関所
「あー、作れると言っても錬金術ができるからな」
「凄っ! まじで?」
「だから素材がないとダメだ」
「な、ならこれ! これで!」
と杖を持って来た。黄色の宝石が輝いている。
「どんな風にしたいんだ?」
「これは雷の杖! もっと強くしたいの!」
「はぁ、金貨100枚な」
「わかった!」
俺は付与魔術と錬金を使うとイメージするのは雷神だ。
「お、おぉ!!」
杖は茶色だったが白くなり黄色の宝石は金色に光る。
「出来たな、……『雷神の魔杖』らしいな」
「凄っ! やったぁ! これ飾っとくね!」
飛び跳ねて一番目立つところに飾っている。
「それより月属性の杖はないか?」
「月……あるけど高いよ?」
「なんでだ?」
「希少なの! ルーンウッドって死の森の素材からできた月の宝石を使った杖なのよ?」
「わかった、それを買おう」
「み、ミスリル硬貨1枚よ?」
「ほれ、あと金貨100枚払えよ?」
「……わぉ、金持ちだ」
とミスリル硬貨と金貨100枚を交換する。
「これでいいか?」
「ん! 弱めだけど使ってたのより数倍マシね」
「そっか、俺も月の魔法は知らないからな」
「ありがと、ケント」
と言ってほっぺにキスをしてくる。
「「「あぁーー!」」」
「あれだけ抜け駆けはダメっていったでしょ!」
「もう! なんなのこの子」
「うー、僕だって」
とキスの嵐に耐えるしかなかった。
「タラシだ……」
「ウッセ! んじゃな!」
「毎度ありがとねー」
と魔杖屋を後にする。
最後に寄るのはもちろん古本屋だ。
「もう夕方ですからね?」
「わかってるよ」
とアリアに言われるが探し物は見つからない。
やっと見つけたのは『錬金術レシピ1』だ。
金貨1枚で買い。
みんなの買い物と比べたら俺なんか少しなんだがな。
とりあえず宿に向かいようやく人心地つくと、大テーブルでビールを飲み始める。
「ようやく落ち着けるな」
「ですね、ここの料理もおいしいですしね!」
「うまうまっ」
(そういえばここもそろそろでないとな)
「明日には神聖国に向かうか」
「はい! 急ですね?」
「いや、ここに来て盗賊なんかで時間を食ったからな」
「はい! ヘンドリックに」
「私がどうかしましたか?」
「おぉっ!」
とミントが驚いているが、
「明日向かうからよろしくな!」
「はい、わかりましたよ。馬車の準備はできてますから」
テーブルにつくのでビールを渡す。
「クウゥゥ……美味い! 仕事の後の一杯は美味いですね!」
そういえば馬車の掃除をしてたんだったな。
みんなでワイワイしながら飲んでいると、
「おう、女が余ってるな? 少しこっちに」
「悪いけど無理かな? 自分で飲んでろよ」
「あ? お前誰にゴフッ!」
「ミントの勝ちー!」
とわざわざグローブ着けて殴ったな。
「す、すいませーん!」
と帰っていく。
翌日は朝から門の前でキンドリー辺境伯と会ってしまう。
「君は王の客人だろ? 王国にいなくていいのか?」
「あぁ、それは勇者と同じ感じですね」
「……そうか、まぁ止められるわけはないか」
「ですね。それに神聖国もきな臭いですから」
「気をつけて行って来なさい。こちらは君達の味方だからな」
「はい。ありがとうございます」
「ではな!」
と言って出発する。
すぐに関所が見えてくる。
「おーい! 止まれ!」
「へい、乗合馬車でして、通行をお願いします」
「今は王国からは入国は禁止だ!」
「え? そりゃおかしいですね? 三国同盟はどうなったんです?」
「お前らには関係ないことだ!」
と門前払いだな。
俺は降りて兵の前に立つと、メダルを見せる。
「こ、これは……どうやら本物のようだな」
と言うと、
「この馬車は通ってよし!」
「ありがとうございます」
とヘンドリックは挨拶すると中に入っていく。
「あんなメダルどこで手に入れたんです?」
「シンドゥがな」
「そうでしたか、さすがですね!」
と神聖国に入ると初めての街『レディア』に到着する。
ヘンドリックの馬車に収納から荷物を戻してやる。
神聖国で売ってしまうらしい。
「では、私はこれで。ケント様達もどうかご無事で」
「あぁ、ヘンドリックもありがとな!」
「ありがとうございます」
とヘンドリックとはここで別れる。
(さぁ、神聖国はどんなところなんだ?)
まずは宿だな。
真っ白い建物が多いこの国は活気もあるが、それ以外にも神を祀っているようで至る所でお祈りをしている。
「……なんか、体に悪そう」
「ハハッ! なんだよその感想は」
ミントには合わないようだな。
宿に着くととりあえず部屋をとってみんなで休む。
シャワーを浴びて1人で街をぶらついてみるが、冒険者は少ないな。
古本屋に立ち寄ると、
「あらあら、こんなところになんのようだい?」
「お婆さん、ちょっと見させてもらってもいいか?」
「いいよ、この街の人は本屋なんかにゃこないからねぇ」
俺は本を探しながら話をする。
「へぇ。なんでなの?」
「そりゃ、回復師が多いからさ。冒険者なんて殆どいないよ」
「そりゃ。いいことじゃないのか?」
(回復師が多ければ助かる人も多いだろ)




