№19 演奏会
女王からの招集からひと月程後、アレンは城の応接室に来ていた「まったく何でこんな面倒な事になったのんだ… 」手を抜いて適当に演奏しようと思っていたら数年前のパーティーに参加していた大臣(侯爵)が女王陛下に「陛下、是非 私にももう一度アレン殿の演奏を聞かせて頂く機会を頂けないでしょうか?」と伺いを申し立てた事が原因で・・・ 私も、私も、と最初十名位で予定していた演奏会の人数が百人近くになってしまった。
僕のお披露目パーティーの席で演奏を聴いてた貴族も居るので下手に手を抜けなくなってしまったのだ。(泣)
こうして『女王様にお願いして家族&婚約者も呼んじゃおう作戦』が発動 本当は僕の演奏は婚約者や家族、仲間にだけに聴いて欲しい
それにプロになる積もりも無いので お客様の為の演奏って訳じゃないし 今回は、女王様の命令だから仕方なく演奏する訳だから…
母上の交渉の結果 やりました身内を招待する許可を女王様に頂きました!
朝夕が大分涼しくなった10月第一週の週末、王城の中庭、夕方から演奏会が始まった 最初の約束では『4~5曲だけでいい』と女王に言われたがが…、こんなに人数が集まったので当然、曲は休憩を挟み十数曲追加で演奏する事になりそうだ…、色々考えて結局はピアノを王城へ持ち込む羽目になった。
クラッシック・ギターの演奏が始まると皆が聴き入ってる
女王様も「初めて聴く楽器だけど いい音色ね」と呟く
楽器に注目する貴族も多い、家の息子にもいいかもしれんな… 等と
第一王女、第二王女、第三王女、第一王子も演奏を聴きに着ている 確か第一王女は、レティ姉さんの友人で第二王女は僕と同じ歳でジョセのライバル?、第三王女は、僕より二つしたでジョセの妹の友人、第一王子は3つか4つ下だったな確か…
5曲演奏して休憩、冷やした白ワインをワイン・グラスに注いでもらう(この世界では普通は木のカップ、貴族は青銅、銀、金のカップを使う、硝子の製造技術が未発達なので我が領の特産品です。
濁りの無い透明なワイン・グラスに貴族達が見入っている ランタンやかがり火の光に透かしてワインを楽しむ
序に伯爵領の物産品を幾つか持ち込んだ魔導具のランタン(明るく光量の調整が出来て煤が出ないのでとても便利価格は新品の馬車が買える程)、赤ワイン、白ワイン、ブランデー(蒸留酒)とワイン・グラスやタンブラー・グラスなど
この世界まだ蒸留酒が存在しないのでブランデーは酒好きにはとても好評です
女王様も伯爵領のワインとブランデーをとても気に入ってくれた様で特に冷やした白ワインをワイン・グラスに注ぎご満悦です。
30分程した後、女王に二回目の演奏が必要か伺うと是非演奏してくれとワイン・グラスを片手にお願いされた。
5曲目の演奏が終わり 女王に挨拶すると これで終わりか… もっと演奏してくれんのかとワインで頬を染めた瞳で訴えてくる
女王様、誰かに似てると思ってたら…、そうアンナさん(ジョセの母親)に姿や仕草と言が似ている 従姉妹だったかな?
女王様 それでは休憩の後、最後の演奏を行いそれで終了と言う事で宜しいでしょうか?
「うむ、それで構わぬ」
大臣さん達…、普通は間に入って取り次ぐんじゃありませんか?
女王様と直接会話するなんて…、大臣(公爵、侯爵、伯爵)さん達ワインやブランデーに美味しそうに飲んで雑談してるし…、この国大丈夫なんだろうか…、気が付けば母上やアンナさん(ジョセの母親)まで一緒に女王様と雑談中…、もしもーし お互い名前を呼び捨てにしている気がするのは気のせいだろうか?気のせいだよね…きっと…
三回目は、演奏場所に置かれている物体に被せられているシルクのシーツピを引き剥がすとピアノが姿を現す。
「「おぉー」」と声が上がるグランド・ピアノの大屋根を開けて突上棒で固定し鍵盤蓋を開ける
女王様に向かいお辞儀をして席につき三回程深呼吸して演奏を始めた… 女王様の表情が変わる 「こ、この楽器、この楽器だわ!カリーヌもアンナもズルイじゃない!」申し訳なさそうな母とアンナさん、「ごめんなさい 騙そうなんて気は無かったの息子が人前で演奏するの苦手だから… あの子、家族や身内の為以外に演奏する気が全くないのよ… 」
「それに今回は、お詫びも兼ねての演奏だから許して上げて… 」
「許して上げるわ 王女の誰かがアレンを娶れば私も身内になれるのよね… 」
「「えぇー、なに考えてるのよ!ジャクリーヌ!」」
演奏の途中で母達の叫び声が聞こえたが僕には関係ない事だと思いたい いや絶対関係ないよね いかん演奏に集中しよう
僕の心が反映されたのか心なしか二曲目は、寂しげな切なくなっていたのは僕だけの秘密… 三列目、右側の母上と同じ年ぐらいの赤毛で綺麗な侯爵さん、赤ワインをガブ飲みして赤く頬を染め潤んだ瞳で僕を見つめて居るんだけど… お酒が入り皆さん いい感じで酔ってる
女王様の後ろで警備してる30歳前後の黒髪でセミロングのクールビューティの騎士隊長さん目が逝ってる気が… ちゃんと警備してよ 不安な気持ちが演奏にも反映され起伏が多くなってしまってる
演奏が終わり拍手で迎えられた 壁際に居る騎士さん達も拍手してくれてるけど… お願いだからちゃんと周囲を警戒してね… 演奏中、精霊と部下の魔人達を使って暗殺者や間諜や不穏分子を十数人程拘束して簡易転送ゲートで領地へ送って貰った。
その為か王城の気の流れは僕が着た時に比べ大分良くなった 色んな意味でとても疲れました。 もう二度と城で演奏会なんてしたくない
女王様に挨拶してお褒めの言葉を頂 演奏会はこれで終了です。
クラッシック・ギターにグランド・ピアノ、魔導器ランタン×10器、ワイン・グラス(ペア×5組)、タンブラー・グラス(ペア×5組)侘びも兼ねて女王様にプレゼントしました。
それと演奏会で使ったワイン・グラスとタンブラー・グラスは、聴きに来た貴族の方達に宣伝も兼ねてプレゼントしたら皆さんとても喜こんでくれました。
(ご贈答用で是非宜しくお願いします。)
ほっとしてると思わぬ刺客登場、王女達や王子、特に王子のレオ君が何故か僕に懐いてしまった。
金髪でセミロングの少女と見間違う美少年、お人形さんみたいだよ… 最近、僕のファン層に変化がある、イネス君といいそっち路線の美少女系男子だ… お陰で姉達やジョセの視線が痛い
王子のレオ君、普段はとても人見知りするらしいが何故だろう 屋敷に帰るまでずっと僕の後ろにを付いてまわっている 帰り際とても悲しそうな顔をするので また遊びにくるからといい 魔法防御が付与された僕の指輪を紐を通して首にかけて上げると大事そうに指輪を手にとり嬉しそうに僕を見つめる「また今度ね レオ君(王子)」は、見えなくなるまで僕に手を振って見送ってくれた。
屋敷にはジョセも一緒に連れて行った 久しぶりに一緒に寝ようかとジョセに言うと傍から姉達の抗議の声が上がり空き部屋にベッドを3つ並べて4人で寝る事に… 偶にはジョセと二人きりになりたな…
演奏会の後、彼方此方の貴族から演奏会の誘いがあるけどことごとく断りを入れてる
母上やアンナさん面倒かけて申し訳ないです。
それと今まで途切れていた婚約の誘いが… 演奏会で涙ぐんでた赤毛の侯爵様がとても僕の演奏を気に入ってくれて是非、娘の婿にと何度も申し入れしてくるらしい ジョセの親友の母親で王立学園へ見学に行った時に遠目からその親友が僕を見たらしいが僕は覚えていない
その親友が僕を見て「一目惚れだ是非紹介してくれ」僕をジョセと共有したいと何度もお願いされたらしい 演奏会の後は、「母上だけ演奏を聴くだなんてズルイ、私にもアレン君の演奏を聴く機会をつくって欲しい」と会う度に何度もお願いされジョセもホトホト困ってると話してくれた。
(ジョセの親友みたいだから王都のジョセの屋敷で演奏聴かせてあげようかな?)
それと演奏会に偶々居合わせた隣国の第三王女が僕の演奏を気に入って是非婿に欲しいと…
厄介事が馬車積みぐらいの量でやって来た…
そろそろ行方をくらまそうかな… 本気で考えよう…




