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勇者はおっさん?俺は?《おっさんを助けたら巻き込まれて召喚されたので好きにさせてもらいます》  作者: 盾乃あに
神聖国の勇者

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神聖国の勇者達


 フィラムの街を散策する。

 朝には与一達に餌を与えて、ブラッシングまでしてきたから大丈夫だ。


 スライは1人でどこかへ行ってしまったので、6人で行動する。

 と言っても服やアクセサリーはショップがあるし、これと言って見て回るものがないんだよな。

 古本屋によるがなぜかあった日本の雑誌『月刊 おつまみ大全』を買っただけだ。


 そして宿に帰ってもう一度1人でぶらつく、新聞が宿になかったので探しに出て来たのだ。

 真っ白な街並みに所々に神様のシンボルらしきものが彫ってある。

 喫茶店に入るとチャイのようなものを頼み新聞に目を通す。


「まだ、ダンジョン攻略はできてないみたいだな」

 30階層突破と書いてあるのでまだ大丈夫だろ。


 写真が載ってるが若いな。

 まだ10代のような気がする。

 ゲーム世代だから魔王を倒していいもんだと思ってそうだ。

 チャイを飲んでいるとスライが入って来たので声をかけると、

「あぁ、新聞か。何か書いてあったか?」

「ん? 勇者様は30階層突破したそうだ」

「ふーん、そうか」

「知り合いか?」

 こっちの勇者と?


「一応な」

「そうか、俺も会いに行く途中だ」

「そうなのか?」

「あぁ、まぁ。野暮用だ」

 と言うとスライが言う。


「あいつらは楽しんでる。民が傷つこうともな」

 民が傷つく? 殺しをやったのか?


「人でも殺したのか?」

「……そんなとこだな」

 (はぁ、まともに帰れなくなるぞ?)


「ふぅ、とにかく明日には着くからそのつもりでな?」

「あぁ。まだ子供の勇者をどうにかしないといけない」

 と強い眼差しで見てくる。


「それは俺も参加していいか?」

「……ケントならあるいは」

「おっ、もうこんな時間か、宿に戻るか」

「そうだな」

 外は夕焼けで街は綺麗なオレンジ色に染まっている。


 宿に帰ると、

「また1人で出歩いたんですね?」

「新聞を読んできただけだよ」

「もう、誰か連れて行って下さい! 私とか」

「そうだな、今度からそうするよ」

 とアリアと話して大テーブルに座り注文をする。


 翌日、与一達を受け取り馬車に乗って次は『ドラフト』と言う街だ。 


 何事もなく平原を抜けると荒野になっていて街道があるからなんとか道がわかる。


 『ドラフト』の街の方角から馬車が来るので、立ち止まり聞いてみると、

「今は行かない方がいいぞ?」

 と言う御者。


「何故だ?」

「勇者だよ! やりたい放題だからな!」

「はぁ、わかった、注意するよ」

「言ったからな? かなり荒れてるから気をつけろよ?」

「分かったよ」

 ふぅ、大事にならなければいいんだがな。


 ようやく『ドラフト』の街が見えて来た。

 門まで行くと怪我をしている門兵。

「大丈夫か?」

「自分の心配をした方がいいぞ?」

 と言われてしまう。

 馬車を預けて街を見ると怪我してる人が多いな。

 宿を取りに行く。

 普通の宿屋だ、勇者は高級な宿に泊まっているらしい。

 とりあえず今日はもう遅いので、明日顔を見に行く。


 下の酒場で飯を食っていると、

「勇者が来てからめちゃくちゃだ」

「お前大丈夫か? 腕だけで済んで良かっただろ」

 などと話が聞こえてくる。

「はぁ、どんな勇者だよ」

「これを止めに俺は帰って来た」

「そうか、付き合うよ」

「……危ないぞ?」

「まぁ、負ける気はしないからな」


 少し嫌な気分でシャワーを浴び本を読んでから寝る。

 (ふぅ、明日は少し本気で行くかな)


 翌日は朝飯を食べてから外に出ると逃げてくる人がいるので行ってみる。


「おらおら! 勇者に口答えすっからこうなるんだよ!」

「あはは、この世界最高ね!」

「まぁ、飽きて来たけどな」

「それ言えてる!」

 と10代のヤンチャ盛りだろう。


「お! そこにいるのは教官じゃないっすか!」

「……お前たちはやりすぎだ」

 (スライは教官だったのか)


「負け犬の遠吠えー! またやるの?」

「俺が勝ったら、今度こそ言うことを聞け!」

「いいよー! 勝てたらね?」

 (あれでも勇者、負けるだろうな)


「悪いが先に俺と勝負だ」

 と俺が前に出る。


「……強いぞ?」

「俺が負けるとでも?」

 と言うと笑うスライ。


「あ? なんだテメェ?」

「お前らより大人だろ? 敬語使えバカ」

 躾のなってないガキだな。


「は? まじムカつくんですけど?」

「やれよ、雄介!」

「おう! オラァ!」

 斬りかかってくるが遅い!

「『アクセルダンス』」

 (大人げないがここは完勝させてもらうぞ?)


 踊り狂う雄介といった男は血だらけになって倒れる。

「キャーー! お兄ちゃんが!」

「テメェ! 『ファイアーランス』」

「『アイスランス』」

 炎の槍を突き破り氷の槍が突き刺さる。

「ガァァァァァァ!!」

 杖を落としたその男の肩には氷の槍が刺さったままだ。


「い、癒したまえ! 『聖女の「させるかよ!」キャアァァァ!」

 と女の子の髪を掴み上げると、

「あとは?」

 と後ろで見ていた男を見ると何か構えているな?


「ブレイブスラッシュ!」

「『アクセル』」

 (こいつ女ごと斬ろうとしたな)

 女を離すと、

「ひ、ヒイィィィィ」

 と女の子は這って逃げていく。


「お前今仲間ごと斬ろうとしたな?」

「は? それが何か?」


「あぁ。俺の嫌いなタイプだな!」

「ブレイブファイア」

「『アクセルダンス』」

 わざと炎に向かって突っ込み切り刻む。


「グアァァアァ!」

 これで少しはおとなしくなるか?


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