第五百五十九話
ルイリのあとについて建設予定地に帰っていくヘレーネは、山岳要塞と工事が終わっている道の中間地点付近で、自身が操縦しているゴーレムへ無防備に背中を晒すルイリのゴーレムに攻撃を仕掛けてルイリ機を撃破することを考えていった。
そうして抱えていた木材をルイリ機目掛けて投げようとしたところで、突然ルイリから声を掛けられて動きを止めることになる。
「ふう、やれやれ……まったく、これを何往復もしないといけないと考えると気が滅入るねぇ……」
「……」
「まあ文句を言っていても早く終わるわけじゃない。だったら無駄口を叩かずに黙って木材の運搬を行うだけだね」
「……」
「……それにしてもさっきから私一人だけしか話してないねぇ……まあ別にどうでも良いことなんだけど……」
「……」
(……今ならこいつ……ルイリは安心しきって油断してる……今なら……今なら、私にもこいつを倒せるんじゃないか……!?)
「……それともまさかなんだけど、話す元気もないぐらい疲れた、とかそんな信じられないことを言うつもりじゃないでしょうね? そんなことを言っても最初の約束通り、休憩時間は取らないからね? だから気合いでついてきなさい!」
「……」
(……いける……いける……!)
「……さて、美胡達はどこまで作業を進めているかな……あんまり期待しない方が良いのか、それとも期待して帰った方が良いのか……悩むなぁ……」
(いけっ!!)
「おっとそうだ、ヘレーネ。そろそろ言っておかないといけないことがある」
「……ういっ!? なんだよ突然!?」
(まさか、気付かれた!? いや、でもどうやって!?)
ルイリ機に攻撃を仕掛けようとしたまさにその瞬間、何の前触れもなくルイリから声を掛けられたヘレーネは、心臓が止まりそうなほどに驚いた。
そうしてヘレーネはルイリに、どうして突然声を掛けてきたのか? と尋ねていく。
この問い掛けにルイリは、意味深な笑いを見せながら答えていった。
「ずっと無防備に背中を見せてるんだから、いつでも攻撃を仕掛けてきても良いんだよ?」
「!!」
「どうしたの? 私に攻撃しようとしてたんでしょ? それとも、怖じ気づいちゃった?」
「……なんで……どうして、私が攻撃しようとしていることに気が付いたんだ……?」
ルイリが、自身が攻撃を仕掛けようとしていることに気が付いていたことに驚愕するヘレーネ。
そのためヘレーネは、ルイリにどうして自分が攻撃しようとしていることに気付いたのか? と尋ねていった。
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