↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
42/55

喫茶店完成

 さて、内覧が終わり、一階の内装工事の打ち合わせが済んで半月。

いよいよ一階の内装工事も完了し、最終確認の案内がミッチャンからもたらされます。

まぁ、パート・アルバイトの早出が有った日には、帰宅途中に工事現場にお邪魔していた木之本夫妻…すっかりミッチャンやナツミ達とも親交を深めた二人には、歳の離れた兄貴、姉御が出来たようで、大変喜んでいた。


「鉄骨も、巧い具合に隠れてくれたでしょ?

 カスミちゃん♪」

 中央部へ設えられた飾り棚に手をおいて、胸を張って見せるナツミ。

「はいっ!

 素敵な出来上がりです、ありがとうございます!」

 もう、ナツミに抱きつきそうな勢いで返答するカスミちゃん。


「窓際のボックス席も、うまく配置しておいたからな…

 って、ここは、タケルの頑張ったところだったな。」

 満面の笑顔で話すミッチャン。

「師匠!ありがとうございます!」

 ピッと背筋を伸ばすのはタケシ君。


「書斎机も、無事に置けたようね。」

 本日もお目付け役のケイコさんが同席しています。

「ニャァ~~ン」

-(良かったわねぇ、坊や♪

 お供のクイーンがわたしに語りかければ、書斎机に真っ直ぐ駆け出していくミカ。

 程なくして、自分の座る場所を確保できると、早々に箱座りしています。

「ワゥ?」

-(どういう事?

 わたしが首を傾げると

「あそこは、オーナー席よ。」

 そう言って、わたしにウインクするケイコさん。

「ワウゥ~?」

-(オーナー?

「ええ、この喫茶店…いえ、この家全体のオーナーはアナタでしょ?」

 ケイコさんが悪い笑顔になり、圧をかけてくる。

 どうやら、これ以上食い下がると、いろいろボロが出てきそうなので、わたしは素直に頷くしかありません。


 いつの間にかクイーンもミカの隣に箱座りしています。

「ペットにも居心地が良い空間に仕上がったみたいね。」

 ケイコさんの褒め言葉に、全員が何度も頷きます。

(オーナーねぇ…。)

 わたしは深くため息をつくのでした。


さて、玄関の方に移動していれば…

「後一週間もあれば、こっちは終わりますよ。」

 陽気に語りかけて来るロック。

「で、相談なのですが、そろそろ屋号を決めてもらえませんか?」

 追加でお話をするロック。

 すると夫婦は笑顔で答えます。

「「ダワンで、お願いします。

 ローマ字書きで…」」

 そう言って、一枚の紙を渡すカスミ。


 しばらく紙をじっと眺めていたロックが、おもむろに顔をあげます。

「分かりました。

 デザインは、こちらに合わせれば良いですか?」

「ええ、お願いします。」

「あと、配色は…」

 具体的な看板の位置を確認しながら話し込むロックと木之本夫妻。


「もうすっかり、自分たちの城ね。」

 ケイコさんが、話しかけてきます。

「ワンワン!」

-(ええ、そうでないと困ります!

 わたしは答えます。


「何だか、お父さんのように見えますよ。」

 ケイコさんがおどけながらスマホを渡してきます。

『えっ?知りませんでした?

 わたし、先月はじめに正式にミカの夫になったんですよ。』

 わたしは、返答を出力します。

「ワンワン♪」

-(そうそう。

 ねぇ~、ダーリン♪

 おどけたわたしの隣で、ミカが身体を擦り寄せてきます。


「まぁまぁ、それはおめでとう。

 元気な赤ちゃんを沢山産むのよ!」

「ワンッ!!」

 ケイコさんに激励され、有頂天になるミカさん。


 玄関の木之本夫婦も看板のイメージを語りながら、談笑がとまらない。

 ロックの隣では、ハルカが我が事のように、あれやこれやと提案しては、全員の笑顔が弾ける。


 一通りの打ち合わせを済ませ、解散となるはずだった打ち合わせが…そのまま前(・)祝(・)い(・)の(・)宴(・)会(・)へ現場に居た全員がなだれ込んでしまいます。

 一人ヤレヤレという顔で、わたしの顔を見てウィンクしてくるケイコさん。

 誰も彼も、笑顔が弾け、準備されたお酒も料理も片っ端から消費されていく…。

 あ~あ、ミカとクイーンまで、座敷奥でじゃれ合ってますよ。


 何だか今日は天井の抜けた人が多いようでした。


 さて工事着工から八ヶ月を経て、いよいよ落(・)成(・)の日を迎える事となりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。