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見えない本~あなたにはこの本が見えますか?~  作者: CASCADE


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15/32

第15話:拡散するスレッド(前編)



深夜一時。

俺はいつものようにPCの前で缶コーヒーを飲みながら、ネットのオカルト板を眺めていた。


「昨日のあのスレ、マジで胸糞悪かったな……」


ふと思い出し、キーボードを叩いて新規スレッドを立ち上げる。


『【洒落怖】昨日オカ板でリアルタイム実況してたヤバい奴覚えてる?』


1:**名無しの投稿者**

昨日、燃やしても捨てても部屋に戻ってくる『白いノート』の実況してた奴いたろ。

最後「部屋が真っ白になった」とか言って消えたやつ。

あの後、>>78のレス以降ピタリと書き込み止まったじゃん。あれ、マジでどうなったと思う?


5:**名無しの怪異好き**

あー、あの釣りスレなw

最後の連続連投はちょっとゾクッとしたけど、まあ演出だろ。


12:**名無しの怪異好き**


> > 1

> > 俺も見てたわ。

> > あれアカウントごと消えてるんだよな。演出にしては凝りすぎだろ。

>

>


閲覧者たちが集まり、昨日のスレッドの話題で盛りがり始める。

俺は「やっぱりみんな気になってたんだな」とニヤリと笑い、キーボードを叩いた。


18:**名無しの投稿者**


> > 12

> > マジで? アカウント消えてんの?

> > まあ自作自演だとしても、あの逃げ場ない感じの追い詰められ方は鳥肌立ったわ。

> > ちょっとトイレ行ってくる。

>

>


PC画面をそのままにし、俺は部屋を出て廊下の突き当りにあるトイレに向かった。


用を足し、手を洗って部屋に戻ってくる。

所要時間は二分もかかっていない。


だが――自室のドアを開けた瞬間、俺は息を飲んだ。


「……は?」


さっきまで何もなかったはずのパソコンデスクの上。

キーボードの目と鼻の先に、一冊の『白い本』がぽつんと置かれていた。


表紙も背表紙も真っ白。文庫本サイズの無地ノート。


昨日のスレ主が言っていた、あの通りの『本』だった。


手のひらから嫌な汗が噴き出す。

嘘だろ? 部屋には鍵をかけていたし、誰も入るはずがない。


「なんで……なんで俺の部屋に……!?」


震える手でキーボードを引き寄せ、俺は半狂乱でスレッドに書き込んだ。


25:**名無しの投稿者**

おい嘘だろ嘘だろ嘘だろ

トイレから帰ってきたらデスクの上に『白い本』がある

昨日のスレで言ってたやつと全く同じ真っ白なノートだ

誰かのイタズラか!? マジで怖いんだけど!!



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