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13話 オーランドの戦い

読者の皆様、作者の大森林聡史です。

この度は、この小説を気にかけていただきありがとうございます。

よろしければ、内容もお読みいただけると幸いです。

宜しくお願い致します。

 聖王女アスカ(13話)


「サマーサを出る前に隊列の変更をします。前にエリス」

「はい」

「その後ろにミツキ」

「うん」

「最後尾が私です。なぜこの順番なのかは、まず前線を支えるのはエリスが一番適任だと思うの」

「はい」

「私もそう思う」

「それで、真ん中がミツキなのは、接近戦を避けるためです」

「うん」

「最後尾が私なのは、後方の守りと、後ろから戦況を見極めるためよ」

「私もそれが良いと思います」

「私も」

「戦いが始まったら、エリスは攻撃より敵の進軍を防ぐことを考えて。ミツキはエリスが防いでる敵を魔法で攻撃して。ピンチの時は回復も考えて。私はレイピアと魔法を使い分けて応戦します。前線に出ることもあるから、その時はミツキは後方に気を付けて」

「分かりました」

「うん」

「それじゃ行きましょう。ライデンがいなくて戦力ダウンを感じる事もあるでしょう。だからこそ3人で協力しましょう!」

「はい!」

「うん!」


 アスカ達は、サマーサを出て真っ直ぐ北上し、サマーサの港に到着した。

 来たばかりの時は、2時間ほどかかり、体力も底をついたが、今回は1時間強でたどり着き、体力もまだ余力が残っていた。

 砂漠を歩き回った事と、ピラミッドでの戦闘でアスカ達は、砂漠に慣れ、体力がついていたのだ。

 港で定期船に乗り、北西に向けて出港した。


 一方その頃……


「いでよ! 魔軍三将!」


 魔王の声が響いた。


「はっ! 魔王軍空軍団長ガルーダ参りました!」

「ははっ! 魔王軍海軍団長クラーケン見参!」

「タイタンは……?」


 ガルーダがタイタンを探した。


「そのタイタンだが……プリンティア王女アスカとやらに倒された」

「なんと!? タイタンが……しかも女に!?」


 クラーケンが驚いた。


「うむ、女ながら侮れぬ奴よ、だが、タイタンは奴の仲間の一人を道連れにした。戦力は落ちておる。その後、おそらくオーランドかウィンダムに向かうだろう……その時はお前たちの出番だ」

「ははっ!」

「はっ!」

「タイタンを倒すほどの奴だ……決して侮るでないぞ……」


 魔王はそう言い残し、闇に消えた。


「タイタンがやられるとはな……」

「うむ……あの怪力と体力を誇るタイタンを倒すとは……恐ろしい女だ」

「オーランドかウィンダムのどちらかに現れると言っていたな……抜かるなよ」

「貴殿もな」


 ガルーダとクラーケンも闇に消えた。

 

「ライデン……私達は行きます……どうか見守っていて……」


 アスカは、船の上で次第に見えなくなるサマーサを見ながら呟いた。

 サマーサの港を出て、約半日、オーランドの港に到着した。

 アスカ達は、その日は港の宿に泊まり、翌朝早く出発した。

 オーランド大陸……この大陸にはオーランド火山があり、ここ百年程、噴火したことがないが、火山の土はミネラルが豊富で大地が肥えており、様々な作物が良く育ち、紅葉樹が咲き誇る美しい大陸だった。

 ルドルフの話では、そのオーランド火山にオーブがあるという。

 この大陸に来て早々、魔物の襲撃を受けた。

 空から巨大なカラス、巨大なコウモリ、巨大なトンボ、巨大な蛾、殺人バチの化け物など、そのほとんどが空中から襲ってくる魔物ばかりで、エリスが攻撃を防ぎ、ミツキとアスカの風魔法で撃退した。


「敵が多いわね……」

「はい……」

「この国が魔物の侵略を受けてるからかな……」


 アスカ達は、敵を退けながら進んでいくと、遠くに煙が見えた。


「あの煙……なんなのかしら?」

「空に何かいますね……」

「魔物よ!」


 ミツキが叫んだ。

 彼女は千里眼の魔法で遠くの物も見えるのだ。


「町が襲われてるわ……魔物がいっぱいいる!」

「分かったわ! 行きましょう!」

「はい!」


 アスカ達は、煙の方角に向けて走り出した。

 町が近づくにつれて、ハッキリと状況が分かるようになってきた。

 大量の魔物が空にいて、町に攻撃を仕掛けていたのだ。


「一旦、止まりましょう」

「はい」


 町から少し離れた森にアスカ達は隠れた。


「今から町に向かって行きます。幸い魔物はこちらに気付いてないようだわ」

「うん」

「ミツキ、町の入口は開いてる?」

「うん、開いてるよ」


 ミツキは、千里眼の魔法で町の入口を見た。空軍なので門を閉めても空からやってくるのだ。


「町の様子も見て」

「うん……至るところで魔物と兵士が戦ってるわ、奥にお城がある」

「戦況は?」

「少し魔物の方が押してるかな……」

「分かったわ、じゃあ加勢しに行きましょう」

「はい!」

「敵が多い上に、空から来るわ。囲まれたら全滅しちゃうから一気に突破して兵士達と合流して一緒に戦いましょう」

「はい!」

「うん!」

「この場合、スピードがカギになるわ。私が先頭で、次がミツキ、エリスが後ろを守って」

「分かりました」

「みんな、まずは敵を倒すことより、突破して兵士達と合流することを考えて。だから足を止めれたら充分よ。倒すのは、突破して兵士達と合流してからで良いわ」

「うん、分かった!」

「よし。 じゃあ……行くわよ……準備は良い?」

「はい」

「うん」

「行くわよ!」


 アスカの号令で、一気に飛び出した。

 アスカの指示通り、アスカ、ミツキ、エリスの順で走っていく。


「アスカ様! 速いです! 待ってください!」


 アスカは、3人の中では最も素早く、疾風のように走っていく。

 あまりに速いため、後ろのミツキとエリスは追い付けなかった。


「あっ! ごめんなさい……」


 アスカは、慌てて立ち止まり、走りながら詠唱していた風魔法を空の魔物の群れに向かって唱えた。

 アスカは、強風を巻き起こし、空の魔物の群れを吹き飛ばした。

 その間にミツキとエリスが追い付いた。

 町の入口は目前に迫っていた。


「このまま、一気に町の中に入りましょう!」

「はい!」

「うん!」


 再び、アスカ達は走った。

 アスカは、あっという間に町の入口の門を駆け抜けた。

 すると、そこは至るところで戦闘になっていた。


「みなさん! 加勢に来ました! 頑張って!」


 アスカが大きな声で呼び掛け、兵士達から歓声が上がった。

 アスカは、そのままレイピアを構えて近くの魔物を突きの連続で倒した。


「強い!」


 兵士が感嘆の声をあげた。

 アスカは休む間もなく、風の魔法で真空波を作り出し、魔物を真っ二つに切り裂いた。

 更に、近づいてきた魔物の攻撃を避け、レイピアで脳天を突き刺して倒した。

 瞬く間にアスカが3体の魔物を倒したのを見て、兵士達は士気が上がり、魔物達を押し返し始めた。

 その頃、ミツキとエリスは……


「ミツキ! 伏せて!」


 ミツキはエリスの声で、サッと伏せて、急降下してきた魔物の爪は空を切った。


「たーっ!」


 魔物が体勢を立て直そうとしたところを、エリスが剣で魔物を真っ二つに斬り落とした。


「ミツキ! 走って!」


 エリスの声でミツキは再び走り出し、門をくぐり抜けた。


「アスカ!」


 ミツキは、アスカが魔物3体を同時に相手をして、互角に渡り合っているのを見て、走りながら詠唱していた風魔法を唱え、両手から真空波を2つ繰り出して、2体の魔物を真っ二つに切り裂いた。


「ミツキ!」


 アスカは、ミツキが敵を倒したのを見て、反撃に転じ魔物をレイピアで素早く滅多斬りにして倒した。

 その後すぐにエリスも合流した。


「よし、なんとか町中にたどり着いたわね、ここからは兵士に加勢しながら、少しずつ城に近づきましょう」

「はい!」

「うん!」


 アスカ達は、近くの兵士に加勢し、3人がかりであっという間に魔物を倒した。


「かたじけない」

「動けるのなら、他の兵士の加勢をお願いします!」

「承知した!」


 アスカ達は、片っ端から兵士に加勢し、魔物を倒し動ける兵士を加勢に向かわせ、戦況が有利になりつつあった。

 アスカ達は、城の前にたどり着いた。


「私は、オーランド兵士長です、ご助力感謝致します。貴公らはいったい……」

「私はアスカ。詳しいことは後で話します。今は敵の撃退を優先したいと思います」

「分かりました」


 兵士長は、兵士達を指揮し陣形を整え、攻勢に転じた。


「みなさん! 私の方を見ないで! 目を瞑って下さい!」


 アスカが叫ぶと、レイピアに聖なる光が集まり、目映く強い光を放った。

 まるで、太陽が二つになったかのように辺り一面フラッシュし、全ての敵の目が眩んだ。


「今です! 一気に攻撃を!」


 兵士達は、目が眩んで戸惑っている魔物達を、一斉に攻撃し次々と倒した。

 エリスも後方から矢継ぎ早に弓矢を射って次々も魔物を射ち落とし、ミツキも無数の真空波で無数の敵を切り裂いた。


「ぬっ! あの娘どもは……そうか、奴がプリンティアの王女か……」


 翼を広げると全長6メートルはあろうかという、巨大な魔物がいまいましそうに呟いた。

 やや優勢だった戦況をひっくり返され、その目は鋭く怒りに燃えていた。

 魔物は一気に急降下し、アスカの目の前に現れた。


「お前が、プリンティア王女アスカだな……?」

「そうよ! あなたは!?」

「私は、魔王軍空軍団長ガルーダだ。この度の戦い振り見事だ……だが、お前の命は必ずこのガルーダがいただくぞ!」


 ガルーダは、鋭い目付きで睨み付けた。


「取れるものなら取ってみなさい!」

「アスカ様に手出しはさせないわ!」

「返り討ちにしてあげるわ!」


 アスカ達も、ガルーダに負けず劣らず、鋭い目付きで睨み返した。


「威勢の良い小娘どもだ。 今回はこれで退くが、次はこのようにはいかぬぞ! また会おう!」


 ガルーダは、部下に撤退の合図を送り、物凄いスピードで飛び去った。


「な、なんてスピードなの……」


 素早いアスカも、ガルーダの素早さに驚愕した。

 兵士達の歓声がドッと上がった。


「アスカ殿、貴公らのおかげでこの度の戦、勝利する事が出来ました。心よりお礼申し上げます」


 オーランド兵士長が、アスカに深々と頭を下げた。


「お顔を上げて下さい。当然の事をしたまでですわ」


 アスカは、美しい笑顔を見せて答えた。


「してアスカ殿、貴公はどちら様でございますか?」

「私は、プリンティアの王女アスカです」

「プリンティアの王女様でございましたか! これは失礼を致しました! アスカ殿……いえ、アスカ様。 こたびのご助力、心より感謝致します。部屋を用意致しますので、どうかお休みになってください」

「ありがとう、そうさせてもらいます」

「オーランド王にアスカ様のご助力があったことご報告致します。おそらく後程、謁見していただく事になると思います」

「分かりました」


 アスカ達は、オーランドの戦に加勢し、勝利に導いた。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

長い文章に、お付き合いいただき、心より感謝申し上げます。

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