二人の悪役令嬢
複数の弦楽器が紡ぎ出す円舞曲が鳴りやみ、シルフィーとダボンのダンスも終わる。先ほどのエリオットのものと比べるとあまりに、下手くそで、無様で、みっともないものではあったが、最後まで躓かずに踊り切れたことにダボンは満足していた。周囲からは「田舎ではああいう珍妙な踊りが流行っているのか」などと中傷されたが、今まで散々馬鹿にされ続けたので逆にどうでもよくなってしまっていたのだ。
「上手に踊れていたじゃない」
「シルフィーさんのおかげです。まさか僕の人生の中で、こんな立派な服を着て、こんな大きな広間で、大勢の人に見られながらダンスをする機会があるなんて思ってもみませんでした」
ダボンはぐるりと周囲を見渡せば、目に入るものはどれも故郷のマンバナ村にはないものばかりだ。そしてそんな煌びやかな世界を見て苦笑した。
「でもこれが最後にしたいですね」
「まったく……同感ね」
シルフィーも同じ言葉を口にする。その直後にそれが追従のおためごかしではなく心からの言葉だったと気づき、ダボンと同じ表情になった。
そんな彼女に薄黄色のドレスを纏った女性がいそいそと近づいてくる。それはシルフィーの学友だったカーナだ。
「お疲れさまでした。シルフィー様」
手に持っているのは水の入った大ぶりのグラスだ。それを見て、学園時代シルフィーの世話役だった彼女はよくこうして自分の世話を焼いてくれていたこと思い出す。
「学園じゃないんだから、もうこんなことしてくれなくていいのに」
学園の女王様の座から失墜し、犯罪者扱いされ、辺境に島流しにあった自分に媚びる理由など、彼女にはもうないはずだ。ひょっとしたら父であるザカードについてやるように言われたのかもしれないが、それでも学園を退学させられた自分や、ルナ家に忠義を示してくれる彼女にシルフィーは感謝した。
「私が好きでやっていることですから」
「そう、じゃあ、ありがたくいただくわ」
懐かしさとともにグラスに唇をつける。そうして彼女の優しさに感謝しながら水を、一口、二口と飲んでいく。
(お水1杯でカーナにこんなに感謝したことはなかったかもしれないわね)
同じようなことを今までさせていたが、ここまで感謝したことは一度もない。もちろん当時の彼女は仕事として世話役をカーナに命じていたので、上下関係のなかでの労いの言葉はかけていたが、ここまで真剣に有難いと思ったことはなかった。
「ありがとう、カーナ。甘くて美味しいわ」
「ただの水ですよ」
「でも美味しかったわ。きっとカーナが持って来てくれたからね」
昔なら絶対に出てこなかった言葉に、自分でも気が弱くなっているとシルフィーは感じていた。だがそれもいいだろう。学園時代のトラウマに、その後の謹慎、田舎暮らしが続いたせいで、社交界での勘や立ち振る舞いはすっかり錆びついてしまっていた。しかしもうそれも必要ない。辺境で貴族ごっこをする分には、もうそれほど気を張るはないのだ。
グラスは大ぶりのものでまだ水は半分残っているのだが、飲み干すのが何だか勿体ない。
そんな極めて彼女らしくない考えが頭を過ったとき、かつてのシルフィーと同種の自尊心と、同列の振る舞いをそのまま纏った女は現れた。
「ごきげんよう、シルフィー」
それは非礼ではないが、こういった公の夜会では珍しい。学園ではよく使われていた挨拶の言葉だった。しばらく前にカーナが自分に対しても使ってくれていた言葉だ。だが目の前の女性が使うと全く違った印象に聞こえた。
「ええ、ごきげんよう。ネミッサ」
栗色の巻き毛をした女性にシルフィーは答える。ネミッサ・ターノス。学園時代におけるシルフィーの最大のライバルにして、今やルナ家を押しのけて四大貴族の筆頭にのし上がったターノス家の令嬢だ。そしてその隣には婚約者であるセインの姿があった。
(ここで出てくるわけね……)
先日聞いたアリスからの助言を思い出す。ネミッサとセインが宴席に参加していたのは当然気がついていたが、彼女たちが自分に声をかけてくることはなかった。すでにアリスから「無実」の言葉とエリオットからの無言の追認ももらい、宴も酣といったこの局面で彼女が声をかけるのは、シルフィーも予想外だった。
(あの娘の言葉に従うのも癪だけど、無視するわけにもいかないわね)
「ターノス家が何か企んでいる」そう彼女は言っていた。先ほどは助け舟を送ってくれたアリスだから、今さらあの言葉が嘘だったとも考えにくい。彼女の「悪かったと思っている」という言葉が真実だったと思い、シルフィーの胸中は複雑だった。
「ずいぶん久しぶりだけど、顔色は良さそうね。名前も聞いたことがないような辺境に引っ越したと聞いたから、すっかり心配してしまったわ」
「あら、心配してくれるのね。しばらく見ない間に優しくなったじゃないの」
「あら、私はもともと優しいわよ。貴女と違ってね。学園にいた時はアリスに随分と酷いことをしたものね……ねぇ、シルフィー?」
これ見よがしに笑って見せる。それはシルフィーにとって痛い所だった。今回、許されたのはあくまで「エリオット王太子の暗殺未遂」だけであり、過去のアリスへの非礼まで許されたわけではないからだ。もちろん先日アリスは私的に「許す」と言ってくれてはいるが、別にシルフィーが実際に行った悪事までがなくなるわけではない。
シルフィーは自分が無意識にアリスの姿を探していることに気づき、己を叱咤する。確かにアリスならここで自分を助けてくれるだろう。だがそれはアリスの株が上がるだけで、自分の有利には繋がらない。
何しろ「上級生に金を握らせて脅した」など、どう言い繕っても悪事にしか聞こえないからだ。もちろんここにいる貴族たちは多かれ少なかれ同じことをしているのだが、それが許されるのはバレないこそだ。そして何よりシルフィーは依然としてアリスのことが大嫌いで、彼女にこれ以上借りを作るなど死んでもごめんだったのだ。
「どうしたのかしら? お友達の影に隠れてだんまりなんて貴女らしくないわね」
「え?」
気がつけば一歩下がっている。それはまるでカーナの影に隠れてしまっているようだった。
(私がネミッサに気圧されている!?)
怖いのはアリスだけだと思っていた。
無意識に下がっていた足に困惑する。学園時代、シルフィーは彼女のことを格下だとみなしていた。そんな相手の言葉に一歩下がってしまっていたのだ。
「でも安心したわ。シルフィーにもちゃんとお友達がいたのね」
「ど……どういうことよ」
「だってあのときは誰も助けてくれなかったじゃないの」
「…………っ、それは……」
「ああ、ごめんなさい。別に嫌みじゃないのよ。ただ貴女には友達なんていないものだと思い込んでいたのよ。ちゃんとお友達には手紙は書いてるの?……ああ、でも辺境のさらに奥地じゃあ手紙なんて届かないか。噂だと魔物が沢山出るのよね? 通信魔道具はちゃんと持っていっているのかしら」
「う、うるさいわね……」
通信魔道具には効果範囲があり、それを超えての通信には中継基地がいる。魔石が大量に準備しているルナ領といえど、さすがに全土に通信網を張れるほどの余裕はない。そしてもちろんネミッサもそんなことは知っていた。
「ごめんなさいね。余計なことを言ったみたいで。こう見えても私、何にもない田舎に追いやられてしまった貴女のことを可哀想に思っているのよ」
「そ、そう……まさか貴女に心配されるとは思っていなかったわ」
「だって、あのときの貴女って、誰一人助けてくれる人がいなくって、本当に惨めで可哀想だったもの。さすがの私も同情しちゃうわ。ねぇ、セイン?」
「ああ……まぁ、コイツの評判は当時から散々だったからな。だがそれは自業自得だろう。可哀想かと言われると……どうかな?」
「厳しいわね、セインは」
ネミッサはわざとらしく笑う。
自分も本当はちっとも同情などしていないのにだ。
そしてたった今気づいたようにわざとらしく訊くのだ。
「ところで、さっきから気になっているんだけど、そっちの彼は? ひょっとして貴女の新しい恋人かしら?」
「ああ、ダボンのことね」
「へぇ、ダボンって言うんだ。貴女の新しい恋人」
「ええ、さっきから色々な人に紹介したつもりだったけど聞こえていなかったのね。少し耳が悪くなったんじゃないかしら?」
「こちらはこちらで忙しかったのよ。ほら、うちの家って、序列が上がったせいで色々な人が挨拶に来るの。そのせいですっかり貴女に声をかけるのが遅くなっちゃったのよ。ごめんなさいね。シルフィーだって無関係じゃないのに」
ネミッサは見下すように笑う。
そんな二人のやり取りをダボンは胃が痛そうな顔で見ていた。シルフィーの恋人だと言われたのにちっとも嬉しくないのは見て取れるほど悪意が濃厚に渦巻いているからだ。内心「こんな美人がよくこれだけ悪そうに笑えるな」と考え、途中で思いなおす。マンバナ村を出てからはあまり見ていないが彼の好きなシルフィーもたまにこんな顔で笑っているからだ。
ネミッサの隣にいるセインに視線を配ると、彼はあまり女同士の口喧嘩に興味がないのだろう。シルフィーのことなどどうでも良さそうな雰囲気だった。
「あらためて紹介するわ……ほら」
「あっ、はい……ルナ領マンバナ村の領主、ダボン・マンバナです」
「こちらこそよろしく。私はネミッサ・ターノス。こっちは婚約者のセイン・ナロクよ」
紹介されセインは「セイン・ナロクだ」とだけ名乗ると、ダボンに視線を移す。そして彼の体格や物腰を見てから興味がなくなったように視線を切った。
それにネミッサは目聡く気づく。
「どう? シルフィーの恋人は?」
「ああ、いい身体つきだな。力は強いんじゃないか。でも武術の類はやってなさそうだな」
「そうなんだ……ねぇ、貴方、本当に何も武芸は嗜んでいないの?」
「え、ええ……剣術とかはやっていません。でも僕の住んでいるマンバナ村は頻繁に魔物と戦っていますので、槍の突き方や弓の引き方は学びます。それが武芸と言えば武芸かもしれません」
「槍と弓?」
槍と弓と聞き、再び興味が沸いたのかセインは尋ねる。
「それにしてはお前の動きは緩慢だな。悪いがやっているようには見えないが?」
「両方とも苦手なんです。普段はもっぱら鈍器を使っています」
「そんなもので魔物とやれるのか?」
「まぁ……相手によりますね。先ほどの話に戻りますが、うちの村ではちゃんとした武術みたいなものはありません。どちらかというと個人の武術よりも、集団の戦術の方が重視されています。個人が武術をひたすら研鑽するよりも、沢山の人数で囲んで戦う方が確実に勝てますから」
「何だと……!」
ダボンの言葉にセインが気色ばむ。それを見てダボンは内心で「しまった」と後悔した。
セインはこの国最強の男である近衛騎士団長の息子だ。幼少期から武芸の習得に明け暮れ、その剣才は学園で随一。文武に優れるエリオットでさえ、彼には最後まで勝てなかったという。何かと一途で悪い男ではないのだが、機嫌を損ねると途端に面倒になると、シルフィーから聞いていたのだ。
「お前は剣術を莫迦にするのか?」
「あ、いえ……そういう訳では」
「なら、どういう訳だというのだ!」
「僕は単に数の有利について言及しただけで……」
「田舎剣術しか知らぬお前に言っても仕方ないだろうが、本物の剣士は数の趨勢などものともしない。それを覆せるのはやはり本物の剣士だけだ!」
「ま、まぁ……そうなのかもしれませんが」
セインの思わぬ剣幕にダボンはたじろいだ。「ターノス家に気をつけろ」と聞いていたからネミッサには注意するつもりだったのだが、まさか隣にいるセインから難癖つけられるとは思っていなかったのだ。しかもそれが悪意ではなく、彼の場合は本心であるから質が悪い。
「シ、シルフィーさん……」
ダボンは助けを求めるようにシルフィーを見る。
するとシルフィーの様子が何やらおかしい。顔が青ざめ、グラスを両手で握ったまま、身体が僅かに震えているのだ。それはまるでアリスを前にした時と同じ症状だった。
「シルフィーさん、大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ」
気がつけば周囲に人だかりがある。ダボンは気づいていなかったが、実はネミッサは最初から離れた場所に囲うようにして取り巻きを配置していたのだ。最初はバラバラの数名だが、それが少し距離を近づければ集団になる。そして人が集まると、それは自然と人目を引き、人が人を呼んでいく。
『ルナの魔女がターノスと揉めている』
それは見物するには十分に見ごたえのある見世物なのだ。
(気持ち悪い……)
視線に晒され吐き気がこみ上げてくる。実際にはシルフィーもダボンも会場に来てから何も口にしていない。ダボンには宮廷の作法を急造で詰め込んだが、それでもとても全ては覚え切れるものではない。そのための対策だ。強いて言えば今持っているグラスの水くらいで、それが逆に有難かった。
周囲には分からないように口をゆすぐと少し吐き気がマシになった。
「ごめんなさい、セイン。ダボンも悪気があった訳じゃないのよ。棍棒を振り回して魔物を追いかける田舎者のいう事だから、あまり気にしないで」
「だが――」
「まぁ、いいじゃないの、セイン。あの、シルフィー・ルナが大切な恋人のために頭を下げているんだから」
巻き毛を揺らして余裕の笑みを見せる。その笑みを見てシルフィーの頭に血が上る。何しろ今、彼女は頭など下げていないのだ。
つまり彼女はこう言っている「衆目の前で頭を下げれば許してやる」そういう事なのだ。
(調子に乗って……!)
激情に駆られる。一年前には格下と思っていた女に頭を下げろと言われたのだ。先ほど怯えていたのが嘘のように感情が波打っていた。
(この水をぶち撒けてやりたいわね)
手に持ったグラスは大ぶりなもので、まだ半分ほど水が入っている。それをこの調子に乗った女に頭からかけてやれば少しは気が晴れるかもしれない。
グラスを握っていた指に力が入る。
しかし――
「ごめんなさい」
それでもシルフィーは頭を下げる。
公衆の面前でだ。
「ダボンにも悪気はなかったのよ。許してくれないかしら? セイン」
セインの話は言いがかりに近いし、ダボンに非がないことは理解している。だがこれはそういう問題ではないのだ。そして意のままに頭を下げたシルフィーを見てネミッサはご満悦だ。
「別にいいわよ。そこまでしてくれなくても」
「そ、そう……でも悪いのはこちらだから」
「だったら言うな!」と怒鳴りつけてやりたいが、それも我慢する。揺さぶりをかけてきているのが解っている以上、対処は可能だ。そういう意味ではクラウスの方が上手かったと言うべきだろう。
血が逆流するくらいの怒りを抑えてシルフィーはぎこちなく笑う。
そんな彼女の笑みをネミッサは余裕の笑みで迎え撃った。
「それにしてもシルフィーって本当に丸くなったわね」
「そうかしら?」
「ええ、前はこんなに優しくなかったもの。大切な恋人のために頭を下げてあげるなんて、プライドの高い貴女は絶対にやらなかったわ」
ネミッサはことさら「恋人」という言葉を強調する。するとダボンを見た周囲の貴族達からクスクスと笑い声が聞こえた。絶頂から転落した大貴族の娘が辺境の醜男と結婚させられる。しかもそれが己の悪事によってだ。その物語が楽しくて仕方がないのだろう。最初は仕込みの取り巻きだけが笑っていたのだが、そういう空気が出来上がれば周囲が追従するのに時間はかからなかった。
「田舎暮らしが長くて、棘が取れたのかしら? 今の貴女の方が素敵よ。私は好きだわ」
「そ、そう……ありがとう」
「好いわね。猥雑な街の喧騒を忘れてゆっくり出来て羨ましいわ。その何とか村っていう所は素晴らしい所なんでしょうね」
「ええ、そうね。不便だけど、人は優しいし良い所よ……」
「そうなのね」
ネミッサは二コリと笑う。気品があるのに悪意に満ちた、実に貴族らしい笑みだった。
それをシルフィーは我慢する。
「そういえば、貴方ってその……何だったかしら? その村で素敵な名前で呼ばれているんだもの。みんな本当に善人ばかりなんでしょうね」
「え!?」
ドキリとする。
嫌な予感がするのだが、その心の準備をネミッサは待ってはくれなかった。
「ああ、そうそう思い出したわ。マンバナ村よ。貴女そこでは聖女って呼ばれているのよね……マンバナ村の聖女さん」
「―――—!」
頭の中が白くなる。
それはとても、屈辱的で、恥ずかしく、嫌悪感すらもよおす忌み名だ。
そしてそれは周囲の野次馬達にとって、これ以上ないほど滑稽な称号だった。
「ど、どうして、それを――!?」
混乱する。
周囲から嘲笑が聞こえてくる。だがそれも当然だ。王都では魔女などと言われている女が、人目の届かない辺境で聖女などと崇めたてられているのだ。これが嘲られない筈がない。
それと同時に困惑する。
マンバナ村はルナ領の中ですら隔絶された場所だ。先ほどネミッサが揶揄したように通信魔道具は通じていないし、手紙を出すことさえも困難だ。
万が一噂が伝わってきたとしても、それは自分たちがマンバナ村を出る直前のことで、ターノス領にいた彼女が知る筈がない。
(この話を知っているのはダボンと私以外にいないはずなのに、なんで――!)
そして気づく。
この名前を知っている人間は、この場にもう一人いる。
そんなことを知っているのは――
「カ、カーナ……?」
先ほどから隣に立っている女を見る。それは昔からの知り合いで学園に入ってからは自分に側仕えしてくれていた少女だ。その彼女が細い縁の眼鏡の奥から愉悦混じりの視線を送っていた。それはこれまで一度もシルフィーが見たことのないカーナの貌だった。
「ああ、そうそう。シルフィー、そういえば私、最近新しい友達が出来たの。紹介するわ」
そういうと、カーナはシルフィーの元を離れてネミッサの元へと歩み寄る。その光景をシルフィーは呆然と眺めていた。
「カーナ……貴女、さっきお父様の指示で」
「それは本当です。ザカード様に命じられないと、私程度の者がこの場に参加出来るはずがありませんから。だから最初に声もかけたし、お水も持って来てあげたじゃないですか。でも……」
ここで一度、カーナは言葉を区切る。
そしてシルフィーを見て言い放った。
「ルナ家って、もう落ち目ですから。私が新しい主を探すのは私の勝手ですよね」
「―――—っ!」
シルフィーは言葉を失う。
一気にどん底に突き落とされた気分だった。
「そんな……貴女、私を裏切って……」
「そうは言っても、一年前まで私は貴女のただの小間使いだったはずです。いきなり親しさを求められても困ります」
「という訳よ。やっぱり貴女には友達がいないみたいね」
最後に勝ち誇ったようにネミッサが宣言する。
それで完全に頭が真っ白になった。
シルフィーもネミッサも『悪役』令嬢です。実は他にもライバルキャラに相当する女の子があと3人いて、この場にもいるのですが登場はしません。隣国の留学生であるシンも、すでに帰国しているために本編には登場しません。
彼らはもうシルフィーの物語には関係のない人物なのです。
色々と設定を小出しにしている「後書き」ですが、気に入っていただけたら、感想や、評価、ブックマークなどをしてみて下さい。




