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物理的な嫌がらせ

『どの神が爆弾を持ってるでしょう作戦』のため『イグドラシル』の近郊で『自爆』を発動した大河は、ほどなくして『不死の呪い』によって復活した。そして辺りを見渡し爆発によるクレーター以外には周囲に何もない事を確認する。

 ウルザに『賠償者』を発動するためエルフィードの勇者であるオリーバたちにも協力してもらっていたのだが、無事『自爆』の爆発により撃破できたようだ


「……オリーバさんたちは無事吹き飛ばせたみたいだな。良かった……」

「うん。今さっき、エルフィード様から賠償ポイントが入ったってシーラ様の元に連絡があった」


 そうして1人で胸を撫で下ろしていると、後ろから声を掛けられる。大河が声のする方を振り替えるとレイアが立っていた。


「え……あ、レイアさん」

「……? ああ、大丈夫。タイガの意識が戻る前に『孤独の呪い』は掛け直してある」

「あ、そうなんですね。なら大丈夫ですね……」


 大河はシーラ陣営から抜け出している設定なため、ウルザにレイアと一緒にいるところを見られると困った事になる。

 そこら辺はレイアもしっかりと理解しているため、先ほどわざと解呪していた『孤独の呪い』は既に掛け直されていた。


 とはいえ『孤独の呪い』を一時的に解呪していたので、『イグドラシル』近郊に大河がいるという事はウルザにも伝わっているだろう。

 そのため、ウルザが正常であれば、既にこの場所にウルザの勇者たちを向かわせている可能性が高い。


「ウルザが勇者たちは此方に向かって来ていますか?」

「ううん。ここから近い『コンボ』にも勇者は何人かいるけど、今のところ動く気配は無い。多分、タイガの嫌がらせが成功してウルザが指示を出せていないんだと思う」

「そうですか。それなら良かったです」


 しかし、レイアが言うには、ウルザが勇者たちを此方に向かわせている兆候は今のところ無いらしい。大河を捕らえる絶好の機会を逃すほどウルザも愚かではないため、おそらくレイアの推測通り、大河が仕掛けた嫌がらせが機能しているのだろう。


「とはいえ、俺の嫌がらせっていうか俺はオリーバさんの合図で『自爆』しただけですけどね」

「考えたのはタイガ。オリーバもびっくりしてた」

「いや、前々から考えてはいたんです。視覚共有のタイミングが分からないから無理だと諦めていたのですが。オリーバさんならそれが分かるってなったら試してみたいじゃないですか」

「結果的に成功したからいいと思う。オリーバは逆の意味で言ったんだろうけど」


 大河が仕掛けた嫌がらせとは、『孤独の呪い』を解呪した大河に対して、ウルザが視覚共有をしてきたタイミングを見計らい『自爆』を発動する事で、視覚的なダメージをウルザに与えようというものであった。

 この嫌がらせの構想自体は、シーラが大河の『自爆』をレイア越しに見て驚いていた時から浮かんでいた。しかし実際に行うとなると主神から視覚共有をされているかどうかが大河には分からないため実行は断念していた。

 しかしエルフィードの筆頭勇者であるオリーバは、大河が視覚共有をされているかどうかを察知することができることが判明したため、今回その嫌がらせが実行に移せた。


 エルフは魔術的な要素を五感で感じ取る能力が備わっている。そしてオリーバなどのハイエルフとなると更に鋭敏な五感を有しており、それによって神からの干渉すら感じ取ったのであった。

 とはいえオリーバとしては、神が視覚共有しようとすればその兆候を察知できるので覗かれる心配はないと言う意味で言ったため、まさか視覚共有を利用した嫌がらせに使われるとは思いもしていなかっただろうが。

 

「……あ、『コンボ』にいる勇者たちが動き出したかも」

「そうですか。それなら撤退しましょう。『リュートの遺跡』に戻って次は獣国ですね」

「うん」


 ポイントや疑心暗鬼とはまた別の直接的な嫌がらせを行ったお陰で、今後ウルザは容易に大河に対して視覚共有ができなくなるだろう。

 それは、これから内通者を使ってウルザを騙すなど秘匿性の高い作戦を実施する予定の大河たちに取っては好都合なのであった。

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