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学問と道理ー2.調査

先行公開との変更点

・オルシエードの口調を先行公開最新版の物と統一。

・8rd1-1と3rd1-1を合併。

・一部加筆。

オルシエード

1

示談の次は実地調査.普通の人のふりをして,街の人を見てみる.

ちょうど市場がやっていたので,

「ここらへん,最近食材の価格が高騰しているんですよ」

の実態を見てみようと市場に向かった.


軒並み終わっていた.まだ位露(16)の刻にも関わらず.

一応閉店作業をしていた人に聞いてみると,

「今日はね,本当に品物がなくて.あっという間に売り切れちゃったよ」

「えーっ,何時ぐらいに…?」

「屁ぐらいかな,のんびりしていたらこんなんになっちゃって.」

「で,こんな時間になる?」

「ほらあれだよ,ぽんぽんの実.閉店作業は後でもできるやって先にセンター行ってたらこんな時間になっちゃって…」

「…あー,」

ぽんぽんの実ってなんだろう?以前の調査のときにはなかったよなあ.

向かい側の店は唯一まだやっていた食料関係なので,値段を見てみた.

うん,高い.たしかに高い.

特に野菜が一番高いかな,一般的には野菜は戸露明刻(44(価格))程度でやり取りされるけど,今では露露戸明刻(84(価格))と,それは露(2)倍以上.どんだけ高いんだ.

こんなんだったら当然…と思ったら今起こったわ。

「ひったくりーーーーー!!ここを今ひったくっていきましたーー!!」

そう言い残し,追いかけ始めるが,当然あちらの方にハンデがあるのでこちらが追いつくのは難しい.

更にあちらのほうが走るのが速いというおまけつき.

「おい,とまれ!!金払わないと裁判ゆきだぞ!」

「…」無言で相手が走り続ける.

手には先程の店の品物.当然運動神経はあちらのほうが良いのだろう.

更に路地へと入り,混乱させてくる.

「…ほらよ」突然,ひったくり犯は品物を手放した.

恐らく路地に仕方なく住んでいる子達に食べさせてあげたいのだろう,だが商売は商売,金を払ってもらわないと困る.

が,相手も私も疲れてきたのだろう,間が変わんなくなる.

「捕まえましたーー!!」

「ありがとうございますーー!!」

最終的には別の人が捕まえてくれた.

「ひったくりがいますーー!!」

ならそれでいい……?

え、またひったくり?まじで?

幸いそのひったくり犯はこっちの方に入ろうとしたからそれをギリで捉え、「捕まえましたーー!!」

だけれども,ひったくり多くね?いや分かってたことだけど?大丈夫かこの街.


2

ひったくりとはまた別の路地に入り.

別の調査員と接触するために裏で待ち合わせをしていた.

「遅いですよオルシエードさん,」

「ごめんごめん、ひったくりがいたもんで」

「じゃあ仕方ないですね…ホントひったくり増えたよなあ…」

それはそう.ここまでひったくりが多いのは初めてだ.

「何でこんなにひったくりが多いのか知ってる?」

「うーん,やっぱりひったくりが盗むものは野菜が多いので,金が高い食料が欲しいんでしょうね.戦争の弊害ですよ」

「だよね…」

「と,いう理由でも今更戦争をやめることなんてできませんもんね…」

しばし考えた後,先に口を開いたのはドッサータスザンの方だった.

「やはり他のところから食物を持ってくるしかないんですかね?」

「でもそうなると魔力を大量消費するだろう?」

「オルシエードさんは考えが古いんですよ.今では魔力を余り使わない輸送方法もありますからね」

「試験段階だけど、ね」

「それはそうですけど!」当然,ドッサータスザンの方は口をつむんだ.そりゃあ,この問題にすぐに答えは出せない.

軍の侵攻.その結果による食料の高騰.まさに負のスパイラル.

結果,住民は苦しめられる.

軍の撃退により重心をかけると,より食糧問題は深刻になるだろう.

追い返すことはできるものの,蒙古襲来みたいにより傷を負うかもしれない.

逆に食糧問題に重点を置くと軍がさらに攻めてくる.カミランドが取られる.まさにトレードオフ.正解のない問い.

「…そういえば,ひったくりってどんな年代の子がするのか分かる?」

「ああ,生産年齢が多いみたいですね.子供は少ないみたいです」

ただ,さっき見たのは子供に渡す姿.

もしや,子供が大人を利用している?

「一度裁判をしたほうが良さそうかな」

「ええ,いきなり家亜理背者を刑に掛けるんですか!?」

「ドッサータスザン,何も刑に掛ける相手は家亜理背者だけじゃないよ.子供の可能性だってある」

「ということは,子供を裁判に…?」

「そういうことになるね」


「子供を刑にかけるとするならば、刑は大人よりも抑えたいですね」

「なぜ?」

「考えが足りないところもあるでしょうし」

「なるほどね…」

子供のため、とかそういうことを考えるとそれが一番なんだろうけど、年代層によって対応を変えてしまったらそれはそれで罪が大きい世代からバッシング食らう可能性があるよね。どうしたらいいんだろう…

コンバイント

3

「調査の結果を報告させていただきます」

嫌な予感しかしない.これで「街を潰します」とか言われたらどうする?私終わるよ?

身構えながら,-彼は口を開いた.

「まずですが…これが一番深刻でしょう,子どもたちが刑に服す可能性があります」

「えぇ!」

「やはり.今回,市場でのひったくりを発見しました.そのひったくりの実行犯らは多くがどうしても、って人だったのですが,そこで終わりではなく,実行犯は子供にそのひったくったものを渡していたんです」

「因みにその子供って…?」

「恐らく,ホームレスでしょうね」

「やっぱり」

「やっぱり,ということはなにか感づいていたんでしょうか,よろしければ教えていただけますか?」

「非常にタイムリーな話,今日ココらへんの家亜理背者で会合があったんです…」

私は失業者が増えていることと,システム構成の件を一部を隠蔽しながら話した.特にシステム構成の件は,まだ一般公開してないからね.

「うーん,そうすれば失業者が減って賄えるかも知れませんが…こんな情勢で子供をわざわざ拾う人なんているんでしょうか?」

はっ!目先のことを忘れていた!

「えーーーーっと,孤児院とかどうでしょう?」


「…うーん,子どもたちのためになればそれでも良いかも知れませんね.子どもたちのためになれば,ですが」

「その施設で子どもたちがダメージを負ってしまう,と.」

「察しが良いですね,というより,それだと過保護になっちゃって子どもたちにとっても悪影響ですよね」

「となれば教育ですかね」

「やっぱシステムに加えるか…」

「にしても,誰が講義するんですか.人を雇うとお金がかかるし,人が必要じゃないですか」

「人?あ.そこで失業した人を使えば?」

「失業した人のためのシステムじゃないんですか?」

「そうじゃん!じゃあ使えないや!じゃあもう我々がやるしかないんですかね?」

「そうなりますね…」

…仕事増量宣言.

「あー,あとはスカウトするという手もありますけど,」

「それはそうと,なんか招待されてません?」

「え?あ,ホントだ.ごめんなさい,ちょっと抜けますね」

相手が相手だから,どうしてもこちらを優先しないといけない.仕方なく入室する.

「こんばんは~,セリスさ」「こんばんは,じゃねえよ!例の文できたか?」

厄介な相手だよなあ…こいつって.

「あれ,私送信しましたよ?*市恩市津見(転送先)ました?」

「もちろん見たが」

…あ,もしかして.

「その*市恩市津って,古いほうじゃないですか?新しい方にちゃんと送りましたよ」

「そういうことか…ちゃんと確認しとく.また明日な.さもなくば…」

「わかってますよまたあした〜」

ブツッ.ツー,ツー,ツー.

ちょ,切られた!ここで私が切る番じゃないの!?まあいいけど.というより…


なんで「システムに加える」とかで疑問が出なかったんだろう?

ということで一日終わりました。

次回からこの調査の結果を元に仕事【一般的】が始まります。

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