桜花は、萌々香と従弟の家庭で苦難を経験しながらも、アルバイトで自立を目指す。最終的に新たな希望を見つけ、まるくんと新しい生活を始める。
父親が亡くなってから、人の顔色を窺うようになっていました。
母が亡くなったあと、最大の理解者だった父がいなくなり、私は冷たい現実に向き合わなければなりませんでした。私は妹と一緒に父の従弟という人の家庭に引き取られました。彼らには二人の男の子がいました。
「ほんとうの家族と思って、なんでも言ってね」
従弟の奥さんは、私と会った最初の日にそう言っていました。
でも、それが嘘、口から出まかせだというのは2,3日後に分かりました。最初の日こそ夕食のおかずは同じでしたが、次の日から家族と私たちのおかずに差があることに気付きました。その差は日を追うごとに顕著になり、そのうちあからさまになりました。
夕食が終わると、私と妹は、食器などの後片付けをさせられました。
「片付けが終わったら、自分たちの部屋に戻りなさい」
工務店を経営していた従弟という人は、私と妹を敷地にあるコンクリート造りの倉庫に押しやりました。そこのロフトのようなところで、私と妹は1枚の布団で寝起きして暮らしました。そこでコンクリに直に布団を敷いていました。コンクリの冷たさが布団を通して伝わって来ました。私は萌々香をしっかりと抱いて寝ました。そうすると、お互いに暖かくなりました。
「建て増しして、そのうちにあなたたちの部屋を作るからね」
奥さんは、そう言っていましたが、そのうちにそれはない、と思うようになりました。
私たちの部屋というのはそういうところでした。
それでも、私はそこが居心地よかったのです。ひどい部屋でも、従弟夫婦の目が届かないのは私たちにとって天国でした。
ある日の夕食が終わって洗い物を済ませて、忘れ物を取りにリビングに戻ると、家族たちが食後のメロンを食べていました。
奥さんが皿のメロンを素早く隠しました。私は見てみない振りをして、忘れ物を取ると、そそくさとリビングを出ました。私は、部屋に戻るとき、涙が出てくるのを止められませんでした。しばらく涙を流して落ち着くと、部屋に戻りました。萌々香の前では泣くことも許されませんでした。
死にたい、と私は思いました。
でも萌々香がひとり取り残されると思うと、生きなくては、と覚悟しました。
私たちには、最低限の衣服しかありませんでした。
テレビや洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどは買取業者に買い取られ、そのほかの物はお金になるものは換金され、最低限の衣服以外は捨てられるなど処分されました。
お風呂は終い湯に萌々香と一緒に入り、洗濯機を使うのも遠慮があったので、残り湯で下着などを洗濯していました。
萌々香は公立の小学校へ、私は私立の高校へと編入しました。あさ早く家を出て、4㎞の道のりを高校に通いました。その高校はレベルがとても低くて、英語の試験では自分の名前を英語で書けたら欠点を免れました。とうぜん私は、全教科ほぼ満点でした。
4㎞の通学の時間をかけて、こんな高校に通っても意味はないと思って、
「高校をやめて働きたいんですけど、いいですか?」
と奥さんにお願いしました。
「あなたの自由にしていいわよ」
すぐに私は、求人雑誌を見て、就職活動をしました。
現実は甘くはありませんでした。目星をつけていた企業に電話をしましたが、私の歳が若すぎるために、面接さえ拒否されました。
そんな時、コンビニの前にアルバイト募集の張り紙があるのを見つけました。
私はコンビニに入ってみました。アルバイトの事をたずねてみようとしましたが、いざとなると気後れしてしまいました。買い物をするでもなく、店内をうろうろしていました。でも私は、前に進む必要がありました。ここで負けてしまう訳にはいきませんでした。
お客がいなくなって、レジがひまになると、
「すみません、アルバイト募集の張り紙を見たのですが」
と、スタッフに聞いてみました。
「高校生?」
「いえ、違います」
私は、まだ高校に在籍していましたが、退学する腹積もりだったので、そう言いました。
「歳はいくつ?」
「18です」
本当は15歳でしたが、サバを読みました。
「いつから働ける?」
「明日からでも大丈夫です」
「では、明日8時に履歴書を書いて持って来て」
夜、履歴書を書き、あくる日の8時に、それを持ってコンビニに行きました。その日から私は、研修生のバッジをつけて働くことになりました。
お客が入って来ると、
「いらっしゃいませ」
と、小さい声で挨拶をしました。
1週間もすると、仕事にも慣れて、恥ずかしさもなくなりました。便所掃除や品出しも積極的に取り組みました。ここでクビになる事は私の思い描く将来の生活設計が狂うので、必死で真剣に取り組んでいきました。やがて一部の商品の発注も任されました。
収入を得る事で、私はひそやかな夢を持つことが出来ました。
小さなアパートを借りて、萌々香とふたりで独立して暮らすことでした。贅沢は出来なくても、誰にも気兼ねなくふたりで生活できれば幸せだと思いました。
その夢は無残にも打ち破られてしまいました。
給料日に家に帰ると、
「今日は給料日でしょ。出して!」
と、奥さんに給料袋を取られました。あとで分かった事でしたが、コンビニに連絡を入れて、給料日を調べていました。
奥さんは給料袋からお金を取り出し、10万円だったのが残ったのはわずか5000円でした。
「不満そうね。あなたここにただで住まわせてもらってるのよ。家賃と食費、電気代もふくめていくらになると思っているの?」
「でも取り過ぎだと思います」
私がそう言うなり、頬を叩かれました。
「ふざけるんじゃないよ。あんたたちにどれだけお金が掛かっていると思っているんだ」
すごい剣幕で怒られました。
私は、しばらくトイレに入って、声をひそめて泣きじゃくりました。
気持ちを落ち着かせて、私は部屋に戻りました。萌々香が宿題をしていました。
「萌々香ちゃん、お姉ちゃんとすこし散歩しない?」
「いいよ。どこへいくの?」
「お姉ちゃんの働いているコンビニに行ってみようか」
もうすっかり暗くなっていましたが、明るい大通りをあるいてコンビニに行きました。
「ここが、お姉ちゃんが働いているところだよ」
「ここでいらっしゃいませ、とか言ってるんだね」
「萌々香ちゃん、なにか好きなお菓子を買っていいよ」
「いいよ。お姉ちゃん、お金がないんでしょ。萌々香は我慢するわ」
「今日、給料が入ったの。だから今だけお金持ちだよ。だから今日だけ好きな物を買っていいわ」
「ほんとに? ほんとにいいの?」
私がうなずくと、萌々香はお菓子や駄菓子の棚で物色していました。両手にはお菓子がいっぱいになって、こぼれそうになっていたので、私は買い物かごを持ってきました。
萌々香は、お菓子の棚を見詰めていました。
「どうしたの?」
「このクッキーのチョコとバニラのどっちにしようか、と思って」
「どっちも選んだらいいわ」
「ほんとに? どっちも選んでいいの?」
「いいわよ」
コンビニからの帰り道は、とても楽しくて、萌々香と手を繋ぎながら、歌を歌って帰りました。月が低く大きく、美しく輝いていました。宵の明星の金星もとても明るく輝いていました。
萌々香は、部屋に戻ると、お菓子を並べていました。
「お菓子がいっぱいあるね」
私は、萌々香が嬉しそうにしているのを見ると泣きそうになりました。父親が生きていたら、こんな事にならなかったのに、と思いました。
「これはあした食べるの。それからこっちはあさって食べる。こっちはそのあと食べるの」
萌々香は、お菓子のそばに日付を書いた紙を置いていき、テーブル代わりにしている段ボール箱の上に並べました。
「楽しみが増えたね。今日はどれを食べるの?」
「今日は我慢する。今日、我慢したら、あしたから楽しみになるから」
入浴のあと、私たちは幸せな気分で布団に入りました。萌々香の足を、私の股のあいだに入れてあげました。萌々香の足は、とても冷たくなっていました。
私は寝床に入りながら、短歌を作っていました。
金星と月の女神とウォーキング 家路へ急ぐ足も軽やか
そうして私は寝落ちしました。
私が仕事から帰って来ると、萌々香が従弟の主人から棒で叩かれていました。
「やめて! なにするんですか!」
従弟の前に立ち塞がって、萌々香を庇いました。
すると従弟は、私の身体を打ち始め、
「じゃまするな! こいつは息子を怪我させたんだ!」
と、怒鳴りました。
「叩かなくてもいいでしょ」
「こいつは息子を怪我させたんだぞ! 謝りもしないんだ!」
「私が謝ります。ごめんなさい。ごめんなさい」
萌々香が学校から帰って来ると、物置小屋の部屋が荒らされていました。並べていたお菓子も食べられ、破られた菓子袋が散乱していました。そこに息子の男の子ふたりが立っていました。
「どろぼう!」
萌々香は、男の子のひとりに飛びかかって行きました。その拍子に、男の子は倒れて、たまたま置かれていた工具に頭を打ち、血を流しました。もうひとりの男の子が母親を呼びに行き、救急車で怪我した男の子は運ばれました。
急遽、父親が帰って来て事情を聞くと、萌々香を部屋から引っ張り出し、近くにあった角材で打ち叩きました。
「どろぼう!」
萌々香は、父親に向かって言いました。
父親は、その言葉で逆上したのか、激しく彼女を打ち叩きました。
「こいつめ! だれがどろぼうなんだ! 居候のくせに。泥棒はおまえたちだ!」
そのときに私は帰って来ました。
当然その夜は、夕食は食べられず、お風呂にも入れませんでした。私と萌々香がお風呂に入ろうとすると、お湯が抜かれていました。
部屋に戻ると、
「私は悪くない!」
と、萌々香は言って泣きじゃくりました。私も泣きそうになりましたが、萌々香の手前、泣くわけにもいきませんでした。私が泣くと、踏ん張っている私自身がガラガラと崩れてしまいそうになるからでした。
それが契機となって、私は箒の柄で叩かれ始めました。
「なにこれ! 埃があるじゃない!」
母親は、窓の桟を指でこすって埃をつけ、私に見せると、箒の柄で思い切り叩かれました。私は、仕事を持っていたので、時間をやり繰りして、掃除などに充てていました。母親は、私の都合などお構いなしに、あら捜しをしては叩きました。
ある夜、私は父親の夢を見ました。
「あっ、お父さん! よかった。やっぱり生きてたんだ」
私は、走り寄って、父親に生活の惨状を訴えようとし、もうひどい目に合わなくていいんだ、と助けられたような気がしました。
父親は、私を強く抱いてくれました。
「ひどい暮らしをしてるんだよ。むかしに戻れるんだよね」
何回も深くうなずいてくれた父親でしたが、なにも言ってくれませんでした。父親は、手帳を取り出して、予定表を見せてくれました。日曜日の欄に、倉敷と書かれていました。
朝になって目が覚めて、物置小屋の部屋を見ると、現実に引き戻されました。私は目を閉じてみました。父親がふたたび現れてくれるかもしれないと思ったからです。
余韻に浸っているひまはありませんでした。私は、素早く身支度をして、母屋のリビングやキッチン、廊下を箒で掃除しました。掃除機は家人が寝ているので使えませんでした。箒で掃き終わると、雑巾がけをして終わりました。それから萌々香を起こして、朝食がわりの菓子パンを食べさせると、急いでコンビニに行きました。
コンビニで仕事をしているあいだ、私は夢の事を思い出しました。久しぶりに会った父親のやさしい感触を思い出すと嬉しくなりました。
それをほかのスタッフに見られて、
「よっぽどいい事があったんだね。思い出し笑いをしてるよ」
と、からかわれました。
私は恥ずかしくなって真っ赤になりました。
夢の中で見た手帳の事が気に掛かりました。あれは父親が私に伝えようとしているメッセージのような気がしてきました。私は、コンビニの備え付けのカレンダーを見て、あの手帳の日付だと、今週の日曜日になるのだと知りました。
私は、家出の計画を立てました。
夢の中の父親を信じて、倉敷に行こうと思いました。父親の手帳の日付には、きっと意味があるのだと信じる気持ちが強くなっていたし、仮にそうでないとしても今の家には居たくないという思いがありました。コンビニのオーナーには、他所の土地に移り住むと言って、実行日の前日までの給料を清算してもらいました。
明日が実行日だという深夜、みんなが寝静まったころ、私は母親が隠している戸棚のお金を盗みました。盗んだといっても、これは私が働いたお金でした。萌々香のランドセルを物置小屋の奥に隠しました。ランドセルを持ち歩くことは出来ないし、学校に行っているように見せかけようとしました。
当日のあさ早く、萌々香を起こして、着替えさせました。
荷物は、それまでに準備していたので、着替えたパジャマを入れて、そっと家を出ました。コンビニでおむすびを買い、私鉄の駅まであるいて行きました。
「お姉ちゃん、どこに行くの? 学校は行かなくていいの?」
私は、萌々香にはなにも言っていませんでした。計画が漏れるのを心配したからでした。
「今から倉敷というところに行くよ」
「遠いの?」
「遠いよ。岡山県というところだよ」
「お姉ちゃんとどこかへ行くの、久しぶりだね。楽しいね」
私は倹約するために、新幹線で名古屋まで行き、そこから快速を使って米原、草津、西明石、姫路と乗り継ぎました。さすがに萌々香はくたびれたようでした。それに風邪気味だったので、ときどき咳き込みました。
「あれが姫路城だよ。綺麗だね。国宝になっているよ」
「真っ白だね。行ってみたいね」
「今度いつかきっと行こうね」
萌々香の気を紛らわせるために、私は知っている事を出来るだけ教えました。
倉敷に着いたときは午後も遅くなっていました。私たちは、人に聞きながらバスに乗って、美観地区に行きました。
「綺麗な街だね。ここはむかしからの街?」
「そうだよ。江戸時代の街が残ってるんだよ」
私たちは、川沿いをあるいて、夕刻まで観光しました。コンビニでお結びとお茶を買い、小さな公園のようなところで食べました。時間が刻々と過ぎていくと、私は不安になって泣きそうになりました。萌々香が咳き込んだので抱いてあげました。
缶コーヒーを持った高齢の男性が、入り口の植え込みの、低い石垣に座り込んでタバコを吸い始めました。4畳半くらいの小さい公園だったので、その煙が流れてきました。萌々香が咳き込みました。
「ごめんね」
と老人は言って、タバコを足でもみ消しました。その吸殻をタバコケースに入れました。
私は手を横に振って、
「この子は風邪気味なんです」
と言いました。
老人が缶コーヒーの残りを飲み干して立ち上がろうとするとき、私は近づいていきました。私が思い切って頼み事を言おうとすると、
「泊めてあげる」
と、先に言われました。
私は、萌々香に向かって手招きしました。
「少し遠いけど」
「大丈夫です」
「途中で休憩がてら、ファミレスに寄って行こう」
ファミレスで、萌々香がトイレに行っているあいだ、私は思い切って、「好きにして構いません」と言いました。私は逆境から逃れられるなら、どうなっても構わないと思いました。でも老人は相手にしませんでした。
驚いた事に、彼は私たちの父親の名前を知っていました。
父親の事を話すと、私は涙が出て来ました。先ほどまで、これからどうしょうと不安になっていた事が、父親の名前を知っているこの男性に会って、救われたような気がしました。たとえこれから厳しい世の中が待っていようと、従弟の家よりはましだと思いました。その安堵感から、私は涙が止まらなくなっていました。
私は萌々香の前では泣くまいと思っていたので、テーブルに備え付けのペーパーを取って涙を拭きました。
その高齢の男性の名前は、あとで知ったのですが、まるくんと言いました。
外国のおとぎ話に出てくるようなお城のような彼の家に着きました。
私は、
「ここはホテル」
と聞きました。
「自宅だよ」
エントランスに入ると、犬のバーニーズマウンテンが走り寄って来て、萌々香に纏わりつきました。その犬は高齢の男性にさかんに吠えていました。
「ここに住むの?」
萌々香が私に聞いていました。
「さあ? わからないわ」
「君は、犬の言葉が分かるのか?」
まるくんが萌々香に聞いて来ました。
「えっ、なんだか、そう言ったような気がして」
「さっきからこの犬は、君たちがここに住むのかって聞いていたんだ」
その犬が萌々香に吠えました。
「きっと、分かるんだ。私の名前は凜だよ。あなたは?」
「凜ちゃんって言うんだ。私は萌々香、お姉さんは桜花だよ」
「何がどうなっているの?」
私が聞くと、萌々香はこの犬と話せるという事でした。信じられないと思いましたが、まるくんが私の父親の名前を知っていた事を考えるとこういう事があってもいいと思いました。
部屋に案内され、私は備え付けの風呂に入り、ふかふかのベッドに入ると、久々に深い眠りに落ち込みました。犬の凜も、ここで寝ていました。
翌朝、目が覚めて、私はどこにいるのか、分からなくなっていました。コンクリの固く冷たい寝床ではなくて、やわらかな布団が信じられませんでした。
萌々香はすでに目を覚ましていて、
「おはよう、お姉ちゃん」
と声を掛けてきました。
今日は掃除しなくていいんだ、コンビニに行かなくてもいいんだ、と思うと気が楽になりました。
ドアがノックされて、まるくんがやって来ました。
「目が覚めた? 食事を用意するから、1階のキッチンまで来て」
顔を洗い、着替えて1階に降りると、凜がキッチンまで案内してくれました。その案内がないと迷うくらい広い家でした。
キッチンのテーブルに着くと、まるくんが目玉焼きとウィンナーの炒めたものと簡単なサラダを作ってくれました。
「パンは自分でトースターに入れて」
私は、萌々香の分のパンをトースターに入れました。
驚いたのは、食後の後片付けをまるくんがしていました。私は、すぐに洗い物を手伝いました。
「ゆっくりすればいいのに」
「いいえ、やらせて下さい。座っていると落ち着かないんです」
萌々香もお皿を食器棚に収めるなど、手伝いをしました。
数日後、私と萌々香は、まるくんとの養子縁組をしました。私の身体の痣はすっかりなくなっていました。
私は、父親のUSBを渡す人は、まるくんしかいないと思いました。
「これを父から預かっています」
ある日、私はまるくんと二人きりになると、USBを渡しました。
「お父さんからこれを?」
「これを大事な人に渡してくれ、と父に頼まれました。父はそのとき、死ぬかもしれないと思ったようでした。父には言えませんでしたが、私はなんとなく、それを感じました」
まるくんは、USBを受け取って、眺めたあと、私に言いました。
「桜花は、自分が不幸だと思っているだろ。でもそれは間違いだ。この世の中では君が主人公だ。君はただ不幸な人生を送っている人間を演じているだけだ。世の中は、主人公である君に不幸やマイナスを与えはしない。一見、不幸に見える事も、主人公の君にとって有利に働いているんだ」
「私が主人公?」
私は、なんだか不幸な星のもとから解き離れたような気がしました。




