№24 王立学園
【マロリア暦994年 9月 】
今年の夏は色々んな事が有って大変だったけど 一昨日、寂しそうに王立学園の寮に戻るジョセとレティ姉さんを見送ったが何だか2人共とても寂しそうだった。
進学式の当日、朝早くから王都の屋敷から2頭立の馬車に乗り母上父上、エレーヌとイネスを乗せ王立学園へ向かう 王都の城門を抜け10分程で到着するが学園の門の付近が学生の馬車で混雑している 早めに出たつもりだが甘かったか様だ… 寮への荷物搬入は先週で終わっているので手荷物だけだが… 半時程して漸く学園の中へ入る事が出来た
9月になったとは言え日中はまだまだ暑い当然馬車の中も… 空調の効いた馬車内に暑さ対策を施したアーズブルッグ伯爵家の御者、護衛の騎士、馬に至るまでこれでもかと言うぐらい暑さ対策してる為なんら問題は無い、ジョセ達(ベリー公爵家)にも婚約後、毎年、2頭立馬車や4頭立馬車を1台をプレゼントしてるのでアンナさんも快適に過ごしてる事だと思う
馬車から降りて「熱いわね」と母上と父上が言うので肌着と服に仕込んだ着衣の温度調整機能の操作をしてもらう どうですか?母上、父上
「アレン、良いわ この服と肌着とっても涼しい」笑顔の母上
(帽子から靴までの一式ですから売るとしたら金貨100枚以上になりますから… )
僕や姉、エレーヌ、イネス、ジョセには学園の制服に似せた服を用意した見た目全く同じで温度調整機能付の服を何着か用意してアーズブルッグ伯爵家(母、父)とベリー公爵家(ジョセと義理の母父)用の礼服を数着を同様の仕様でプレゼントした。
講堂内は入学式を待つ新入学生達で一杯 学年毎に入れ替えて2日がかりでのイベントだ…
初日は、新入生の入学式と2年生の進学式、2日目に3年、4年、5年の進学式が別々に行われる。
1クラス25人前後の20クラス、約500人の適性試験を受け各課へと仕分けされる 僕とエレーヌ、イネスは、手を抜いたつもりが魔法試験で高成績を出してしまったので他の適正実地試験は受けず魔法科へ決ってしまった。
王立学園に中途入学する事は家族以外誰も知らないのでジョセの驚く顔が楽しみだ…
それと魔法試験の結果、一つのクラスに強力な魔法使いが固まるのは良くないとイネスとエレーヌとはクラスが別になった…(2人共泣きそうだった僕が必死に宥めて事なきを得た… 2人が本気で暴れた学校が崩壊してしまう。)
職員室で親と別れエルフの担任、(ライトブラウンの髪にセミロング)の20台中頃のパメラ先生(ほんわかした感じの女性)で僕とエレーヌ、イネスを見るなり「う~ん今期は大変になっちゃいそうね…」えぇ、どうして?、先生が先に教室に入り僕の事を説明して「アレン君、入って」と呼ばれ教室の中へ入ると「キャー」とか「美人」「彼女居ますか?」「付き合って下さい!」
先生が「それじゃアレン君、自己紹介お願いね」
「アースブルッグ伯爵家のアレンです。 中途入学で分からない事ばかりなのですが皆さん宜しくお願いします。とお辞儀する」
「それじゃアレン君は、キトリーさんの隣ね」
「やったー」とキトリーちゃん(身長は165cm程でスレンダーだが胸もある、ブラウンのウェーブのかかった長髪で瞳が大きく美形と言うより可愛い系)
「アレン君、分からない事があったら何で訊いてね」ありがとうキトリーさん
「アレン君、キトリーでいいよ」わかったよ キトリー
「やったー、う~ん、2人の親密度アップ!」(笑顔のキトリー)
先生が「皆さん因みにアレン君ですが中途入学のテストでは平均90点以上取ってますので勉強の方は、アレン君に教えて貰った方がいいかしらね それとアレン君には婚約者が3人も居るからちょっい出さないでね」
(先生なに… 個人情報保護って知っていますか…)
「えぇ~ショック」「私4番目で良いから」ザワザワと周りが騒がしい
ちょっとと言うかかなり天然入ってる… パメラ先生なんだか波乱の予感しかしない…
ホームルームが終わり、数学のシモーヌ先生(見た目気が強そう、メガネが似合いそう、ダークブラウンの髪が腰まである)が教室に入り出席をとって自己紹介とこれからの授業の勧め方等を説明して最後に先生が問題を黒板に書く「誰かこの問題解ける人」
『簡単な問題だと思うけど…3年生の問題だろうか…』誰も答えないので皆の視線が何故か僕に集まる… 僕が手を挙げ「それじゃアレン君お願いね」と指名され黒板の前に出て式と答えを書くと先生が「アレン君、凄いわ」と先生
「どうしてですか」と訊ねると「この問題は5年生で習う問題だからこれを解けるなんて凄いわ」と先生…(やってしまった様だ…うぅ)
数学に続き、国語、理科、社会の説明会が午前中で終わり、午後は魔法、外国語(どこの国か任意で選べる)、の予定で他に古文(古文は古代文明の文学)、体育、武術の説明会がある
数学以外の説明会もなんとか無事終わり昼食時間… キトリーに一緒にお昼しようと声を掛けられるが “婚約者の所に行かなくちゃならないからまた今度ね“とやんわりと断ったったつもりが…「私が案内するよ」とジョセの教室に案内されるが居なかったので3年生の食堂へと向かう 食堂に入り周りを見渡すとジョセが長身の赤毛の子と席で話しているを見つけ「キトリーありがとう、見つかったよ 今度一緒に食事しようね」と言うと嬉しそうに「アレン君、絶対だよ(笑顔で手を振りながら)」と友達の席へと向かう。
「失礼します 隣の席宜しいですか?」
「えぇ、良いですよ」とジョセが振り返り僕を見て固まる
「アレン、どうしてこんな所に… 」
実は中途入学したんだ ビックリさせようと思って今まで黙っていたけど… ビックリした?(微笑む)
「アレン」と僕に抱しめ固まるジョセに「はいはい、ジョセ周りが見てるからまた後でね」と宥める ハッとして気が付いたのか頬を赤くしたジョセが僕を離す
するとジョセの向かいに居た赤毛の子が立ち上がってラファイエット侯爵家のレベッカです。(僕より高い身長180cmぐらいかな、肩に届かない程度の赤髪、切りっとした瞳に鍛え上げ引き締まった体で意外と胸も大きい)と手を出すので握手してアースブルッグ伯爵家のアレンですと微笑んで挨拶すると顔を真っ赤にして固まってしまった。
レベッカさんそろそろ席に着きませんか「すみません」と慌てて手を離し席に着く
ジョセの親友ですよね ジョセから色々お話伺っています ジョセの事宜しくお願いしますね
「任せて下さい!」と母親似なのかな実直な感じだな…
緊張したレベッカさんに終始笑顔のジョセと昼食を済ませ雑談した後「17:00に食堂の同じ席で待ってるよ」と伝えジョセ達と別れる
14:30午後の授業が終わる これから姉さんの所にも顔出すか キトリーちゃんにレティ姉さんの教室まで案内してもらう ごめんねキトリー案内ばかりさせて
「構わないわよ、アレンの役に立てて嬉しいしね」ありがとうキトリー「気にしないでアレン」 10分以上歩いて漸くレティ姉さんの教室の前に着いた。
「アレン また明日ね」と言いキトリーが帰る ありがとうと手を振る
廊下側から教室内に「レティ姉さん!」と声を掛ける、振り返った姉さんが満面の笑みで駆け寄る「アレン、待ってたよ」周りから「レティ誰よ この綺麗な子!」
「私の弟で婚約者よ」
「レティシアたらズルイよ」「こんな綺麗な弟を自分色に育てて来たの… 羨ましい」「私の弟もこんなに綺麗だったら… 」
レティ姉さんが片手に鞄を持ってもう一方の手を繋ぎ「アレン帰るわよ」と手を引きレティ姉さんの部屋へと向かう
寮の建物に近づくと… 肌着姿の女性が通路をうろついてる中には上半身裸で下着しか着ていない女性も…
「レティシア、綺麗な子ね どこから攫ってきたの」「後で私の部屋にも連れてきてよ」 姉さんは部屋に入り慌てて鍵を閉め防音の魔法を使う
「ふぅ、アレン、ビックリしたでしょう 女ばかりの寮ってこんなんだから(苦笑いの姉さん)」
(以前、アデーレ姉さんを訪ねて騎士宿舎近く通ったけど…この寮と感じが似てたな…)
大丈夫気にしていないよ 姉にハグする何か変な感じ 姉さんの部屋も分かったし次は一人で訪ねてくるから…
「アレン、危ないから一人で来るのだけは絶対に止めてね、私かジョセが一緒の時だけよ わかった?」わかったよ 姉さん
「それと前にも言ったけど2人の時はレティって呼んでって… 」了解、レティ
抱きついて分かったけど レティ、体の気が大分淀んでるね 久しぶりに気功マッサージでもしょうか?
「それじゃお言葉に甘えて久しぶりにお願いしちゃおうかな」
上着を脱いでベッドにうつ伏せになって… 暫くマッサージしてると魔導器で室内が温度調整が効いてる筈の部屋なのに体から汗が滲み出る
1時間程でマッサージが終わり、お互いタオルで汗を拭く レティ、ケーキ持ってきたけど一緒に食べよう「頂くわ、アレン」ナイフで6等分にカットして皿に載せ 紅茶と一緒にテーブルへと置くカップへ紅茶を注ぎ角砂糖の容器を傍に置く 残りのケーキは箱に戻し魔導冷蔵庫(伯爵家の特産品)へ保管
「レティどうぞ」とアレン
「うん、美味しい アレンの料理って何でも美味しいから食いしん坊になっちゃうわ それに汗もかいたし美味しく頂けるね」
その頃、隣の部屋では防音のレティの部屋に掛かっている結界を部分解除して部屋の中に聞き耳を立てる女子数人が居た レティの喘ぎ声「あぁ、そこそこよ」「もっと… アレン」と時々聞こえる声「此処が言いの?」「もう少し強くするね」「どう気持ちいい?」「とても気持ちいい」1時間すると「今日は時間が無いからこれで終わるね」の声に「うん、とっても気持ち良かったと」とレティシア
「あの子あんな綺麗な顔してとんでもないタフだわ」「真面目なレティシアがメロメロになる訳ね」「私もあんな綺麗な子に責められたい」「時間が無いってどんだけ出来るのよ」
※この世界では子供の頃に罹る病気の為、男性の性器は通常の半分~7割程しかなく、持久力も通常の10分の1以下でしかない それで1時間は驚異的な耐久力である
紅茶を飲み干し帰ろうとするアレンに「途中まで送るわ」とレティ、5年の食堂を過ぎ3年の食堂前で別れる 寮の自室へ向かうアレンに他の男子がレティとの関係を尋ねてくるので姉弟だよと答える「そうなんだ いいな~」
レティ姉さんって人気者なんだ… そう言えば生徒会長してるって話してたな…
寮の浴場で風呂に入って汗を流し約束して食堂へと向かう
時間より少し早くついたがジョセとレベッカさんが既に席に待っていた。
笑顔で手を振り席に着くとレベッカさんが僕の分の夕食を取って来ると言って席を立った自分で取ってくると言おうとしたけど私に任せてアレン君は席に座ってて… ありがとうレベッカさん、「アレン君、レベッカと呼び捨ててくれると嬉しいんだが… 」
それじゃ僕もアレンでいいよ “レベッカ“と微笑む
恥ずかしいそうに俯いて「待ってて」と言ってレベッカが夕食を取りに行った。
「アレン…」どうしたのジョセ「レベッカがね、アレンを共有せてくくれないかって言うの出来たら結婚したいって相談受けたの… アレンと直接話しをして益々気に入ったみたい」
レベッカさん優しいし素直だから僕の好きなタイプではあるけど… 流石に4人は不味いよ とりあえず母上と相談してみる
「ごめんねアレン、迷惑ばかりかけて… 」テーブルのジョセの手に僕の手を被せ
ジョセの瞳を見つめ“大丈夫!きっと良い様になるよ“
レベッカが「あ、あの~」と申し訳なさそうに“あ、レベッカ ごめんね”
レベッカの友人がジョセや僕の分も持って来てくれた様だ… “ありがとう“とお礼を言うと顔を真っ赤にして「これくらい何時でも声掛けてね」と言い自分の席に戻って行った。
その後、食事をしながら3人で暫く雑談してジョセの部屋まで案内してくれた。
部屋に入り雑談した後、僕の部屋まで2人で送ってくれた。 特にレベッカが男性の部屋に入るのは初めてだと緊張していたので お礼にと七輪で沸かしたお湯で紅茶を入れ、魔導冷蔵庫からケーキを出して2人に振舞ったら2人とも凄く喜んでくれた。
それとレベッカが部屋のランタンと煙が出ない七輪を気に入った様で何処で購入したのか燃料は?と訊いてきたのでアーズブルッグ産ですよと“気に入ったのなら取り寄せましょうか”「是非頼む 」とお願いされたので明日にでも取り寄せるか…
21時になり今夜の茶会は、終了となった。レベッカとも色々話し出来たし楽しかったな… (真面目で実直なレベッカ、ホント良い子だな)
皆さん気が付いた方もおられると思いますが この世界の食事は、朝食は夜明け1時間後から、昼食は真昼前後1時間、夕食は日暮れ1時間前にするのが当たり前で日が落ちると暗くなり作業が限定されてしまうのでおのずとそうなる たいまつは明るさはあるが細かい作業が出来る程近づけると放射熱で熱いし煤が大量に出るので読書や厨房の照明には向かない、ランタンは存在するが高価で燃料の価格も高め、蝋燭も価格が高いので滅多に使用する事はない、油から布や紙で芯出しするオイルランプも同様で明るさは蝋燭の半分にも満たない
魔導具の明りはこの時代のハイテクで失われた技術、貴重品で動力の魔石も高価である
暗くなる前に夕食を済ませ 日が落ちての食事は滅多に無く祝いの席か自宅や親戚、友人宅で酒を飲みながら干し肉やパンに果物、火を使うにしても精々肉を炙るぐらいの料理を摘むのが一般的
これが貴族になると夕食も凝ってくる 厨房に蝋燭やランタンを入れ明かりを灯し昼間に近い料理を求めてくるので料理人も大変だ
酒場や食堂、レストランも昼間仕込んだ料理が売れたら料理は終了だ 余程の事が無い限り仕込んだ物以外を新たに作る事は無い
厨房の火力は薪が一般的だ 最近は貴族の間でアーズブルッグ伯爵領産の炭が使われ始めた(理由は高火力と煙が出ないのが気に入られたらしい それに薪に比べ嵩張らないし火持ちも良い)
魔導具の釜の試作もしたが魔力を連続して数十分も出し続けるなんて魔力の無駄以外の何者でもなかった 薪や炭で十分火力調整出来るし前世でもほんの数十年前まで使っていた実績もあるので この世界ではストーブや釜戸やオーブンの改良、小型コンロ(七輪)程度で十分生活出来る
アーズブルッグ伯爵領では、石炭を採掘して大規模な金属精錬や硝子製造の燃料に使う事を始めた 薪や炭で行うと辺りの木材を消費し過ぎる為の対策だ 採掘量が増せば陶磁器の釜や蒸気機関に使用出来るだろう
王立学園でのストレスは、食事に風呂とトイレだろう… 食事の味付けは全体的に淡い、塩や胡椒が貴重品だからだろう(調味料を持ち歩かないと…)、風呂は、寮の隣にある学年別の公衆浴場を使うしかない、マナーがなっていないのか体を洗わず湯船に入る人が多いのか、夕方には垢が浮いていた…(湯船の不純物を魔法の錬金で分離して取り除いてお湯に浄化の魔法を掛けて使った)
トイレは、汲取り式だ… 匂いが気になるが使用出来ないと言う程でもないシルフィに匂いを散らして貰っている
(女王様か学園長に伯爵領の水洗トイレを進めるか… いや待てよあの女王様なら城にも導入したいと言いかねないか…)
アーズブルッグ伯爵領の宿で貴族達に受けが良かったのが冷房に水道、トイレ、風呂、料理だった冷房と水道、水洗トイレを購入したいとの申し出も有ったが水道は川からの屋敷までの配管が必要でトイレは下水の設備が無い所には設置出来ないと説明すると皆がっかりしてたな…
夜、眠りに着こうとしていた僕の部屋に襲撃があった… 犯人はエレーヌとイネス昼間放置してたのが原因だ… 自業自得なのだろう(苦笑)




