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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
神聖国の勇者

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バックスタブ


 『メルデア』で防具を買って満足してしたガキンチョ達。

「イシシ!これで俺も勇者だな」

「いや、勇者なんだろ? 前のやつの方がいいんじゃないか?」


「あれ動きにくいから嫌なんだよ」

 まぁ、フルプレートだしな。


「これ上から着れるから楽よね!」

 と革鎧を磨いているが、

「なんで俺の部屋に集まる!」


「えー、なんだってあるんだからいいじゃん」

「あ! またエッチなことしようとしてる!」


「ちげぇよ! 俺だって1人になりたい時くらいあるだろ」

「ふーん、まぁ、いいけど」

「ショップ出して」


「はぁ、聞いてないだろ?」

 ショップを出してやる。


「今日は牛丼かな?」

「俺鰻重!」

「おー!いいねぇ!」

 ったく、まぁいいか。


 寝転んで窓から空を見る。

 (はぁ、こいつらも帰りたいのにな。俺はどうしたいんだろう)


「なぁ、ケントは帰るのか?」

「ん? なんでだ?」


「いや、こっちに女の子達置いて帰るのかなぁって」

「要らん心配すんな」


「だって可哀想じゃん!」

「……まぁな」


「まぁ、考えてんならいいけどさ」

 とヒロトは鰻重をかっ込むと、お茶を飲んでいる。


 翌日はようやく首都の『ウェアラ』に向かう。

 流石王都だな。


 昼には見えてそのデカさが分かる。

 まぁ、到着は夕暮れ時になるだろうが、いろんな場所から馬車が集まってきている。

   

 近くなると俺たちはハリボテで作った荷車の中に隠れ、スライが御者をして中に入る。


「勇者様方のご帰還だ」

 と大声で門兵が言うのでうるさいと言われているな。


 とりあえず今日は神聖国の城下町で宿を取る。


「ようやく着いたな」

「あぁ、あの胡散臭いおっさんを殴ってやるんだ!」


「まぁ、その前にお前らは王、じゃなくて教皇に聞くことがあるだろ?」

「おう! 帰還の本だよな?」


「そう、それがあれば帰れると思うからな」

「分かってるって!」

 本当に分かったか? 

 

 心配だな。


「俺もついてるからな」

「だな、スライは頑張ってくれよ?」


「おう!こっちに居たら引っ捕まえてやる」

 まぁ、スライに任せれば大丈夫だろ。


「さて、とにかく明日だな」

「「「おう」」」

 


 翌日は朝から馬車で教皇のいる城のような場所に入って行くと、俺たちとコナミはそこから離れて中に入ると客室に向かう。


「みんなこっちよ!」

「おう!」

 と走って行くと兵士がいるが構ってられないので無視して走る。


「ここよ!」

 “バンッ”と開けると誰も居ない。


「くそ、あっちだったか!」

 兵士達がもう来ていて囲まれるが、俺達に敵うわけなく倒されて行く。


 とスライがこちらに向かって来ていた。

「スライ! どうだ……た、って!何してんだよ!」

「あ、に、にげ……」


スライに掴まれているのはヒロトで血だらけになっている。


「ヒロト!」

 


「スライ、お前」


「あはははは! 俺はこの機会を狙ってた! こいつらは人を馬鹿にしすぎたからな!」


「……その手を離せ」


「は! お前には敵わないから人質だよ! ほら武器をよこせ」

 俺は武器を投げ渡す。


「ハハッ! 何が仲間だ! お前ら異世界人と人間様は違うだろ? 何一緒にしてんだよ!」


「グアッ! ギギギ」

 とヒロトを甚振っている。


「お前がどんな奴かよく分かったよ」


「は? おまえら、人間様と一緒だと思ってるのか?」


「はぁ、本当にやってられないな!」

『アクセル』


 俺はスライの真ん前に立つと思いっきりぶん殴る。


「ゴヘァ!!」

「ヒロト!『聖女の涙』」


「ウッ、ごめん! ユウスケ達が!」

「いくぞ! お前も一緒だ!」

「ウガァアァ」

 とスライの頭を掴み走って行く。


 途中から兵士が駆けつけてくるが、アリア達が倒して行く。

 アリア達に兵士を任せ、俺たちは先に進む。



 教皇の間に到着すると倒れているユウスケとケンジがいた。


「ユウスケ! ケンジ!」

「グッ」

「ゴフッ」

「『聖女の涙』!」

 とコナミが回復魔法を使うと弾かれる。


「な! ……お前が魔導士か?」


「ヒッヒッヒッ! お前のせいで王国を追放されたんだぜ? お前なんかが来なければ俺は魔導士団団長の座から降りることはなかったんだ!」


「はぁ、お前には本当うんざりだな」


 ステンドグラスの光が差し込む綺麗な場所だが、教皇と魔導士は笑っていて、

「お前ら虫ケラの代わりはいくらでも増やせる」


「ヒッヒッヒッ、そう、私がいればブゴボブバ!!」


 俺はアクセルダンスを肩に、今ぶん殴った魔導士を見下ろす。


「は、馬鹿な! 魔法を遮断したのに!」 


「お前のチンケな魔法は古代魔法の前じゃなんら意味がないぞ?」


 俺は古代魔法の『アクセラレーター』を使いもう一度何発もぶん殴る。


「わ、わひゃった、わひゃったかりゃ」


「何言ってるかわかんねーよ! コナミ?」 


「『聖女の涙』」

 ユウスケとケンジも回復すると立ち上がる。


「わ、分かった、お前の言う通りにしてやる!」


「そうかそうか、なら俺らを今すぐ帰せるよな?」 


「え……あ、し、知らない」

「は?」


「知らないです。帰還の魔法は」

「ユウスケ! ケンジ! 殺すなよ?」


「「おう!」」

「ひぁぁぁ! ま、まって!」

 とユウスケとケンジ、コナミも参戦してるな。


 ヒロトはスライの髪を掴んで、こっちを見ている。

 

「な、なぁ、話し合おうじゃないか?」


「ほぉ、なにをだ?」


 偉そうな椅子に座って白い布を何枚も着てるような服のジジイの前まで行く。


「な、に、を、だ?」

「こ、こ、これからのことを……」

 声が震えているが、判定魔法は『正』の文字だ。



「よし、話し合おうじゃないか? な?」


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