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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
神聖国の勇者

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必然


 まだ帝国は遠く旅は続く。


「なにしてんの?」

「ん? 錬金だ」

 俺はレシピにある知識の種とカプセルの実を使ってスフィアボールを作っていた。

 出来たスフィアボールはかなり良かった。


『スピードアップ』のスフィアボール

『収納』のスフィアボール

『二刀流』のスフィアボール

『魔力増大』のスフィアボール


 これだけ出来た。

 知識の種に入っていた知識がこれだったのだろう。


 ちょうど4人にいいので渡してやる。


「ヤッタァ! 収納欲しかった」

「二刀流か、これで剣がブン回せるな」

「スピードアップか、出来れば『アクセル』が良かったな」

「俺なんて魔力増大だぞ?」

「いらんのか?」

「いります!」

 とケンジだけ腑に落ちないようだが、魔力増大も立派なスキルだからな。


「あ、そう言えば『カツ丼』を広めたのはコナミか?」

「そうだよー、あの時は仲良かったしね」

「あー、来たばっかの時な」

「米があるのにたべてないからビックリしたよ」

「へぇ、料理出来るんだな」

「まぁねー!」

 そうか、やっぱり米を食べるという文化がなかったんだな。


 (こっちはパン以外の主食を見たことなかったしな)


「食糧不足が救えるって喜んでたのにね」

「だな。それから牛丼も教えてたよな?」

「ね、あまり広まらなかったみたいね」

「いや、王国まで来てたぞ? だから神聖国に来たんだからな」


 あれがなかったら気づくのが遅くなってたからな。


「へぇ、王国はどんなところ?」

「んー、ヨーロッパ系だな。こっちみたいに白い建物だらけではないな」

「へぇ! 行ってみたいな」

「行ってみるのもありかもな」

 こっちで旅してみればいいさ。


「もう着きますよー」

「おう」

 と御者台に座ると、メダルを見せて街の中に入る。


「ここはデカい街だなぁ」

 『セアト』という街に入ると、与一達を預けてブラッシングなどをしてから外に出ると、夜の賑わいを見せている。

 とりあえず宿をとってから外に出てみると夜市のような感じだな。


「なんかお祭りみたいね」

「そうだな、掘り出し物はないかな?」

「周ってみようぜ!」

 とみんなで夜市が出てるところを周って行く。


 俺は『鑑定』しながら色々と見ると、

『解説・転移するには』

 という本を発見したので買っておく。

 みんなはアクセサリーや買い食いなどをして楽しんでいる。


 聞くと今日は教皇の生誕祭らしい。


 もういないけどな。


 誰が取って変わったのかは知らないし、後で新聞でも読んでみるか。


 宿に戻ると、久しぶりの1人部屋で、焼き鳥とビールをテーブルに出して窓から外の賑わいを見ながら飲んでいる。


「あ! やっぱり1人で何か食べてる」

「ん? シルヴァか、食べるか?」

「食べる!」

 と椅子に座らせてビールを出してやる。


「美味しいねー」

「だな、精霊はどこにでもいるのか?」

「うーん、人に似てる精霊もいれば獣に近い精霊もいるからね」

「そうなんだな」


 精霊はその力を秘めた人や動物のようだな。

 妖精から進化した存在が精霊らしく、精霊の森は死の森の奥に隠れて存在しているそうだ。


「なんで人間のとこにいたんだ?」

「巡り合わせ? こうなることは必然」

「そうか、偶然じゃないんだな」

「そう、みんな必然。必然が折り重なって未来に変わる」

 (俺がここにいるのも必然か)


「でも、選択することによって必然は変わってくる」

「未来は変わるってことか」

「そう、選択の力は大きい。未来を変える力」

「やっぱりそれは自分で選択しろってことだな」

「そう、偶然なんて無いから」


 (俺の選択で未来は変わるからな)


「あぁー! いないと思ったらやっぱり!」

「見つかるのも必然」

「だろうな」

 アリア達が入ってきたので焼き鳥を買い足す。


「美味しい」

「これ、すごく柔らかいですね」

「野菜が挟んであるのも美味しい」

「私はこのコリコリしたのがいいですね」

 と好きなものはみんな違うが、それでいいんだよな。


「さぁ、明日も早いからみんな寝ようか?」

「えー、まだいいじゃないですか!」

「そうそう、ゆっくり喋りたいです」

「僕もまだ眠く無いし」

「私も、今日はなんだか眠れないような」


 そうだな、外がこれだけ賑やかで、今までに無いような雰囲気だからな。


 話は続き、久しくみんなとこうやって話をしていなかったのを思い出す。


 やはり旅は目的があるからみんなそうやって目的を達成しようと頑張る。


 まぁ、息抜きも必要なのかもな。

 

 夜は更け、みんな帰ってから1人になる。


 今日はたくさん喋って疲れたな。


 でも楽しかった。


 『カリーナ』はやっぱりこうじゃ無いとな。


 翌日は朝からシャワーを浴びてスッキリすると着替えて下に降りる。


「あ、おはよー」

「おう、おはよう」

 朝からもりもり食べている4人の高校生。

 まだ、自分のやりたいこともわからないかも知れない。

 だから帰してやらないとな。


 外に出て空気を吸う。


 昨日の残り香がする。


 この世界は四季がないようだ。


 半年が経とうとしているが、寒くもなく暑くもない。

 だから変わり映えしないブーツに黒のパンツ、半袖のシャツの上から防具を着ている。

 

 与一と白葉を愛でに行くと、来るのが分かってたのか、こちらを見ていた。


「今日もよろしくな」

 と言って与一と白葉の身体をなでる。

 (さて今日も頑張るか)

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