第五百六十四話
自分達の説明に胸を張っていったルイリと美胡とは対照的に、説明を聞かされたルゴバやクルト達は、それは本気で言っているのか……? という疑いの目で美胡がを見ていく。
そうしてルゴバ達は、実際に大丈夫なのか? と口に出してルイリに尋ねていった。
「……補佐官殿が……」
「……ヘレーネに対処する、ねぇ……」
「……うん? どうしたのかしら、皆? そんなに厳しい表情をして……?」
「……いや、我々が補佐官殿の実力疑うわけではないのだがな……」
「……その、補佐官一人でゴーレムを使える、心から服従してない存在の相手をさせるのは……」
「その、怖いと言いますかなんと言いますか……」
「……ふむ、つまり皆は美胡ではヘレーネが暴れた時にヘレーネの拘束ができないのではないか、と。それが心配なんだね?」
「あ、い、いや! 決して! 決してそういうことではありませんぞ、ご領主様に補佐官殿!」
「そ、そうだ! だから気を悪くするのは筋違いというか、なんというか……その……」
「……なるほどね。皆、あなたの実力を疑っているみたいよ、美胡?」
「ふむぅ、それは残念ですねぇ……」
ルゴバ達の話を聞いたルイリと美胡は、軽い溜め息を吐いたあとで大袈裟に首を振り、ルゴバ達の発言を残念がってみせる。
このルイリと美胡の仕草にルゴバ達が弁解しようとしたところで、ルイリが美胡に改めて実力を見せた方が良いのではないか? と話していった。
これに美胡も頷いていき、急遽美胡対ヘレーネの模擬戦が始まることになる。
「い、いや! 疑ってはいない! 疑ってなどいませんぞ、ご領主様、補佐官殿!」
「そ、そうだ! だから、その、そんな目で我々を見ないでくれないか!?」
「……私達はどんな目であなた達を見てるってのよ……」
「……ですが、そうですねぇ……皆が不安を抱えたまま次の作業を始めていくのは良くないと私は思うのですよ、お屋形様」
「それは、確かにそうね、美胡。それならどうやれば皆の不安が解消されるのか、なにか良い案はないかしら、美胡?」
「お任せください、お屋形様。皆様の不安を簡単に打ち消す案がとりあえず一つございます」
「おお、もう思い付いたのか。さすがは美胡だね」
「お褒めいただき、嬉しく思います、お屋形様」
「ありがとう。それで美胡、その方法とは?」
「はい。私とヘレーネさんの模擬戦です。お互いになにをしても良いという決まりの元で」
「……模擬戦……?」
「補佐官殿と、ヘレーネが……?」
「はい」
美胡の提案を聞いたルゴバ達は、再度不安そうな表情で美胡とヘレーネを見比べていった。
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