午後の現場 ~内装編
内覧会も終わったところで、本日は女性陣が集まって『店内レイアウト』の打ち合わせが行われています。
本日の主役はカスミちゃんに始まり、元四姫メンバーの御婦人四名とケイコさんに設計係のユイちゃん…そして外野のハズのわたしとミカ。
当初は一階全体を自由に使える予定だったのですが…
耐震補強を実施した結果、部屋の中央部に大型鉄骨柱二本と柱をガッチリ固定する筋交いが生えてきました。
そして外壁の要衝に耐震補強用の壁を設置する必要があることがユイちゃんから告げられます。
部屋は、配線配管がコンクリート床上に無造作に散らかっています。
「まずは、この鉄骨から進めましょうか。」
中央部の鉄骨に手を置き、話を切り出すナツミ。
「とりあえず、壁として埋めてしまえば良いんじゃない?」
面倒くさそうに答えるアッキー。
「それだと、外からの光量が不足して、キッチン側が相当暗くなるわね。」
気乗りしない雰囲気のユッコ。
「出来れば、店内には少しでも多く陽光が注いで欲しいのですけど…」
と、依頼主のカスミちゃんは口ごもってしまいます。
暫しの沈黙が流れますが
「ねぇ、飾り棚みたいなモノはどうかしら?」
ポンと手を叩き、アイデアを披露するハルカ。
「面白いわねぇ。」
ナツミが話しに乗って来ます。
「ねぇ、この部分の強度としては、柱と筋交いで十分なのかしら?」
きびすを返して、ユイちゃんに問いかけるナツミ。
「はい、柱と筋交いで強度は保てます。
他のところも、柱が確保できれば、腰丈の壁を入れてもらえれば、強度の問題はクリアー出来ます。」
ユイちゃんの返答に満足げな顔のナツミ。
「ヨシッ!
それじゃあ、中央部の鉄骨は飾り棚風へアレンジ変更ね。」
ナツミが言えば
「周りの柱も、配置をうまく活用して、ボックス席を設置してみるわね。」
アッキーが相槌を打つ
「じゃあ私は、各テーブル向けの配線と配管を段取りするわね。
ユッコ、応援よろしく!」
ハルカが測量道具を肩にかけると、ユッコも道具箱を抱えます。
アッキーは、自分の目線の位置で、両手の親指と人差し指で四角の枠をつくり、ボックス席の大まかな配置場所を目視で確認しはじめ、ハルカとユッコに場所を指示しています。
「欧州の古民家を意識したデザインにしたいから、鉄骨を覆い隠す事も念頭に、調整をお願いするわね!」
ケイコさんが合いの手を入れると、四姫メンバーが全員サムアップします。
「とりあえず鉄骨周りは、木材で覆う形になるから、その部分のアソビは考慮するのよぉ!」
ナツミが激を飛ばせば、『分かっているわ!』と言わんばかりの笑い声が、四姫メンバーから漏れてきます。
床に引かれるチョークの線が、だんだんと店内の輪郭を浮き彫りにし始め、カスミちゃんの頬も綻んできます。
って、カスミちゃんとユイちゃんも四人に混ざって談笑しながら作業をお手伝いしてますねぇ。
ちゃっかりミカまで参加していますよ。
「まぁ、女性がここまで集まれば、それは姦しくもなるわね。」
「ワァウゥ。」
-(激しく同意。
蚊帳の外に鎮座するわたしとケイコさんは冷めた視線で、熱く盛り上がる女性陣を眺めるのでした。
さて、あらかたの線引きが終わったところで、ナツミがケイコさんのところにやって来ます。
「見てもらった通りのイメージで内装工事を進めますけど、よろしいでしょうか?」
カスミちゃんとケイコさんは、満足そうに頷きます。
「飾り棚は、できる限り外光を透過できるようにするからね♪」
と、ガッツポーズのアッキー。
「ボックス席と仕切りの方も、出来るだけ窓から入ってくる光量を意識した構成にするからね♪」
そう言って、手を振るハルカ。
「鉄筋の目隠しは、万全を期すからね♪」
そう言って、胸を張るユッコ。
「よろしくお願いします。」
カスミちゃんは深々と頭を下げました。
この時、わたしは気づくべき事が有ったのですが…それは、別のお楽しみということで。
ユイちゃんの強度計算も無事通過し、一階の内装工事もいよいよ本格化していきます。




