第五百六十五話
ルイリと美胡は不安そうな表情をしているルゴバ達に、にこやかに微笑みながら声を掛けていく。
「……あれ? どうしたの皆、そんなに不安そうな表情をして……?」
「そうですよ? それではまるで、どうやったら私がゴーレムに搭乗している状態のヘレーネさんに勝てるのか、まったくわからない! と言っているようなものですよ?」
「……いや、言っているようなもの、というか実際にそう思っていて、今まさに直接聞こうと思って口に出す直前だったんだが……」
「そうだったか。それならちょうど良かったと言うべきなのかな、美胡?」
「そうですね、お屋形様」
「……ちょうど、良かった……? な、なんだ? ちょうど良かった、とは……?」
自身達の反応を見たルイリと美胡の二人が、揃って微笑んでいく様子に首を傾げていくルゴバ達。
そんなルゴバ達にルイリと美胡は、口で説明するよりも実際に見てもらった方が速いと言って、ヘレーネに美胡との模擬戦を始めるように、と話していった。
「いや、説明するよりも実際に模擬戦の様子を見せた方が早いかな? と思っていたものだから、ね」
「はい」
「……え? そ、それじゃあ、本当にもう、すぐに模擬戦を始めていく、と……?」
「はい」
「そうよ。ほら、ヘレーネ」
「……なんだよ?」
「なんだよ? じゃないわよ。私達の話を聞いてなかったの?」
「……いや、聞いてはいたけど……」
「……いたけど? いたけど、なんなのよ?」
「……いや、私と、その……」
「美胡と戦うのが嫌だっていうの?」
「……あ、ああ……そうだよ……」
「やれやれ……まあ、こんな感じだよ、皆。模擬戦の提案に美胡はニコニコしながら聞き入れていって、逆にヘレーネの方は嫌そうな顔で拒否してきた。これをこの二人の純粋な力関係だと思ってほしいね」
「う、う~ん……」
「む、むう……」
ルイリと美胡、それからヘレーネのやり取りを見て、ルイリの言葉を聞いたルゴバ達が、なんともいえない表情で唸り声をあげていく。
この様子を見たルイリと美胡は、やっぱり言葉だけでは無理だと判断して、ヘレーネに美胡との模擬戦を始めるように、今度は頼みではなく命令として話していった。
「……ふ~む……これでも駄目か……どうする、美胡?」
「……仕方ありませんね、お屋形様。こうなれば私とヘレーネさんの模擬戦を強行するしかないと思います」
「やっぱりそうか……だ、そうだよヘレーネ?」
「……う……」
「……ヘレーネ、これは命令だ。今からすぐにゴーレムに乗り、美胡と模擬戦をしなさい」
「……はあ、仕方ないか……」
ルイリから命令されたヘレーネは、物凄く嫌そうな表情でゴーレムを呼び出していく。
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