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第37話:加護の代償

睡眠勇者をお手に取って頂きありがとうございます!本作品は基本的に1日3話投稿で7:10、11:10、18:10になっております。それでは、睡眠勇者夢一郎もといはレイズの冒険を読んで頂ければ幸いです!

第37話:加護の代償

そこには珍しくお母さんが料理本片手に何か唸っていた。

「母さん……?」

「夢一郎!?大丈夫?かなりうなされていたわよ……」

母さんは心配そうな表情で、僕を見つめる。

「そんなに……苦しそうだった……?」

「えぇ、小柳先生がちょっと危ないと判断して、鎮静剤を打ってから、しばらくして突然血圧と脈拍が下がり始めて……だから……だから……っ……!」

母さんの涙は初めて見たが想定よりも辛いものを感じた。

「ごめんね……心配かけて……実は夢で特別な力を手に入れたからそれが原因かも……」

「謝らないで……夢一郎もこうなるとは予測してなかったんでしょ?……それにあなたは夢の事を話す姿は楽しそうだもの……お母さんはね、あなたがこの夢を見るようになってから話せる時間は減ったけど小柳先生や旦那様の話を聞くと安心するの……」

母さんはここまで僕のことを信頼してくれてるのか……なら尚更魔王を討伐しないといけないけど……僕に出来るのだろうか……

「ねぇ、夢一郎。お母さんにも夢の話聞かせてもらえる?」

「いいよ。かなり長くなるけど……」

すると母さんはカバンからコーヒーを取り出す。

「夢一郎、このカフェラテ好きだったから久しぶりに買ってきたわ。一緒に飲みましょ」

「おぉ〜!久しぶりだよ母さん!」

そのまま、カフェラテを飲みながら夢の話を語り出す。

母さんは楽しそうに聞いてくれて、色々質問もしてくれた。それが嬉しくて、久しぶりに現世で2時間くらい喋っていると、小柳先生が入室してくる。

「夢一郎おはよう、お母様もお疲れ様です。夢一郎君、トリアチンエルゾラムの準備が出来たよ。その前に……夢の中で何かあった?」

僕は体験した事を全て話す。

「うーん、鎮静剤打った時に加護の力を貰ったりすると危なそうだね……加護の力を貰う時は1度僕に伝えて欲しいな」

「分かりました、先生。可能な限り善処します」

僕はトリアチンエルゾラムを打つ為に、点滴などを看護師さんと小柳先生が準備してくれるのを眺める。

「小柳先生……僕は魔王を倒せるでしょうか……」

「……倒したいと思ってるなら倒すのが1番いいよ。無理に怯える必要はない。大事なのは『いのちだいじ』戦略思考と敵の弱点などの情報を集める事だよ」

そうだ、無理に怯える必要はない。死雨の魔皇ハリケウスの攻撃は僕には届かない。だが、事前に情報を集めておきたい。そんな事を考えていると母さんが、僕の氷の加護を受けてからより冷たくなった手を握ってくれる。

「夢一郎……無理はしちゃダメよ……」

「母さん……僕は魔王を倒したら小説家になるよ。それなら病院からでも仕事ができるし、学歴とかも関係ない。だから小説家を目指す」

母さんは静かに頷いてくれた。

「夢一郎君、準備できたよ。あとは前回と同じく準備が出来たら、点滴のこのボタン押してね」

「ありがとうございます。小柳先生、それじゃあ母さんも行ってきます」

「「行ってらっしゃい」」


目覚めるとそこはサーンライトのホテルのベッドの上だった。

すると真っ先に駆けつけてくれたのはライラだ、血相まで変えて……

「レイズ!心配したんだぞ!!何があったんだ!?」

「ごめん少し疲れていた……」

「ラオスもお前を連れて来たら即倒れて、先ほど目覚めたんだ……まさかセレーデが何かされたのか!?」

ラオスも酷く疲れたのか……体力は僕よりあるのに、意外だな。

「あぁ〜、ライラ。問題ないぞ、セレーデからは氷の加護を受けただけだ」

「氷の加護を受けた……のか……かなり危険なのは聞いているのか?」

僕とラオスは首を横に振る。

「あれは攻撃の意図を持った水を無制限に凍らせて、砕くことが出来る加護だ。逆に言えば水属性攻撃を多数使われたら魔力切れで戦闘不能になる恐れもある」

そんな恐ろしいデメリットが……いや、でも考えてみれば当然か……何かをするには何かを使わなくちゃいけない。それが魔力なのか体力なのか精神力なのかその程度の違いだ。

「だけどまぁ……死雨の魔皇ハリケウスには有利に戦えるだろう。同時に水属性攻撃はなるべく回避して魔力の消耗を抑えろ。私は今回の作戦には参加しないことに決めた……国のために戦って尽くした者たちを撃つことは私には出来ない……」

「ライラ、心配しないで。僕達はライラの意見を尊重するって決めてたから。ですよね、ラオス?ラインハルトさん?」

「俺もそのつもりだぜ」

「私もライラ様が望むなら共に待ちます」

ライラは静かにソファに座ると時計を眺める。

「もうすぐ会議が始まるんじゃないか?ラオスとレイズで行ってくるといい……私は裏切り者ですら撃てないからな……」

僕は悩んでいた。ライラにも本当は参加して欲しい。ライラの射撃技術は確かなものだ。それ無しで要塞砲やバリスタに挑むのは正直怖い。

「レイズ様、この国のカービンライフル騎兵隊はとても優秀です。何せ何千年も生命と奇跡の花を守り続けていたのです。仲間を信頼しましょう」

ラインハルトさんの意外な言葉に一瞬なんとお礼を言えばいいか分からず、咄嗟に出た言葉が……

「ありがとう、戦う仲間達を信じるよ」

安すぎる言葉だった。そのままラインハルトさんに見送られ、馬車に乗るとフレイズム勇者団やセレーデパーティ、聖雷の教義団もいた。昨日とほぼ変わらないメンバーだったのがせめてものメンタルの救いとしか言えない。

そのままグレイランド騎士団長の執務室に僕達勇者パーティは集められ、何事かと思った。

ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!ご拝読お疲れ様です!1日3話というスケジューリングなので前書きも後書きもテンプレートなのをご容赦ください。

これからも睡眠勇者をよろしくお願いいたします!レビューや評価も面白ければお気軽にして頂けると励みになります!

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