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仕様の確認は大切

 大河は新たなユニークスキルとして『弱き転生(弱くてニューゲーム)』を習得した後、レイアと共に色々と使えそうな呪いを探していた時に発見した『誘爆の呪い』。

 死んだ際に対象者が最後に受けた攻撃を周囲にいるその者と主神を同じくする者にも食らわせてしまう呪い。自身への単体攻撃が仲間への全体攻撃になりかねない凶悪な呪いとして掛けられた場合、即座に解呪することを推奨されている呪いである。

 しかし主神と敵対しているものの、改宗はしていない大河にとってはこれ以上ない最高の呪いであった。


「なぜ死亡時のステータスリセットが発生している。仮に『誘爆の呪い』で俺たちを殺したというなら、なぜ俺たちはここにいる!」

「……これ以上は自分で考えてください」


 ウルザの勇者たちは死亡時のペナルティが発生しているにも関わらず、ウルザの元に行かず地上に留まっていることに動揺していた。

 そんな勇者たちを見て内心ほくそ笑んでいる大河。大河としても、ここまで目論み通りにいくとは考えていなかった。

 大河が『誘爆の呪い』に目を付け色々と調べていた際に、最後に受けた攻撃が複数であった場合、その全てが仲間に誘爆するということ仕様を知り1つの疑問が生まれた。

 もし呪いは掛けた際だけでなく掛かっている間は常に攻撃を受け続けているという判定なのであれば、『誘爆の呪い』で仲間に受けさせる事ができるのではないかと。


 とはいえ死亡時の攻撃を撒き散らす『誘爆の呪い』が発動すれば、周囲の者たちもかなりのダメージが入る。それを考えれば呪いを他者に付与した所で死亡の際のリセットで呪いも消えてしまうため意味が薄い。そのため普通はそんなこと考えもしない。しかし大河には死亡する際に効果を発揮する呪いである『不死の呪い』が掛けられている。

 『自爆』戦法により『不死の呪い』が攻撃判定になることは分かっていたので、後は『不死の呪い』が、掛けられた時だけ攻撃判定なのか常に攻撃を受け続けている判定なのかというだけが問題であったのだが、目の前の光景を見れば大河は賭けに勝ったようだ。

  

「ふざけるな!」

「仕方ないですね。それなら、もう一度死んで生き返れば分かると思いますよ?」

「なっ! ……ま、まて」

「待たない。『自爆』!」

「がっ、ふ!」


 大河はゴウショウたちの制止をなど無視して再び『自爆』を発動する。すると『誘爆の呪い』が再び発動し、勇者たちはまたしても『自爆』の衝撃をその身に受けてしまい絶命する。

 しかしその際に受けた攻撃は『自爆』だけではなく、大河に掛けられた幾重もの呪いも一緒に受け止めていた。

 そしてその呪いの中の1つである『不死の呪い』が、本来は女神ウルザの元に向かう筈の魂を地上に繋ぎ止めその場で強制的に蘇生させてしまう。


「ま、まただ……いったいどうなっているんだ」

「さあね。それじゃあそろそろ3回目の『自爆』を始めようか」

「も、もう。もうやめてくれぇーー!」


 そしてこのコンボに必要な呪いたちは大河の『弱き転生』によって、死亡時のペナルティでもリセットされずに引き継ぐ事ができる。仲間の足を引っ張る事だけに特化したこの戦法は、何度でも繰り返し行う事ができるのだ。

 とはいえ先の『自爆』戦法と同様、これでポイントを奪い過ぎるとその後の作戦に響きかねないため、10回ほど繰り返した後に、隙を見せ勇者たちを逃がす大河なのであった。

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