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美しくなる努力

わたしは自分の見た目が気になる。きれいに、かわいくなりたいと思う。将来やりたいことがわからないからとりあえず勉強をする人がいるように、わたしは五十嵐くんの好みがわからないから、とりあえず美しくなる努力がしたいのだった。わたしは本屋に行き、ファッション雑誌のコーナーに行く。この手の本を買ったことがなかった。なぜか恥ずかしい気持ちになる。


わたしはセブンティーンとノンノを買う。家に帰り雑誌を開き、目を打たれる。なんて華やかな世界。華やかで、明るくて、きらきらとして、陽気で、朗らかで。本当に同じ国の世界なのだろうか。パスポートがいるのかもしれない。流行を彩る美しく、かわいい女性たち。こんな女の子たちなら、恋愛も自在にこなしてしまうのかもしれない。


わたしは外から家に帰ると必ずパジャマに着替える。家ではずっとパジャマを着ている。パジャマが一番落ち着くからだった。何年も同じほつれたパジャマを着ている。パジャマを何着も持っている。そんなわたしを急にわたしはみすぼらしく感じた。じゃがいもなのかさつまいもなのかわからないが、芋のような女だと思った。そして吃音を持っている。わたしは鏡を見つめる。鏡はなんだか白く汚れて曇っている。わたしは鏡を磨く。わたしの顔が今まで以上に鮮明に映る。ここがスタートラインなのだ。ここから始めなくてはならない。


水面下で準備して一気に全てをガラッと変えるのがいいのか、同時並行で徐々に変えていくのがいいのか。どっちがいいのかよくわからなかった。とりあえずやれることをやっていこうと思う。まずわたしは美容室に行く。今まで行っていた、近所の美容室ではなくネットで調べた中央区にある創世そうせい川沿いの店にした。


店内に入るとたくさんの女性が鏡の前で髪を切っている。その姿を見て、爽やかな気持ちになる。重たい髪を切り捨てて、今日から一歩、新しい自分になる。そのために来たのだ。

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