№17.1 幕間 ②
「ふぅ~今日も忙しいかったわ… 漸く目処がついた。」時間は、20時を回っていた。
エレンは、ギルト内の中間管理職、執務以外の仕事、部下と依頼者又は冒険者とのトラブル仲裁に入ったりと本来の仕事以外の雑事も多い(その姿は転生前のキャリアウーマンだろうか)
昼間久しぶりに冒険者のチャールズ(元彼)が珍しく冒険者ギルドへ来てのいたので挨拶したら夕方飲みに行かないか?と誘われた。
最近自宅以外で飲食する機会が減ったので憂さ晴らしも兼ね偶には良いかとOKした。
20時半、何とか仕事を終えると自宅へ伝言をお願いして待ち合わせの場所へ行くとチャールズが笑顔で手を振り「お疲れさま」「ごめんね、待ったチャールズ」
チャールズが腰に手を回し頬にキスをする「これでチャラでいいよ」と微笑むチャールズ、しょうがないわね~ と微笑み返すエレン
「それじゃ店に向かおう」と二人腕を組み近くの【金の鳩】と看板の宿屋へ入って行く
【金の鳩】亭は、一階が食堂で夕方からは酒場、二階三階は宿になってる
店に入るとエレンは、ワインをチャールズはビールで乾杯、夕食を兼ねた食事しながら一緒に冒険者していた頃の話に花が咲き、お互いの近況やエレンの仕事の愚痴など…、お互いの近況報告
久しぶりにベロンベロンに酔ったエレン『歩いて帰るのは無理だわ』
千鳥足でとても家に帰れる状態じゃない(今夜は泊まりかぁ~伝言で泊まりになるって先に連絡いれて良かった)とニンマリする
呂律の回らない口調で部屋を頼むと生憎一人部屋は、満室で二人部屋と四人部屋しか空いていない、仕方なく二人部屋をお願いして部屋に入るとチャールズが唇を重ねてきた。(久しぶりのキスで体の火照る)
抱きしめられ、お尻や太ももを弄られ口の中に舌を入れてくるチャールズ(体の芯が熱くなる)、「駄目よ!チャールズ」と振り払うけど「エレンだって感じているんだろ?」と後ろから抱きつき首筋を嘗め回し胸や下腹部を弄りはじめる「や、やめてチャールズ」と言うエレンの声にも力が入らない
「二人部屋でいいって事は今夜は、大丈夫なんだろ?エレン」
「貴方とは、もう終わったでしょう! 今更こんな事して何になるの」
チャールズは乳房を揉みながら「体はそんな事言ってないけどな?」と乳首を摘む
「うっ、だから止めなさい」下着に手を入れ再度言葉を続ける「エレン、下の方も相当濡れてるみたいだぜ」快楽がエレンの体を支配して行く
「おねがいチャールズ、や・め・て…」上着を脱がされベットで上半身を愛撫される
「指で胸と下半身を持て遊ばれ」チャールズがズボンを脱ぎ『身を任せてしまおう』と思った時ブランの事が脳裏を過ぎる
「駄目!」とエレンの瞳から涙が溢れ出ていた「動揺するチャールズ」ベッドから起き上がり、肌着や洋服を慌てて着て部屋を出て「宿屋の主人にもう一部屋(二人部屋)を取り部屋に入って鍵を閉め、ベッドに飛び込む チャールズがドアの前で謝ってる様だが無視する
(悔しくて情けなくて涙がとりとめどなく流れる)
何だか酔いが覚めてしまった 別れた男の誘いに安易に乗った自分の軽率さが招いた結果がこれだ! 間違いだった 明日は、ギルドの部下達に話しをして宿直した事にして貰おう
日が昇ったら家に帰ろう(もうチャールズの事などもうどうでも良かった)朝日で目が覚め宿を出て屋敷へ向かった
『早く体を綺麗にしたい、チャールズに愛撫れた体の匂いや感覚を早く取り去りたい風呂へ入りすっきりしたい なにより一番な大好きなブラン君に気づかれたくない』
そんな思いなど無視する様に屋敷の敷地へ入るとブラン君が庭で剣の稽古をしていたのだ
『不味い今は顔を合わせたくない』そんな思いも近づいて来たブラン君の挨拶で打ち砕かれる「お帰りなさい エレンさん」と笑顔のブラン「おはよう ブラン君」と早足くブラン君の前を横切り屋敷に入る
メイド達に風呂の準備をさせ部屋に篭る 何やらメイド長が大事な話があると言うが「後にして」と言い風呂に入った。
体を洗い流し湯船に浸かる『あぁ~気持ちいい アレン君が気づいて居なければいいけど… 』風呂から上がるとメイド長がまた話しかけてきたが 「後にして」と言い自室に入り着替え準備を整えて部屋を出る「エレン様、大事なお話しが… 」と言う声を「帰ったら聞くから」と言い放ち屋敷を出て行く
いつも見送ってくれるブラン君が今朝は居なかった… 先に冒険者ギルドへでも行ってるのだろうか?
冒険者ギルドへ出勤すると同僚の一人から昨日の事を尋ねられた
「エレンさん昨夜は何処へ行ったんですか?」とニンマリした表情で聞いてきたので「昨夜は友人と飲みに行った」と答えると ふ~ん、それで宿直なんて嘘の伝言頼んだんですね
「で、どうでした昨夜は?相手は昼間仲良く話していた男性でしょう、結構良い男でしたよね どんな具合でした?」(鋭いな、仕事は出来ないのに… この鋭さを仕事に生かしてくれたらいいのに…)
貴女(お前)にそんな事言う必要は無い! きっぱりと言い放つ
「ブラン君と別れるなら私がブラン君と付き合いますから! 昨夜、エレンさんが帰った後、少ししてブラン君が此処に来ていたんですよ 今帰ったばかりだと話したらエレンさんの後を追いかけて行きましたから追いついたんじゃないですか?」
エレンの頭の中が真っ白になる ブラン君に見られていた… 噴水での事も宿に入る所も… そして朝帰り…
「エレンさん どうなったんですか?」気不味くなり「油売ってないでさっさと仕事しなさい!」と言う
「は~い」と自分の受付カウンターへと戻って行く
どうしよう ブラン君に何て説明しよう… 気が付くと10時前にチャールズがギルドに入って入って来て他の職員にエレンを呼んでくれと話しかけるがエレンがもう二度と会わないと言付けをチャールズに伝える
チャールズは「エレン!」と何度もギルド内で叫ぶが周りに迷惑だと職員に厳しく注意される
(ギルド職員に嫌がらせや暴力を働くと問題を起こした町に二度と入れなくなったり最悪討伐対象になる)
仕事が一段落付いた時、ブラン君がギルドへ入って来たそれをみてエレンは空いている受付カウンターへと向かう 私を見つけるといつもの様にカウンターへと近づく
そこへチャールズが割り込んで来た「割り込んだら駄目でしょう!」とエレンさんが注意するが聞いていない
「エレン、昨夜は、相当乱れていたな 溜まってたんだろ? これからは、ちゃんと相手してやるからよ」「な、なに言ってるのよ アンタわ!」
「エレンさん、今までありがとうございました。」と頭を下げる
「ち、違うのブラン君、違うのよ!」
「それじゃ行きます エレンさん 今までお世話になりました。 彼氏とお幸せに」と言ってギルドを出て行く
慌てて職員用で入り口から外に出てブラン君を呼び止めようと叫びながら追うが王都内の周回馬車に乗り込んだ所だった。
肩を落としギルト内に戻ると自分の席に戻って行った
わざとだ!チャールズは、私とブラン君の事をしっていて私に近づいてきた 今の会話もそう アレから五年も経ち少しはマシな性格になったと思った自分が馬鹿だった…
王都からの退去命令を出してもらおう 上司への書類と貴族院への書類を作成する
一通はギルトの権限でギルトカードでの王都への出入りを禁止する
もう一つ貴族院とは、貴族同士や平民とのトラブルを裁く機関で今回の様に平民が貴族に付きまとったり嫌がらせや損害を与えたと判断されると その町への出入り禁止、警告を破ったり、罪が重いと判断された場合は、賞金首として手配される
冒険者ギルドで承認されなくても貴族院で認可されるから問題ないが今回の様な事が二度と起こらない様に念には念を…
仕事を終わらせ いつもより早目にギルドから出ると職員の出入り口でチャールズが待っていた。
「よっ、エレン つれないな待ってたぜ!」どうだい今夜も一杯?
「貴方、自分が昨夜と今日しでかした事も忘れてよく言うわ!」とチャールズを睨む「昼間の事だってわざとでしょう」
(まったく昨日、ドアの前で詫びも嘘だってよーく分かったわ)
「そんな連れない事言うなよ」
「最悪なぐらい全然変わっていないのね 寧ろ悪くなってる気がするわ!」
それじゃとチャールズを無視して一人歩いて行くと「ま、まてよ」と腕を攫もうとする「触らないでで!」と振りほどく
「貴方、早く王都から出る準備をした方がいいわよ 手配されるから」とチャールズに言い放つ
「おい、まってくれよ冗談だよな?エレン」
「やって良い事とそうで無い事の区別が付かない輩を王都へは置いとけないわ」
「なんでだよ!あんな若造!」
「他人の貴方には関係ないでしょう!」
『チャールズ本当に貴方にはガッカリだわ!』
「二度と私に近づかないで… 」項垂れてるチャールズを一人残して屋敷に帰宅したエレン
屋敷へ戻り風呂に入ってリビングで寛いで居ると「ブラン君、今日は遅いな… 」と言うとメイド達が「「えぇ」」と驚く「どうしたの」と訊ねると今朝ブラン君が屋敷を出たと言ったと言うでわないか「ど、どうして…、どうして教えてくれなかったの!」と問いただしたが「今朝、何度も大事なお話があると申し上げましたが帰ってから聞くと申されたではありませんか!」
そ、そんな…
「ブラン様は、エレン様の所へ挨拶に行くと仰られてましたが… いらしてませんでしたか?」
『チャールズが所為でちゃんと話が出来なかった… 別れがあれでは… もうブラン君との関係は修復不可能?』
頭を抱え俯くエレン、何も考えられない「…様、エレ…、…お嬢…、エレンお嬢様」ボーっとした表情のエレンがメイド長を見上げる その瞳は涙で溢れていた。
ブラン様が部屋でエレンお嬢様宛の手紙を書いておりましたので置手紙があると思われます。
メイド長の言葉を最後まで聴かずブランの部屋に駆け出して行くエレン、部屋の扉を開け中に入るとブラン君の香りが穂のかに漂う
机の上には【エレンさんへ】と書かれた置手紙が在った 封を切り読み始める
エレンさんへ
急に屋敷を出て行ってごめんなさい
色々考えたけどこれが最善だと思います
昨夜、エレンさんを迎えに行ってエレンさんが男性と会うのを見てしまいました。
心の中がモヤモヤと変な気持ちになったけどよく考えてみると僕はエレンさんの恋人でも婚約者でも無い プロポーズもされていないし きっとエレンさんにとって僕は、只の居候なんだと… あの男性はエレンさんの彼氏なんでしょうか?
僕が屋敷に居るので気を使って外で会っていたんですね
自分の鈍感さがいい加減嫌になります。
エレンさんや屋敷の皆さんが良くしてくれてとても居心地が良くて このままずっと此処にこの場所にエレンさんの傍に居てもいいじゃないかと勘違いしてました。
もう少し気が付くのが早ければ良かったけど鈍感な僕にはこれが精一杯
手紙なんて書くの初めてだからこんな書き方しか出来ませんが
エレンさん、この屋敷に居た二ヶ月間僕は人生で一番幸せでした。
彼氏と幸せな家庭を築いて下さい
最後に 行く当てが無い僕を長い間置いてくれて本当にありがとうございました。
大好きなエレンさんへ
ブランより
「違う、違うんだブラン君 私が軽はずみな事したから 私がプロポーズしなかったから…、本当なら いつまでも一緒に居られた筈なのに… 」
読み終えた手紙をメイド長へと無言で渡す 目を通してお嬢様この男性とはどういったご関係で「チャールズだ 五年ぶりにあって昨夜久しぶりに飲みにいった… 」
「それでご関係は?」「酔って同じ部屋に寝たが 迫って来たので別に部屋に移った 体の関係はない!」
「お嬢様は、また誰かに飲みに誘われると外泊されるんですか?」
「もう二度としない」
「そうでございますか ですが聊か気が付かれるのがおそうございました。」
「どうしたらいい…どうしたら…」俯いて搾り出すような声でメイド長へと尋ねる
「先ずは、会ってキチンとお嬢様の気持ちをブラン様へ伝えして話し合う事です」
ブラン君は、どこに行ったのだろう 冒険者ギルドの依頼や口座からお金の出入りがあれば私の権限で大体の場所が分かるから暫くは待つしかない
もしかして悪い女に誑かされてないだろうか・・・
「エレン様、ブラン様が使用していた部屋に置いてある私物の処分をブラン様仰せつかりましたがいかが致しましょうか?」
「部屋の物はそのままにしておいて… ブラン君が戻って来た時荷物が無いと困るだろうし」
「ハイ、かしこまりました。」とお辞儀をして部屋から出て行く
今夜は、ブラン君の部屋で寝よう
翌朝、目が覚めると自分のベットじゃない事に気がついた何処?周りを見渡してブラン君の部屋か~、とホットし胸を撫で下ろしながらブラン君を探す自分が居る
『もうブラン君居ないんだ… 』
朝食を済ませ冒険者ギルドへ向かう ギルドの前でまたチャールズが待っていた
「なぁ~エレン頼むよ 機嫌直してくれよ」 ほんと朝から嫌になる
「いい加減にしてよ!」
「昨日、警告した筈よ!」
「そんな事言わずにさぁ、なぁエレン、俺とお前の仲じゃねえか、な、頼む許してくれ」
「どいて邪魔だから 」
「大丈夫ですかとギルドの警備員が声を掛けてくる」
「コイツを追っ払ってくれるかしら」
「分かりました お前邪魔だそこをどけ!」「なんだと!」
「冒険者ギルドに歯向かうとどうなるか分かるだろ!討伐対象にされたいか!」と威圧され「覚えてろよ!」と渋々どこかへ向かうチャールズ
朝っぱらから疲れた 前日提出した書類が早目に受理される事を願おう
ギルドのネットワーク魔導器でブラン君の口座や依頼状況を確認するけど昨日以降、口座から引き落とされたり依頼を受けた様子は無い
ブラン君どこに居るんの… 会いたいよ…
2日後チャールズへの王都への立ち入り禁止令が貴族院から出され
その数日後、冒険者ギルドもチャールズへ王都への出入り禁止とエレンへの接触を禁止を本人に告知した。 守らなければ討伐対象とする旨を伝えて
それから数ヶ月、ブランは、王都の冒険者ギルドを訪れていない




