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ハズレと笑われたスキル『出会い』~ダンジョン配信中、異世界から猫耳少女が現れた~  作者: ななくさ ゆう


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第21話 空斗&リルラ、バズりはじめ!?「皆さん、コメントありがとうございます!」

 女神の間にたどり着くまでは、あえて黙っていてくれたのだろう。

 俺とリルラが一息つくとはるるんさんが教えてくれた。


『空斗さん、リルラさん、視聴者数がすごいことになっていますよ』

「え?」


 俺は慌ててマホレットを確認した。

 同接数は1万4782だった。


「うわぁ、マジか」

「どうしたニャ?」

「1万4782人も、俺たちの生配信を見ているんだ」

「それって、すごいのかニャ?」


 キョトンとするリルラに、はるるんさんが興奮した声で言う。


『すごいですよ! この間配信者デビューしたばかりのアカウントとは思えません!』

「はるるんさんのおかげですよ」


 実際、視聴者の大半は彼女のSNSとかから来ているだろうし……と思ったのだが。


『それだけじゃありません。前回の配信の後、匿名掲示板やSNSでも空斗さんの動画は話題になっていましたから』

「え、そうなんですか?」

『チェックしてなかったんですね……』

「すみません」

『いえ、エゴサは必ずしもお勧めできませんし。でも、コメントもたくさん来ていますよ』

「はい、ちょっと読んでみます」


 などと話しながら、俺は今回の探索を始めてからのコメント欄を読んでみる。

 今回の探索では、はるるんさん以外のコメントは音声OFFにしているので、いま初めて中身を読む。


 俺が黙読していると、リルラが言った。


「ボクも、ボクもコメント読みたい!」

「いや、お前は……」


 文字が読めないだろと言いかけてやめた。

 視聴者に対しては、リルラはこの世界の18歳の探索者で通すのだ。

 文字が読めないなどといえば怪しまれるだけだ。

 外人だから日本語の読解に問題があるといういいわけはできるかもしれないが。


「分かった、マホレットに音読させるから」


>お、ついに配信開始?

>あれ? 空斗1人じゃない?

>なにあの子ども? なんでダンジョンに子どもがいるの?

>リルラちゃんっていうんだ。かわいいな


「えへへ、ボクかわいいニャ?」


>なんか、語尾にニャとかつけてあざとい

>リルラちゃん、これで18歳ということは合法○○?


……運営に自動的に伏字にされる単語使うなっ!

 しかもリルラに対して!


>お、モンスター出現!

>空斗、リルラちゃんを護れよ!

>っておいwww

>グーパンチ一発!

>リルラちゃん強かった!

>つーか、今、拳が見えなかったんだが?

>マホレットの性能が悪いのか?

>というよりスキルだね。おそらく『一閃』あたり

>『一閃』だろうな。つよいじゃん、リルラちゃん。


「えへへへ。ボクは強いのニャ!」


>さらにモンスター来た

>虹のモンスター!

>生配信ででてくるってことはディープフェイク疑惑は完全否定?


「ディープフェイク動画って、そんなこと言われていたのか……」


 なんかちょっとショックだ。


「でぃーぷ……なんニャ?」

『匿名掲示板ではそういう話が出ていました。あえてお知らせしませんでしたが』


 たしかに、いきなり初探索で未発見のレアモンスターと出会ったなどと言われても、信じてもらえないのはわかるけどっ。


>リルラちゃん、今度は虹武者につっこんだっ!

>ちょっ、無茶だろ

>オイラのリルラたんが死んじゃう

>空斗、早く助けてやれ!

>空斗! 急げ!!


 うん、このときは俺も慌てたからな。


>ああっ、リルラちゃん

>肩から血が流れてる!

>も、もうダメ……

>空斗、ゴブリンと遊んでいる場合か! リルラちゃんが!!


「空斗は遊んでいたわけじゃないニャ。失礼なコメントだニャ」

「いや、あれは俺が悪かったし。視聴者さんと喧嘩はやめような」


>うぉぉぉぉ、リルラちゃん、紙一重の一撃!

>危なかったぁ

>そしてそのまま、ゴブリンも

>リルラ、おまえはよくやったよ

>空斗もまあ頑張った?

>空斗、ちょっと情けないかも

>空斗とリルラなら断然リルラ派だな


 ぐうの音も出ない……

 実際、さっきの戦いはリルラのおかげで助かったからなぁ。


>リルラと空斗、熱い相棒関係

>こういうの、オジサンは弱いのよ(T_T

>わるいけど、俺はこういう露骨なお涙ちょうだい劇はいらない。

>同感。生配信しているんだから、とっとと先に行けよ

>視聴者への気遣いはまだまだだな

>はるるん、コメント読んでるんだろ。2人になんとか言ってやれよ


 うう。

 たしかにさっきは視聴者そっちのけで、リルラと2人盛り上がっていたかも。

 リルラはちょっと不快そうな表情だが、特に何か言いはしなかった。


>虹のモンスター2匹が現れただけで、その後は特に何も無しか

>結局スキル『出会い』ってなんなんだ


 ホントにな。

 自分でも未だに謎が多すぎるスキルだ。

 虹のモンスターと出会うのは確定。

 リルラとの出会いもおそらくはこのスキルのおかげだと思う。


 だが、トロールは?

 あれは虹のモンスターではなかった。

 そもそも、トロールは俺に襲いかかってくる前に、リルラと出会っていた。

 だとすると、俺のスキルとは無関係だった可能性もある。

 だが、ならばどうして新宿ダンジョンにトロールが出現したのかという謎が残る。

 エルバランスの女神ともう一度話す機会があれば、もう少しはっきりすると思うのだが。


 などと考えているうちに、コメントはどんどん流れていく。


>虹の魔石って何千万っていう値段で売れるらしいぜ

>マ? 空斗、大金持ちじゃん

>俺は億って聞いた

>さすがに億はない

>スパチャしようかと思ったけど、それ聞いてヤメタ

>ただの嫉妬で草

>女神の間か

>ここで休憩? 俺風呂入ってきて良い?

>いいんじゃね?

>なんか、コメント読み始めたみたい


 と、現時点ではこれが最後のコメントだった。

 さて、なんというべきか


「皆さん、コメントありがとうございます!」


 他に何にも思い浮かばなかった。

 すかさず、はるるんさんがフォローしてくれた。


『空斗さんとリルラさんの励みになるので、チャンネル登録、グッドボタンよろしくお願いします。今日の探索はまだまだ続きますので、どうぞお付き合いください』


 リルラがパチパチと拍手した。


「おー、はるるんナイスだニャ。ボクも頑張るからよろしくニャ」


 そんなこんなで、視聴者と軽く戯れた後、俺たちは第2階層へと進んだ。

 そこで俺たちが見たのは、今までのダンジョンとは全く違う景色だった。

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