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同情されるほどの外れ

 突然振り下ろされた剣が大河を両断する。という事はなく、その直前で剣がピタリと止まる。


「な、え、なに?」


 なぜ突然女性が自分を殺そうとしたのか、そしてなぜ剣が最後まで振り下ろされなかったのか分からず混乱する大河。恐る恐る女性の方を見ると女性は見えない誰かと会話をしている。携帯などを持っている様子は無いがここは異世界。スキルや魔法で遠方の相手と会話をしているのだろう。

 話している相手の声は大河には聞こえないが、女性の話す内容から大河を殺そうとしている女性を会話相手が制止しているようであった。


「……ウルザの勇者です。ここで……ですが! 分かりました」


 その会話が終了する。

 女性は深くため息をつくと切っ先を大河に向けた状態のまま再度話し掛けてくる。


「私たちの主が貴方と話がしたいと言ってる」

「え、話ですか?」

「そう。貴方が捨てられたっていう女神ウルザについての話」

「女神ウルザの…」


 女神ウルザという単語が出た瞬間に大河を殺そうとしたことから、この女性や女性の主と女神ウルザの間には何かしらの因縁があるのだろう。

 それに関しては良いのだが、大河は何も分からない状態で放り捨てられこの森に転生したので話せる事などあるのか分からないのだ。

 そのため若干言い淀んでしまう。すの態度に女性は少し嬉しそうに剣を刃を立てる。


「もし話したくないと言うならそれでもいい。私も後腐れなくこの剣を振り下ろせるから」

「話せます、話します! 呼び出されて直ぐ捨てられたから殆んど分かりませんが話せる事は全て話します!」

「そう」

 

 大河としても危険な森に捨てられ、魔獣に追い掛け回され、現在剣を向けられる元凶を庇い立てる気は毛頭ない。自分が分かること話せる事であれば全てを話す意志があることを伝える。

 そんな必死な大河の返答に一応納得したのか女性は剣を鞘に収めてくれる。


「じゃあ、これから私たちの主の元に案内する。粗相の無いように」

「は、はい!」

「ああ。それと……ステータス提示って念じてみて」

「え、あ、はい! ステータス提示ですね!」


 ようやく命の危機から脱した大河は、女性の指示に従いステータス提示と念じる。すると今度は頭の中ではなく目の前に自分のステータスが提示されていた。


名前:織上大河 (オリガミタイガ)

種族:人族

クラス:勇者 (女神ウルザ)

年齢:17歳

レベル:1

ユニークスキル

・自爆

パッシブスキル

・逃げ足:1Lv


「あ、スキルが増えてる! でも逃げ足か…あ、これで大丈夫ですか?」


 逃げることに必死で気が付いていなかったがどうやら『自爆』以外のスキルを獲得していたようだ。とはいえまたなんとも微妙なスキルではあるが。

 嬉しいような悲しいような微妙な反応を示しつつ、大河は提示された自分のステータスを見ている女性に問い掛ける。するととても可哀想なものを見る目で大河を見つめてくる。


「大変だね」

「あ、やっぱり『自爆』ってそんなになスキルなんですね!」

「じゃあ行こっか」

「全く警戒されなくなるほどのスキルってことですね!」


 女神の反応などから薄々自分でもそうだとは思っていた。しかし先程まで明らかに警戒していた女性からの見る目が、女神の手先かもしれない怪しいやつから、警戒する必要のない可哀想な子に変化するくらいのゴミスキルだと判明したので若干ショックを受ける。

 そんなやり取りをしつつ大河は女性について行くのであった。

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