№16 夜会
夕食の席で家族にディーナさん達を紹介した中でも姉達は、イネス君に見入っている これならディーナさん達と話しても文句言われないだろう
イネス君、男の僕でもあっち側に行っちゃいそうな程、美人だから姉達が見惚れるのも無理はしょうがない
夕食後、夜会の準備の為、屋敷の結界を強化すべく茶室へ向かう、通常の防御用結界と違い茶室で制御するのは防音結界、行き来したり咄嗟の時に対応出来ないから屋敷の中に結界の集中制御装置を設置するか…
裏庭を歩いてると誰かが後ろから誰かが着いて来る 振り返るとディーナさんが微笑みながら話しかけて来る
「ねえ、アレン君どこへ行くの?」
ディーナさんも一緒に行きます?
「えっ、いいの?」
構いませんよと言うと嬉しそうに僕の傍に並び庭を歩いて行く
「素敵な庭ね」えぇ、僕の自信作ですからと自分で手入れしてる庭を褒められ嬉しくなる
「アレン君が造ったのよね?」そう僕がデザインして造園したんですよ まぁ~手入れは、使用人に任せていますが…
「ふ~ん、アレン君って何でも出来るのね」悪戯っぽい笑顔で僕を見つめてくる
「アレン君って転生者よね?」リレイさんにも話したけどそうですよ この世界は始めてですが別の世界で数十回、もしかしらら三桁程
「私、年上が好みなんだけどアレン君には何故か惹かれるのよね それでなんだ」
仕切木を抜けると 「どうですか?この庭園も素敵でしょう!」と固まってる、ディーナさんに声を掛ける、「凄い、素敵」と僕に抱きついた。
茶室の結界を解除して中に入り制御盤のロックを解除、制御盤を操作して結界の高さを倍にする
これでどこから聴こえてるか分からないだろう 念の為にシルフィ(風の精霊)に近場では音が聴こえない様にしてもらおう』
シルフィと声を掛けると16歳ぐらいの悪戯っ子ぽい少女が現れ僕が指示すると「分かったわアレン」と頷く、指先から魔力を分け与えてやると目を潤ましながらアレンに暫く抱きつき「行ってくる」と言い飛び立った シルフィよろしくね!と声を掛ける 笑顔で手を振りるシルフィ
そんな様子を見てディーナが「なんか妬けるな~ 精霊大事にしてるんだね」 まぁ、家族や恋人みたいな関係だからね
「私もアレンの家族になりたい!」えぇ、ディーナさんいきなり何いってるの…
「ディーナ、なんで私のアレン君に告白するのよ!」リレイの傍に何故かイネス君まで切なそうな目で僕を見ている」
えっ、訳分かんないんですけど… いつの間にリレイさんの物になったの僕
「いいじゃない、リレイ減るもんじゃないし、ね、アレン君」
「駄目、絶対駄目だから!」と沸騰中のリレイさん
良く分からないから「茶室へ行くけど三人とも置いて行っちゃうよ」と歩き出す僕
「「待ってアレン」」とディーナさんとリレイさんに何故かイネス君が…
「無口だね、イネス君僕のこと嫌い?それとも怖い?」
慌てて首を左右へ激しく振るイネス君 「好き、アレンのことが好き!」なにこの子、可愛すぎるんだけど… 「そっか良かった 後で演奏するから聴いてね」
コクコクと首を縦に振るイネス君頬を染めながら「楽しみにしてる アレン」と小さな声で答える
なんか癒されちゃったな~って思ってるとご機嫌斜めなリレイさんとディーナさんどうしたの二人とも「イネスだけズルイ、私達ともお話して!」どんな子供なんだよ、とても数百歳には思えないんだけど
「「アレン君、今失礼な事考えなかった?」」えぇ、心が読めるのエスパー?読心術?
えっ、二人とも素敵だな 今夜の服とても似合ってるよ
「えっ、ほんと?ホントにそう思ってる?」うん、リレイさんもディーナさんも素敵だよ
良かった、二人とも機嫌が良くなった
何か言いたげに じぃーっと僕を見つめるイネス君の視線が痛い
軽食のオードブルと赤ワインに白ワイン、ブランデーにビール僕の商会で取扱いしてる食品や商品が並ぶ
白ワインを気にいってくれた様だ 透明で淡い琥珀色のお酒、甘い香りと果実酒の様なフルーティな味。 まだ領内とジョセ達の公爵領でしか生産していない 殆どを領内で消費してる 領地以外では王家にしか治めていない
屋敷の食事の質は、王家より高いと自負している 普及していない胡椒やスパイス、食材を転移門を使い大陸中から集め それを冷凍庫馬車や冷蔵庫馬車を開発して毎週、王都や領地、産地まで行き来させている
お酒も進み日が暮れてきたので椅子に座りピアノの演奏を始める 精霊達の御蔭で心地よい風と温度、草花の穂かな香りが敷地内に漂う お酒の影響かディーナさん達も聞き入ってる
そのまま5曲程弾いて拍手喝采を受けピアノから離れ休憩 母やアデール姉さん、レティー姉さんが近づいて「アレン素敵だったわ!とキスとハグしてくれた。」
何故かぞろぞろとリレイさん達が僕に同じ様に頬にキスとハグしてくる… 何故に? 一番後ろにイネスが並んでいるイネス君も姉達と同じ様に演奏を褒めてくれ頬にキスとハグをしてくる
もしかして勘違いしてる?『演奏の後は握手や言葉だけでいいんだよ』と教えてあげると母や姉さん達の事を言うので家族で姉達は僕の婚約者だからって説明して渋々ながら納得して貰った。
文化の違いか~、そう言えば生活の常識は記憶転写して無かったな… それと気になってイネス君の僕に対する態度をリレイさんに訊ねたら惚れてるみたいだよ 言われた?
「あぁ、そうなんだ」って違うでしょう!男同士なのに幾ら可愛いからって無理無理ってリレイさんに言うと「どうして?」どうしてって男同士で子孫残せないでしょう!
「私達の時代は同姓同士で結婚出来たわよ 子供は二人の血を合わせたクローンを作るの、研究所の設備でアレン君も見たでしょう 生体合成装置」
亜人や魔物の開発以外に生体合成カプセルって… そんな使い方してたんだ。
「だからイネスとの結婚もありなのよ」不味いよ この時代で同姓同士で結婚は…
頭が混乱する 演奏再開するか…
【王城内】
夕暮れ時、三十代後半の綺麗だがどちらかと言うと威厳に溢れた凛々しい女性がテラスでお茶を飲みながら物思いに耽っていた。
昼間、王城に来た演奏家達にはがっかり あの時の曲じゃない 楽器も違うし感動も無い あぁ~また聴きたい! そう思っていると町のほうから演奏が聴こえてくる
この曲!この楽器だわ!癒される 終わらないでもっと、もっと聴かせて…、五曲目で演奏が終わった。… 良かった今夜は最初から最後まで聴けたわ もしかしたらまだ聴けるかしら彼女が部下に指示する 演奏先を突き止めよ!
暫くするとまた演奏が始まった…、この演奏者に会いたいわ、女王の告知にも反応が無い 賞金や名誉に興味が無い? 一体誰の為に演奏しているのかしら羨ましいわ
カリーヌの息子が素晴らしい演奏するって聞いたけど本人は人違いだって言うしそもそも楽器の音色が違うらしいから
今度、呼び出して見ようかしら?




