世界地図
朝、まだ霧の出てる頃に出発する。
後ろではヒロト達4人とアリア達が寝ている。
「えへへ、僕だけの時間だ」
「ミントは寝なくていいのか?」
「こんなの滅多にないからね」
と引っ付いてくる。
「ケント様はこの旅が終わったら、魔王国に向かうんですよね」
「そのつもりだ」
「怖くないですか?」
「怖いのはもう慣れたよ。それまで動物も殺したことなかったからな」
そう、やらなきゃやられるからな。
「ケント様の日本? を教えてください」
「あのな、こっちみたいに……」
と話は続き、みんなが起きてくる頃、交代して飯を食って寝る。
ミントが抱きついてくるので暑いが仕方ない。
次の街が見えてきたころ、俺とミントは起きて町の中に入っていく。
馬を預けて与一達のブラッシングや餌やりをする。
ユウスケは動物が好きらしくて与一達にブラッシングをしながら喋りかけてるな。
宿を取るが、部屋数が少ないため男部屋と女部屋に分けた。
部屋に入るとテーブルに世界地図を広げる。
「へぇ、世界地図?」
とケンジが言う。
「だな、これが世界地図なのか、正確かは分からないけどな」
「だね、大陸一つしかないじゃん」
お、ケンジはそれなりの頭を持ってそうだな。
「は?大陸一つじゃダメなのか?」
ヒロトが聞いてくる。
「これだけしかないならすごい小さい惑星になるぞ? 王国から回ってきたからな」
「まぁ、他にも大陸があると考えた方がいいと思う」
「へぇ」
もし、この惑星が一つしか大陸がないなら、かなりちいさな星か、すごい大きな大陸。でも旅してきて大陸は普通だったのででかい大陸ってのは考えられないな。
生活は魔法があるから成長しないのか分からないが。でも船は一応あるから航海は出来そうだな。
まぁ考えても分からないが、ここだけと考えるのはやめといた方がいいだろう。
それでもこの地図は役にたつ。
俺たちはこの大陸でしか行動してないからな。
「ここが今いる『ドケイ』の町だな」
「げっ、まだそんなきてないじゃねーか」
「馬車だからな。車ならもう帝国にはついてるな」
馬車でも40~50キロ走ればいい方だろう。
「魔法があるなら転移魔法とかないのかよ?」
とヒロトが聞いてくる。
「あると思うが知らないし、行ったことないとこには無理だろ?」
(お決まりだからな、転移魔法は俺も覚えたいが)
「それよりもだ、帝国に行ってどうするかだ」
「ん? 何が?」
「お前らだよ! 俺らは魔王国を目指す。お前らは?」
「んー、のんびりすごす?」
ヒロト達が無事ならそれでもいいんだが。
「出来るのか? 俺らが負けたら」
「そ、そうだな。レベル上げだな」
だよな。とりあえずはレベルを上げてさえいればチャンスはあるしな。
「そうだ。だからここのダンジョンのある場所に行こうと思うが?」
(流石に遊ばせとくのもなんだし、俺たちが負けることもあるかもだしな)
「わかった! そこでいいよ!」
「よし、決まりだな」
とりあえずヒロト達はダンジョン街の『ダンデ』に連れて行く。
そこからだな。
「お前たちを置いたら丸尾さんと合流だな」
「その丸尾さんってのはケントより年上か?」
「あぁ、34くらいじゃないかな?」
たぶんだが、俺より下ってのはないだろ。
「おっさんじゃねーかよ!」
(そりゃお前達からすりゃおっさんだろうがな)
「そんなんで魔王倒すの出来るの?」
「いっとくが丸尾さんも限界突破してるからな?」
「マジかよ!」
「え? レベルは?」
「130は超えてるだろ」
「化け物かよ!」
「それでも負けるかも知れないんだぞ?」
「だよな。俺らも限界突破できるかな?」
「あぁ、頑張れよ!」
「よし! 俺らも目指すぞ!」
「「おお!」」
と言って部屋から出て下の大テーブルで食事にする。
相変わらずどこでも出てくるオーク肉の焼いたもの。
まぁ、味は悪くないし、食えるからいいけどな。
「で? どこで合流すんの?」
「帝国に行ってみないと分からんな」
「連絡手段は?」
「ないな」
(あればとっくに使っている)
「帝国に行ってからか」
「そうだな。新聞でも見てみるか」
宿に置いてある新聞を取ってくる。
「丸尾さん達はもうすぐ魔王国に突入するらしいな」
「な! それじゃあ急がないと!」
「もう入ってるだろ? この記事が出てるんだから」
新聞といっても瓦版のようなもので、こちらにくる頃にはだいぶ経っている。
もしかしたらもう魔王の目の前かも知れない。
「あ、そうか」
「無事でいてくれればいいがな」
翌日も朝から出発して途中の休憩地点で野宿だ。
「ふぅ、あんまり進まないんだな」
「自分で走るよりはマシだが、馬にそこまで求めちゃダメだろ?」
与一達はよく走ってくれている。
「だけど、焦るよな」
「んー、そこまでは焦ってないかな?」
「は? なんで?」
「丸尾さんも慎重な人だから1人で無茶はしないだろうしな」
「そ、そうか、ならいいけど」
薪をくべて火を絶やさない。
天を仰ぐと月が見える、ってことは地球もどこかにあるのかな?
(帰りたいのか? 俺はどうしたい?)
最近の悩みはそればかりだな。




