第32話:サーンレイリア王女行方不明事件
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第32話:サーンレイリア王女行方不明事件
白騎士……そんな称号が似合いそうな警備兵士に身分証明書を見せて通してもらう。
「先程の白騎士、相当腕が立ちそうだな」
珍しくラオスが周囲への意見を表する。
「そうだな、私でも勝てるかどうか……」
「僕なら勝てるかな?」
冗談半分の発言にラオスが応えてくれる。
「1VS1なら勝てるかもな。だか、あの2名同時に相手したら勝てる見込みはないだろうな。連携戦術を弁えている感じだ」
「なるほどね。僕も皆と協力して何か強力な技が撃てたらなぁ……」
「ダジャレか?」
驚いた、この世界にダジャレの概念が存在するとは……
ライラがクスッと笑うが、ラインハルトさんはハテナを頭に浮かべている。
「まぁ、だが私達ならきっと何か強力な技を作れるようになるさ」
「ライラ様の仰るとおりです。私達ならできると信じております」
白騎士の方々に案内されながら僕達は謁見の間に着き、ご丁寧に椅子まで用意してもらった。しかも白樺の皮付きの白を基調としながらも、鮮やかな緑色の金属でツルのように装飾されている。
謁見の間では静かに待つのが暗黙のルールという事もあり、静かに僕達は座っていた。
5分くらいだろうか一切の金属音も立てずに奥の扉が開き、緑と赤を基調としたマントと王族用の軽量鎧、王冠には拳くらいはありそうな緑色の宝石が付けられていた。
「座ったままでいい。ようこそ、我が城へ。レイズ勇者、そしてその盟友達、まずは来てくれた事に感謝を」
王様が深々と頭を下げるので僕達もすぐに頭を下げる。
「レイズ勇者様達も恐らく生命と奇跡の花を頂きに来られたと思います……ですが、ここしばらく沢山の勇者様や偽装魔法で何度も生命と奇跡の花を手に入れに来た者も多くいるので、残りは僅かなのです……この花が潰えれば魔王との戦いに圧倒的に不利になります。なので私のお願い事を聞いてもらえないでしょうか?」
僕達は顔を見合せ、すぐに僕に判断が委ねられるのを感じる。
「生命と奇跡の花は僕達にとっても重要なアイテムです。お話だけでも聞かせてもらえませんか?」
すると王様は頭を上げて、それは心強いと言わんばかりに、隣の騎士から皮のカバンを受け取り、1枚の紙を取り出す。
「私の一人娘の映し画と身体や趣味の記録です。娘のサーンレイリアは3ヶ月前から行方が分からなくなっており、国中を探しても未だに見つからず終いです。だからどうか、天才頭脳と名高いレイズ勇者様に探して頂きたいのです!その間はこの城の兵士や部屋は好きにお使いください!可能ならばあと二週間で見つけて欲しいのです。娘の……17歳の誕生日なので……」
僕は王様がどうしてここまで謙虚なのかわかった気がした。娘さんの為に頼れる綱は全て頼って僕達にたどり着いた、そして最後の頼み綱という事だろう。
「承知致しました。勇者としてではなく、1人の人間として娘様を、サーンレイリア様を全力で探して参ります」
「ありがとうございます……!ありがとうございます……!」
「ちなみに当時の城の警備はどうなっていましたか?」
王様はしばらく思案したようで、答え出す。
「サーンレイリアの私室のある塔には外部からは侵入不可能な物理干渉結界が張っており、入り口も4名の派閥違いの騎士に見守られせて、相互警戒させていました。そして行方不明になった朝にメイドが朝食を持っていた時には既におらず、荒らされた痕跡もありませんでした……よろしければ案内させましょうか?」
僕の答えは決まっていた。
「お願いいたします」
捜査の基本として現場検証は重要な役割を果たす。だが既に3ヶ月前から行方不明となると現場の証拠隠滅をされた可能性がある。逆に言えば塔から出る時に不自然にも合理性があるところを見つけられれば、そこから逆算してある程度までは推理できる。
「では、私騎士長グレインランドがご案内します」
「よろしくお願いします」
僕達は騎士長について行きながらラオスが僕に質問する。
「なぁ、レイズ。お前、本当に見つけられるのか?」
「やれる事だけの事はやる。そう決めてるから、それにラオスなら同じ王族だし、心当たりも思いつきやすいでしょ?」
「全く、あんたは本当に褒め上手だな」
すると騎士長さんが楽しそうに声をかける。
「仲が大変よろしいのですね」
「はい、僕の大切な仲間達ですから。ところで1つお聞きしてもいいですか?」
騎士長さんはなんでもどうぞ。と答え、僕は質問する。
「次に王様になる役職ってどの役職になるのですか?」
「一般的には騎士長が最有力候補ですが閣僚または国内最高峰の魔術師の方が選ばれます。なので私も犯人候補ですね」
騎士長は笑っている。かなり余裕のある笑い方だ。
するとライラが何かに気がつく。
「グレイン殿、もしやサーンレイリア様のお部屋はかなり高い部屋なのでは?」
「はい、6階にあります。もうすぐ着きますよ」
そしてドアが開かれると30メートル前後だろうか、その先の廊下には王様の言ってた通りの4名の騎士が互い警戒しており、騎士長を見たらすぐに部屋に入れてもらえた。
「これが……」
「なるほど、これが姫様のお部屋ですか」
ラインハルトさんはそう言うと部屋の縁を歩き始める。
ライラは窓を見て、手すりに特に注目する。
そんな中で僕は外の騎士の方に話を聞く。
「すみません、サーンレイリア様が行方不明になった日の警備はあなたがたですか?」
騎士達は誰から話そうか悩んでいるようだ。派閥違いだと1歩間違えれば、派閥の足を引っ張りかねないのだろう。
するとグレインランドさんが声をかける。
「サーンレイリア様が誘拐された日は彼らが警備してしましたよ」
「……なるほど。ちなみにグレインランドさんはどんなスキルや魔法を持っていますか?」
少し考える素振りを見せて、指を曲げる。数えてるようだ。
「サーンライト式聖剣術は全て扱えます。あと水属性と花属性が扱えます……と言っても初歩的なものですが……」
なるほどね、ならもう少し証拠を固めようかな。
「グレインランドさんの鎧、随分新しいようですね。何か戦闘とかありましたか?」
「あー……訓練中に破損させてしまって……」
「王国の騎士の方々の鎧は基本的に高級品だと思います。それはつまり民間に委託すれば大金になると考えられます。そしてそれを公平に処分するにはお城に専門の部署があると考えるのが普通ですよね?」
僕の詰め方にグレインランドさんはかなり、冷や汗を出している。やはり、犯人として見るべきか。
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