第五百六十話
ヘレーネから質問されたルイリは、若干複雑な表情をしながらヘレーネがやろうとしていた背後からの攻撃に気付けた理由を話していく。
「どうして、か……まあ私は? 前回の大戦の時に八年間ぐらい戦い続けていたからねぇ……」
「……それが、一体どうしたんだよ? なにをどうすれば私の攻撃を予測できるような話に繋がるんだよ?」
「……それぐらい長い間戦い続けているとねぇ、今さっきのヘレーネみたいに背後からこっそりと忍び寄って攻撃しようとしてきたり、寝ているところを襲撃しようとしてきたこともあったわけよ」
「……私と、同じように……って、いや、ちょっと待て!? 今なんて言った!? 寝込みを襲われたって言ったか!?」
「ええ、そのように言ったわね」
「……嘘だろ……しかもお前はどうしてそんなことまでされて生きているんだよ……」
「その襲撃に全部気付いて撃退したからに決まってるでしょ?」
「……そんな……馬鹿な……」
「まあ、というわけなんでね、さっきのヘレーネみたいなその場のノリで、という感じの雑な襲撃計画だとあっさりと私に気付かれちゃうから、もし私を背後から襲撃したいのなら、もう少し良く考えて、私が誰かと会話したりして完全に油断している時とかじゃないと無理だからね?」
「……なんでお前は、そんなことを私に教えるんだよ……?」
ルイリが話した、前回大戦での襲撃の経験を聞いたヘレーネは、そのあまりの内容に絶句してしまう。
そんなヘレーネにルイリは、もしも自分に襲撃をしてくるつもりなら、もっと良く考えて襲撃をしてくるように、と忠告をしていった。
このルイリの忠告にヘレーネはとてつもなく胡散臭いものを見るような目でルイリを見ながら、なぜ自身にそんなことを話してきたのか? と尋ねていく。
これにルイリは、ヘレーネに余計な襲撃をして無駄な時間を使いたくないからだ、と答えていった。
「そんなの決まってるじゃない。ヘレーネが私に対して下手に襲撃をしてこないようにするためよ」
「……ぬぅ……」
「ぬぅ、じゃないの。ヘレーネが無駄な襲撃をしてきたら、私達全員の時間が削られてしまうんだからね? それだけはちゃんと理解してよね?」
「……」
「返事は?」
「……わかったよ……くそが……」
自分の話を、唸りながら聞いていたヘレーネに対して、ルイリが返事をするように求めていく。
これにヘレーネはすごく嫌そうな表情で、嫌々返事をする。
そんなヘレーネの返事を無言で頷いて受け止めたルイリが、建設予定地への帰還を再開させていった。
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