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ハズレと笑われたスキル『出会い』~ダンジョン配信中、異世界から猫耳少女が現れた~  作者: ななくさ ゆう


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第24話 攻撃が効かない!?ゴーレムから逃亡せよ!

 ゴーレムは叫ぶと、右腕を振り上げた。


「ぐぉぉぉぉぉぉ」


 狙いは俺か!?

 振り下ろされたゴーレムの右手を、俺は後ろに飛んで躱す。

 ゴーレムの拳は地面をぶっ叩いた。


 動きはそこまで速くないか。

 だが、ゴーレムの拳によって、洞窟の地面は大きくえぐられている。

 こんな攻撃、まともに喰らったら俺もリルラも終わりだ。


「くっ」


 俺はライトソードを抜き、ゴーレムの右足に斬りかかる!

 だが、ゴーレムは硬い。

 ライトソードはあっさりはじかれた。


「くそっ」


 ゴーレムの表層が多少削れた様子はあるが、このまま繰り返しても、ライトソードの方が先に駄目になりそうだ。


 その様子を見て、今度はリルラが飛び上がる。


「こんのぉぉニャァ!」


 2メートル近く飛び上がり、ゴーレムの後頭部をキック! さらに身を翻して顔面を右拳でパンチ。

 だが、ゴーレムは気にした様子もない。


「イッタァァァ、痛いニャァァァ」


 リルラが右拳をフリフリしながら涙目で悲鳴を上げる。

 さすがのリルラもゴーレムの硬い表層をパンチするのは無茶だったらしい。


 ゴーレムが再び腕を振りかぶる。

 あくまで狙いは俺か。

 リルラのことは完全に無視している。

 リルラが狙われないのはいいが……


「クート、避けるニャ!」


 言われなくとも!

 俺はゴーレムの攻撃を避ける。

 このスピードなら避け続けることはできる。

 だが……


「クート、このままじゃまずいニャ」


 その通り。

 攻撃を避け続ける俺と、攻撃が効かないゴーレム。

 一見どちらも攻撃を喰らわないという意味で互角に見えるがさにあらず。


 俺の方はいつか疲労がたまりミスをするだろう。

 一方、ゴーレムの方はミスしても問題ないのだ。

 しかも、こういうタイプのモンスターは疲労することがない。


 それにしても、なんで高尾山ダンジョンにゴーレムなんて出てくるんだ!?

 トロールと同じく、富士山ダンジョンの奥地とかに行かなければ出てこないモンスターだぞ。


 ゴーレムは次々と左右の拳で俺に殴りかかってくる。


(やばい、避けきれない)


 疲労がたまるどころじゃない。

 この限られた空間じゃ、すぐに追い詰められる。


『空斗さん、リルラさん、逃げてください』

「たしかに、それしかなさそうですね」

「そうにゃ、逃げるニャ」


 幸い、ゴーレムの速度はそこまで速くない。

 だが、通路はゴーレムを挟んで向こう側。


「クート、一か八かニャ」

「だな、相棒」


 俺たちはゴーレムの足元をすり抜けようと駆ける。

 この位置ならゴーレムの拳はとどかない。


「ぐぉぉぉぉぉぉ」


 ゴーレムは両足を無茶苦茶に動かして、俺たちを踏みつけようと暴れた。


「リルラ、全力で走れ!」

「分かってるニャ!!」


 俺たちは、なんとかゴーレムの足元を駆け抜け、通路までたどり着いた。


「まだまだ走るぞ!」

「おうニャ!」


 俺とリルラは必死に通路を走った。

 ゴーレムはドスンドスンと音を立てながら俺たちを追ってくる。

 なんとか、女神の間か、あるいはダンジョン踏破のオーブを見つけられれば……


 少し進んだところで、十字路があった。


「どっちに行くニャ!?」

「右!」


 根拠など何もない。

 迷う時間が惜しかっただけだ。


(たのむ。女神の間か、オーブ、こっちにあってくれ!)


 だが、そんな願いむなしく。

 たどり着いたのはオーブも女神像もない、ただの広間だった。

 しかも通路は今俺たちが走ってきたたものだけ。

 完全な行き止まりだった。


「ど、どうするニャ、クート?」

「どうするたって……」


 俺がそう言った時、背後にゴーレムが迫っていた。


「くそっ」


 この狭さじゃ、こんどは足の間をすり抜けるのも簡単じゃなさそうだ。


「リルラ、あいつは俺を狙ってる。俺が囮になるからそのスキになんとか逃げろ」


 元々俺のまいた種だ。

 理屈は知らんが、タイミング的に虹の腕輪を台座から取ったからやつは現れたのだろう。

 リルラを巻き込むわけにはいかない。


「イヤニャ! クートを置いてにげるなんてできないニャ」

「だけど、このままじゃ……」


 ゴーレムが「ぐぉぉぉぉぉぉ」と声を上げて、部屋の中へと入ってくる。

 この部屋の広さじゃ、ゴーレムの攻撃を避け続けるのも難しそうだ。


(くそ、もう一度なんとか逃げるしかないか?)


 そう思ったときだった。

 部屋の中が、まぶしいほどの虹色の光に包まれた。


『今度は何!?』

「この光、ボクが異世界転移したときと同じニャ」


 そして、俺たちは新たなる『出会い』をするのだった。  

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