 攻撃は、全て霧の中に消えてしまった。


「くっ! また……!」

「ア、アスカ……」

「なに?」

「あれは……魔法じゃない……たぶん呪術……あなたの聖魔法なら……たぶん破れる……」

「分かったわ! エリス、私が詠唱する間、アイツの注意を惹き付けて」

「はい!」

「この小娘どもが!」


 クラーケンは、吹雪を吐き出そうと大きく息を吸い込んだ。


「させないわ!」


 エリスが、矢を射った。


「ええい!」


 クラーケンは、霧の中に消えた。


「そこよ!」

「ちっ!」


 エリスは、矢を射ったあとすぐに次の矢を構えた。

 そして、霧の中からクラーケンが現れた瞬間を狙って、矢を射った。

 矢は当たらないが、クラーケンも姿を現せなかった。

 時間を稼いでいる間に、ミツキは、魔力の実を食べて魔力を回復させた。


(よし! いつでもいけるわ!)


 アスカは、青いオーラを放っていた。


「聖なる炎よ、我が敵を焼き尽くせ! セイントファイア!」


 クラーケンは、霧に消えた。

 その瞬間、聖なる炎が、霧を包み込んだ。


「グオオオオッ!!」


 呪術を封じ、聖なる炎がクラーケンを包んだ。

 たまらず海に潜り、呪術を全力で使い、ようやく炎が消えた。


「おのれ……」


 目の前に巨大なイカの化け物が現れた。

 クラーケンの正体だった。


「よし! 総攻撃をかけるわ!」

「儂をなめるなぁっ!! 小娘っ!」


 クラーケンは、巨体を揺らし、大津波を起こした。


「えっ!?」

「そんな……!?」

「う、うそでしょ!?」


 船が波で大きく揺れた。


「くっ……! みんな何かに掴まって! 海に落ちちゃダメよ!」

「はい……!」

「きゃあっ!」


 船になんとかしがみつき、海に落ちずにすんだ。

 

「きゃーっ!」


 3人とも、胴体に巨大な触手が巻き付いた。

 クラーケンの狙いは、大津波で船を揺らし、動きを封じて触手で捕らえる事だった。


「フ、フフフ……捕まえたぞ……一人ずつ、なぶり殺しにしてくれる!」


 触手は、アスカ達の胴体と同じくらいの太さがあり、アスカ達を強く締め付けた。


「うぅっ……!」


 ガギギギキギ……!!

 骨が軋む音がする……


「まずはお前だ……」

「ゴ、ゴボボ……」


 ミツキは水中に沈められた。 

 海中は氷点下。

 海水が、肌に突き刺さる感覚。

 だが、じょじょにそれも感じなくなった。


(こ……このままじゃ……溺死させられてしまう……)


 だが、動けない。

 魔法の詠唱も出来ない。


(い……意識が……と……遠く……なって……きた……)


 溺死が目前に迫る。

 ミツキは急に引き上げられた。


「はぁ……はぁ……」


 顔面蒼白。

 唇の色は無い。

 小刻みに体が震えていた。


「フフフ……すぐには殺さんぞ……たっぷりとお礼をせんとな……」

「…………」


 ミツキは、答えることが出来なかった。


「い、いや……」


 いたぶられる様子を見ていた、アスカとエリスは、怯えた。


「次はお前だ……」


 クラーケンは、エリスを睨みつけ、口を大きく開けた。

 タコやイカのカラストンビと言われる、歯が目の前に迫った。

 人の体など簡単にねじ切れそうなほど、巨大で鋭かった。


(わ、私を食べる気……!?)


 エリスは、自分がねじ切られてしまうところを想像し、恐怖で震え上がった。


「きゃあああっ!!」


 エリスは、猛烈な吹雪を浴びた。

 みるみるうちに体が凍り付いた。

 体温の低下が止まらない。

 意識が無くなるのに、時間はいらなかった。

 やがて、吹雪が収まった。

 凍りついたエリス。

 ぐったりしていた。


「ほぅ……まだ息がある……そうでなくてはな……」

「も……もう止めて……あなたの狙いは私でしょ……? 私を……やりなさい……」

「言われなくても、最後はお前だ……」

「く……」


 アスカは、更に締め付けられた。

 バチンッ! 

 アスカは、触手で叩かれた。


「きゃっ!」


 バチンッ! バチンバチンバチンバチンッ!!

 アスカは、触手で何度も叩かれた。

 全身が腫れ上がった。

 痛みで涙がこぼれ落ちた。


「きゃあああっ!!」


 バチバチバチバチバチッ!!


 更にアスカを滅多打ちにした。


「う……ぅぅ……」


 全身、ズタボロ……

 感覚は、もう無い……


「さて、そろそろ殺すか……」

「あぅっ!」


 アスカは、首を触手で絞められた!

 

「ぁぁぁ……ぅぅ……」


 じわじわと力がこもる……

 両手で振りほどこうとするが、振りほどけない……

 そもそも、手に力が入らない……

 

(だ……め……こ、殺さ……れる……)

 

 迫る死。

 込み上げる悔しさ無念さ。

 一筋の涙が、頬を伝った……


「お、お……じ……いちゃ……ん……た……たすけて……」


 ルドルフは、全く起きる気配がない。


「そろそろ死ぬかな?」

「や、止めて……」


 ギュウッ!


 アスカは、さらに首を強く絞められた。

 仲間達にはどうすることもできない……

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ